Asia education

地元の小学生を招いて「枝豆収穫体験(ふるさと支援隊事業)」を実施しました(10月20日)。

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 研究班「大豆のアジア学」は、「『鳩山大豆』の栽培・加工・広報による『元気創造』」をテーマに掲げ、鳩山大豆ブランドの復活に向けて、地元の高齢者の方々と力を合わせています。活動の三本柱の一つが「地域の人々と学生の取組を地域に広め『まちの話題』にするための広報活動」。小学生を招いて行う「枝豆収穫体験」はその一環です。2015年度は亀井小学校の3年生の児童のみなさんに収穫を楽しんでもらいましたが、今年は、趣向を変えて「枝豆収穫体験」を通じた小学生交流事業を企画しました。鳩山町の亀井小学校の児童と、お隣はときがわ町の萩ヶ丘小学校の児童に「枝豆摘み」を通して仲よくなってもらいたいと思ったからです。

 

 10月20日。天気予報では、この日の最高気温は27度。秋ならぬ「夏日」に、鳩山町立亀井小学校3年1組の児童と、ときがわ町立萩ヶ丘小学校3年生~5年生までの児童の、総勢32名のみなさんが、先生方とともに、枝豆収穫体験に参加してくれました。今年は、ピンチ(摘芽)を施したこともあり、枝豆もなかなかの粒ぞろいで、三連の莢も珍しくはありません。

 「大東文化大学・ふるさと支援隊」主催の枝豆収穫体験は、ただ、やみくもに枝豆の莢を摘み取るだけではありません。摘み取る枝豆の「重さ」の正確さを競い「ゲーム感覚で楽しめる収穫体験」なのです。目標は「500g」。計量は一回のみ。計量の結果、500gちょうどの人には「ピタリ賞」が授与されます。

 

 学生が収穫のやり方を説明し終えると、32名の児童がいっせいに畑に入り、枝豆を摘みはじめました。台風の影響で倒伏した株も少なくなく、株を引き上げなら、手際よく莢を摘み取っていきます。15分もすると、数名の児童が、早くも、500gの枝豆の入った袋やペットボトルで重さを較べていました。「計量は一回だけだよ。う~ん、もう少しだね」。学生のアドバイスで、畑に戻る子ども。「ピタリ賞」を意識して計量に来てはみたものの、量りに袋を乗せるのを迷う児童もいれば、「ピタリ賞」は端からあきらめ、ルールの倍の1kgを目指して頑張っている児童も。小さな大豆畑には、元気な笑い声とともに、微笑ましい光景が広がっていました。

 さて、計量の結果はいかに。第一号は、萩ヶ丘小の男子児童でした。その後も「ピタリ賞」が続き、全部で7名の児童が「ピタリ賞」に輝きました。計量に当たった学生たちは、小学生の「勘のよさ」にただただ恐れ入っていました。「ピタリ賞」の賞品は、大東文化大学が作製した宮城県東松島市の「復興応援グッズ」。写真たてとマグネットのセットです。

 

 「みなさん、収穫体験はどうでしたか」「楽しかったで~す」。全員が計量を終えた後、支援隊の学生の進行で、簡単な振り返りを行い、全員に、参加賞が渡されました。参加賞は、指導者の根岸正樹氏が丹精込めて栽培した「鳩山産『前川次郎柿』(甘柿)」です。

 最後は、亀井小と萩ヶ丘小の児童と先生、そして支援隊の記念撮影。柿と緑の枝豆。秋の実りを大事に抱え、バスに向かう32名の児童の嬉しそうな表情に、支援隊も大満足でした。

 「大東文化大学・ふるさと支援隊」は、「枝豆収穫体験」を、鳩山町の活性化に繋げることを目標にしています。亀井小と萩ヶ丘小の本日の枝豆収穫体験が、鳩山町やときがわ町の話題になって、大豆を通じた小学生の交流事業が拡大していくことを期待したいと思います。それだけではありません。今日の収穫体験をさらに発展させ、農村の一つのビジネスモデルとして提案するなど、耕作放棄地が「大豆畑」に生まれかわる日のために知恵を絞っていきます。

 なお、2015年度に支援隊が開発した「飲むえだまめ」と、「大豆のアジア学」と鳩山町との10年に及ぶ地域連携の記録が、11月に、農山漁村文化協会(農文協)から刊行される『食品加工総覧』(第6巻 ジュース・果汁)に掲載されることになっています。

謝辞

 ふるさと支援隊の指導者である根岸正樹氏と船橋春雄氏とともに、今回も、熱心な「応援団」の方々にご協力いただきました。鳩山町役場産業振興課の清水儀行課長と森田浩彰主幹には早朝よりテントをたてていただき、政策財政課の黒田裕介氏には、収穫体験を最初から最後まで取材していただきました。JA埼玉営農部の鈴木誠氏の他、埼玉県からも、東松山振興センターの小池崇氏と、「中山間ふるさと支援隊事業」を所管する農林部農業ビジネス支援課の三谷航平氏にもご視察いただきました。

 また、鳩山町立亀井小学校長の橋本敏雄先生と、ときがわ町立萩ヶ丘小学校長の田中恵子先生には、中山間ふるさと支援隊事業と「枝豆収穫体験を通じた小学生の交流事業」の趣旨をご理解いただき、本企画に全面的にご協力いただきました。そして、両校の先生方には、秋の「夏日」に児童を引率され、児童の安全に配慮しながら、ともに収穫体験に汗を流していただきました。

 記して深く感謝の意を表します。(国際関係学部長 新里孝一)

枝豆パンの開発へ

 11月になれば俄かに葉が茶色に変わり、12月初旬ともなれば、大豆の葉が落ち、いよいよ刈り取りの時期を迎えます。刈り取った大豆は、8月に船橋さんと綯った縄で束ね、脱穀は、昔ながらの「くるり棒」や「唐箕」を使って行います。

 大豆の完熟を待ちながら、支援隊にはもう一つ大事な仕事があります。昨年の「飲むえだまめ」に続く加工品の開発です。今年度のテーマは「えだまめパン」。2017年4月の販売を目指して、山崎製パンと共同で商品開発を行うことになっています。乞うご期待!

『曙大豆』の収穫は中止に!

 『まちの話題』にするための広報活動」には、日本一の枝豆「曙」の産地である山梨県の身延町、そして「ずんだ」の本場、東北の枝豆。二つの著名な地域との連携により、鳩山大豆の全国的な知名度を上げるための「MHK枝豆ネット」の構築という大企画があります。しかし、今年は、日程が調整できず、身延の『曙大豆』の収穫を断念せざるを得ませんでした。2017年には、身延と、そして「ずんだ」で積極的に町おこしをしている宮城県角田市の「ずんだまつり」を視察したいと思っています。