Asia education

研究班「大豆のアジア学」の「ふるさと支援隊」(2016)事業がスタートしました。

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 「『鳩山大豆』の栽培・加工・広報による『元気創造』プロジェクト」。2年目の事業がスタートしました。これから半年にわたって、鳩山町高野倉地区をフィールドに「高齢者にも無理なくできる『負担の軽い大豆栽培』」、「『集客できる枝豆』のための『身延方式』の試行」、「枝豆収穫体験を通じた比企の小学生交流事業」「H2M枝豆ネットの構築」等々、2015年度の成果を踏み越える野心的な取り組みが展開します。乞うご期待。

まずは「飲むえだまめ」の試作から

 6月18日(土曜日)、研究班「大豆のアジア学」(ふるさと支援隊)の活動が始動しました。初回(第一日目)のテーマは「飲むえだまめ」の加工実習。13時より、第二研究棟の新里研究室において、まずは、2015年度の支援隊が開発したレシピに従い「飲むえだまめ」を試作。試飲の後には、キャンパス内にある実験農場付近の桑の葉や、レモン汁を調合するなどの試作と試飲を繰り返しました。将来の商品化に向けた準備として、試作品の栄養成分検査を行なうことになり(株)エンビックらいふに委託しました。

大豆栽培スタート

 7月2日(土曜日)。第2日目のテーマは、大豆の播種です。午後3時半。教員と5名の学生からなる支援隊が、お揃いのキャップとTシャツ姿で、高野倉の畑に集合しました。ちなみに、隊員の出身地は、宮城、山梨、埼玉、富山、熊本、栃木。「H2M枝豆ネット」にもふさわしい布陣です。

 梅雨の真只中ですが、幸運にも、ほどよい晴天に恵まれました。1年前の播種は、土砂降りの雨の中をカッパ着用で強行しました。水溜りさえできはじめた畑での畝切りはたいへんな重労働でした。しかし、今年は、播種日前の数日間はほとんど雨が降らず、さらに根岸正樹氏の丁寧な耕運により、畑のコンディションは完璧です。

畑での開講式

 まずは、畑での開講式。「大豆のアジア学」の初仕事のために、2015年度に続き、多くの「応援団」の方々にご参集いただきました。花之木営農組合からは、下口宏組合長と、大豆栽培をご指導いただく根岸正樹氏と船橋春雄氏。今年度の大豆畑をご提供いただく高野倉の新井幸好氏。鳩山町からは、清水儀行産業振興課長と森田浩彰主幹。JA埼玉営農部の鈴木誠氏。埼玉県からは、東松山振興センターの黒澤健一副所長と小池崇氏。ふるさと支援隊への期待や激励を思い思いに語っていただきました。さらに、支援隊の一員として、最後まで支援隊を見守りながら汗を流していただきました。ありがとうございました。

 

播種

 種まきから収穫までの大豆栽培の流れを一通り学んだ後は、薄茶色のきれいな土のキャンバスに、太い線を引くように、畝縄を張り、鍬を使って丁寧に畝を切っていきます。“船橋名人”の巧みな鍬さばきをお手本に、30分ほどで、約三畝(300㎡)の畑に、10本の畝を切りあげました。

 畝切りの次の仕事は、施肥。播種前に土壌に肥料を撒きます。昨年までは「オール14」という化成肥料を撒いていましたが、今年は、金子種苗(株)からご提供いただいた枝豆専用の肥料「ベストマッチ」を試用することになりました。畝の溝に沿ってパラパラと肥料を撒き終わったら、再び鍬を手に取り、肥料を覆うように薄く土をかけます。これで播種の準備が整いました。

小休止

 播種の前に一休み。「鳩豆工房 旬の花」特製の「大豆アイス」をご馳走になりました。きなこ風味の濃厚なクリームです。比企地域農業振興協議会からの差し入れです。ありがとうございました。

 いよいよ播種です。今年は、宇宙大豆(鳩山在来)、青山在来、丹波の黒豆の三種類を播きました。畝の溝に沿って、12~13cm間隔に、大豆の種を二粒ずつ置いていきます。畝切りや肥料散布のときとは違い、表情も真剣そのもの。間隔を気にしながら、ゆっくりと、土に種を嵌め込んでいるように見えました。播種後は、種を土で覆います。覆土は「種の直径の2倍が原則。厚過ぎると発芽しないことがあります」という根岸氏の注意を気にかけながらも、しかし、けっこう大胆に土をかけ、播種を完了しました。最後は、野うさぎや白鼻芯、アライグマの侵入を防ぐための鳥獣ネットを張りました。

 薄茶色の畑は、たくさんの大豆種を抱いて、こげ茶色の畑に様変わりです。はじめての大豆の播種にいい汗を流した支援隊も、どことなく満足げな表情を湛えていました。播種が成功しているとすれば、5日後に、畝に沿って真っ直ぐに大豆の芽が並ぶはずです。さて、種まきの成績はいかに。

発芽

 7月7日の七夕には、発芽がはじまりました。ひよこが殻を脱ぐように、大豆から芽が出てきました。まだ、ところどころ株間が長い畝も見られます。

 7月11日。9日目になると、すっかり大豆の芽が出揃っています。きれいな線が描かれています。支援隊の播種はうまくいったようですね。すばらしい!

 梅雨が明け、夏本番ともなれば、雑草との戦いがはじまります。草のようすを見ながら、8月上旬に、中耕・培土作業を行う予定です。