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2016年度第2回キャリア講演会が行われました。

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 10月11日、60周年記念講堂においてキャリア講演会「業界・業種・職種について考える」が開催されました。これは「4年間を通じた体系的なキャリア教育」の一環であり今年度は第2回目となります。

 今回も東松山キャリア支援課の川瀬龍彦氏にお話し頂きました。最初のトピックは「なぜ業界・業種・職種を知る必要があるのか?」。川瀬氏は、その理由を「選ばれる立場」と「選ぶ立場」という2つの側面から、現在就活中の学生の例を挙げながら解説して下さいました。

 まず、「選ばれる立場」として企業の要望を知ること。なかなか採用が決まらない学生の傾向として、人気業界・職種を選ぶ、一つの職種にこだわってしまうということが挙げられます。これは、企業の求める学生像(性別含む)と学生の実態が一致しないということに起因すると言えます。

 次に、「選ぶ立場」を理解するために、学生に知っている企業名を書き出してもらいました。10社以上挙げられた学生も多かったようです。ただし、ここで大事なのは、自分が希望している業界だけでなく、様々な業界の企業名を挙げられたか?ということです。

 つまり、自分の希望する業界だけに焦点をあてるのではなく、私大文系の学生をターゲットにしている企業の要望(選ばれる立場)と、自分自身がターゲットとする業界・職種(選ぶ立場)をふまえた上で、就活を行っていく必要性があります。

 次に、「業種・業界・職種」についての解説です。現在、日本にはなんと約3000の業界が存在するそうで、必ず自分に合った仕事が見つかるといえるでしょう。それでも、業界を正しく理解している人は少ないのではないでしょうか。例えば、馴染みのある「食品業界」一つをとっても食品製造業界、食品商社業界、食品販売業界とそれぞれ異なる役割をもち、さらに各業界の中に様々な業種・職種が含まれます。また、サービス業という「モノではなく行為」に対して対価をもらう職業は、旅行やホテル業界だけを指すのではでなく、大学を含む学校業界もこれに入ります。

 興味深いデータとして、2017年度卒業の国際関係学部の学生に実施したアンケート調査があります。これによると、2年次に希望していた業界と実際に就職した業界は大きく異なったといいます。「国際関係学部」ということで、やはり海外と関係のある旅行業界をはじめとするサービス業を希望する学生が非常に多かった反面、実際に就職した業界1位は金融でした。これは無論、各業界の求人の多さなどにも関係することで一概には言えませんが、自分の考えるイメージだけはなく、業界・業種・職種の内容をしっかりと理解した上で、自分に合った職業を発掘していく必要性があるといえるでしょう。

 

 次のトピックは、「自分で業界・業種を調べる方法」です。書店で入手できる『業界地図』や『四季報』には会社の履歴書とも言えるような細かいデータが詰まっています。これらを効果的に使うことで、業種・業界への知識はぐんと高まることでしょう。

 続いて、「職種研究動画」を見ながらの職種紹介ではごく身近な販売職、サービス職、営業職、エンジニア職、事務職などについて見ていきました。

 最後に、川瀬氏は「業界・職種を知ることは自分の可能性に繋がる」とまとめました。今後は自分の生活の場をはじめ様々な場面で、この職種はどの業界に属するのか?ということを考えてみると良いかもしれません。また現時点で自分の適性を限定するのではなく、潜在的な可能性も考慮しながら、進路を決めていってほしいと思います。

 次回の第3回キャリア講演会「就職活動を振り返って―4年生の体験談」は10月25日(火)に行われます。