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「大学生のための県内企業魅力発見事業」報告・企業の研究(3・完)

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 「企業の研究」は、細田咲江先生のご指導の下、学生が企業に自力でアポをとり、企業を訪問して、業務内容等に関するインタビューを行う、2年次生を対象とする実践型の授業。第三回は7月8日と15日の授業で行なわれた「行動計画宣言」のようすをレポートします。7月15日には、後期から「魅力発見事業」を開講する女子栄養大学と共栄大学の教職員の方々と、埼玉県産業労働部就業支援課の石井悠史氏にご参観いただきました。

 社会人インタビュー報告会の後、自己のインタビュー体験や仲間の報告を聞いて得た気づきをもとに、各自が『キャリアデザインマップ』に取り組みました。「自分の強み・課題」「社会とのかかわり」「行動基準」を振り返り、大学卒業までを睨んだ目標を設定、その目標を達成するための具体的な行動計画を作成しました。

 

 7月8日と15日の授業では、全員が、やや緊張した面持ちながら、しっかりと「行動計画宣言」を行い「少し早めの『二十歳の誓い』」(細田先生)になりました。

 具体的な職業をイメージできている学生は多くはありませんでしたが、方向性ははっきりしています。「人の世話をする仕事に就きたい」「公務員」「国際的なフィールドで活躍するため、海外インターンシップやボランティアをやっていきたい」「グローバルに行動するため、卒業までに15カ国を旅し、20人の友人をつくりたい」「3年次にインドネシアに留学をしたい」「旅行業に就くために、まずは旅行産業論などの授業を頑張りたい」「国際的なラジオパーソナリティになりたい」「保育士になるのが夢。父兄が笑顔になれるような連絡帳を書きたい」等々。国際関係学部の学びにふさわしい多様なキャリアデザインマップが描かれているようです。

 「行動計画宣言」は、宣言をもって終わりではありません。他者の行動計画をどう感じたかフィードバックします。それだけではありません。「衆人環視の下での宣言」というと少し大袈裟でしょうか。細田先生と他の学生たちは、いわば「宣言」の証人です。それぞれが、宣言した「行動計画」どおり目標に向かって努力できているかどうか、卒業まで、相互に見守り、励まし合っていくことになります。

おわりに

 社会人インタビュー報告会の終了後、細田先生から力強く語られた「今後の目標」を、ここに再び記しておきます。

 社会人インタビューにより、業界や企業のこと、そこで働く社会人の考え方や行動の仕方を知ることができました。大学での学びやアルバイトの経験だけでは決して得られないきわめて有益な情報です。しかし「企業の研究」は、情報の収集で終わりではありません。みなさんには、インタビューを「よき思い出」や「感動的な体験」に解消することなく、インタビューで得た情報を、自らの残りの大学生活に落とし込んでもらいたいのです。生涯、満足できる社会人生活を送るためには、何をしなければならないか。このことを、今、真剣に考えてもらいたいと思います。

 

 「企業の研究」は、後期に予定される「問題解決学Ⅰ」のためのいわばウォーミングアップ。9月16日からは、同じクラスで、県内企業の提示する生の経営課題に、PBLで挑みます。社会人インタビューをやり遂げた学生たちのチームワーク。考えただけでわくわくします。28名のチャレンジはこれからが正念場です。