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国際関係学科国際文化学科

「企業と雇用B」の特別授業「アセアン企業塾」が実施されました。

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 「企業と雇用B」では、10月中に三回の「特別授業」を実施することになりました。最終回となる10月28日には、埼玉県産業労働部主催の「アセアン企業塾」を開講し、講師には、吉野電化工業株式会社の吉野正洋氏(専務取締役・統括事業部長)をお招きしました。 「企業と雇用B」では、10月中に三回の「特別授業」を実施することになりました。最終回となる10月28日には、埼玉県産業労働部主催の「アセアン企業塾」を開講し、講師には、吉野電化工業株式会社の吉野正洋氏(専務取締役・統括事業部長)をお招きしました。

 吉野電化工業の設立は1935年。埼玉(本社)、ベトナム、インドネシアを拠点に、自動車、航空宇宙、建設機械等に使われる金属や樹脂の表面処理や熱処理を手がけている企業です。吉野専務によれば、端的に「めっきをしている会社」。自動車のエンブレムはプラスチック製で、めっきを施し光沢や輝きを出していることや、スマートフォンの内部のアンテナとしてめっきが使われていることなどが説明されました。めっきが施されたエンブレムやスマホの部品の実物を手にとって見せていただきました。

 「なぜ、企業は高い給料を払って大卒を雇うのか?」吉野専務は、このような視点から、吉野電化工業がもとめる人材について語ります。大企業のもとめる能力が「チャレンジ精神」「チームワーク力」「コミュニケーション力」「リーダーシップ力」「主体的行動力」「グローバル素養」であるとすれば、中小企業がもとめるのは「人間力」「忍耐力」「向上心」「基礎学力」の4つ。とりわけ「人間力」が重要と吉野専務。

 「海外で働くこと」「海外で働くメリットとデメリット」。これは「アセアン企業塾」にふさわしいトピックです。海外で働いている日本人は、47万人(うち24万人がアジア地域で就労)人口比で0.7パーセントほどだといいます。大学生が東大生である確率よりも0.2ポイントほど高い確率だそうです。

 「働くということ」というトピックでは「常に目標を高くもつこと」が強調され、それに続いて、これから就職を本格的に考える三年生のために「会社を見るポイント」が提示されました。いいことずくめの情報に惑わされず「従業員のあいさつ」「5S」「実績」「経営者」に関する十分な情報を入手して、じっくり吟味することが大事。「5S」とは、「整理」「整頓」「清潔」「清掃」「躾」。企業を訪問した際には、必ず注意してみてください。

まとめ

 

 「アセアン企業塾」は、タイ語、インドネシア語、ベトナム語、ビルマ語など、東南アジアの地域言語を学ぶ国際関係学部の学生にとって、とても魅力的で有意義な講座だったと思います。

 吉野専務の講話から、地域言語を修得した学生が東南アジア地域で活躍できるチャンスが、これからも拡がっていくことを窺い知ることができました。埼玉県内にも、東南アジアに事業展開している企業が少なくないようです。地域言語を学び、アジアで働きたいという学生の夢を叶えるために、アジアに展開する優良企業を開拓することは、早急に着手しなければならない本学部のキャリア支援の課題です。今回の講座を、そのためのきっかけにできればよいと思います。

 

 吉野電化工業株式会社の吉野正洋専務には、ご多忙の折、就職活動を控えた学生に配慮して、自己分析にまで及ぶ具体的な講話をしていただきました。また、埼玉県産業労働部の一二三悟氏には、本学部におけるアセアン企業塾の開講に向けて、前期中から準備を進めていただきました。記して感謝いたします。