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国際関係学科国際文化学科

研究班「大豆のアジア学」が、大豆の刈り取りを行いました(12月1日)。

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 たくさんの小学生たちが枝豆を摘み取って二週間ほどたつと、大豆の葉っぱもだいぶ茶色みがかってきました。とりわけ「宇宙大豆」の成熟は早いようですね。

収穫の季節

 11月上旬には、宇宙大豆に較べて葉の青さが際だっていた青山在来大豆ですが、下旬にはさすがに少しずつ葉を落としはじめました。

 12月1日、午後1時より、大豆の刈り取り作業を行いました。この日は未明から大雨。午前10時頃まで降り続きました。それでも、雨がやむとにわかに青空が広がり、この時期にしては暖かな陽気です。学生の山森要さんと新里先生、指導者の根岸正樹氏と船橋春雄氏の4人が参加しました。

 あれほど雨が降ったにもかかわらず、泥濘(ぬかるみ)もなく、大豆の莢は意外なほどに乾いていました。株の根元に剪定ばさみを入れていきます。「パチン」「パチン」と、株の根元を切る音が畑に響き渡ります。7月2日の播種により土壌に根づき、育まれた大豆株が、5ヶ月ぶりに土壌から分離される瞬間の歓喜の音でしょう。最後まで残った三つの畝は、4人の手際のよい協同作業30分足らずで片付きました。大豆の刈り取りははじめてという山森さん。剪定ばさみをもつ手付きも、なかなかのものです。最後に、刈り取った株を「島立て」にしました。

 この状態で一月ほど乾燥させます。年明けの1月中旬には「くるり棒」や「唐箕」など昔ながらの農具を使用して脱穀を行うことになっています。

鬼が笑う2017年の夢

 作業終了後、師走の初日にふさわしく、夢のある雑談に花が咲きました。根岸、船橋両氏によれば、完熟大豆1kgの出荷価格は「250円」ほど。100㎏の出荷で25000円也。けれども、仮に、身延町のような枝豆収穫体験を実施し、体験料を1kg=500円に設定すれば、100㎏で50000円。身延町は『曙』ブランドで1.5㎏=1000円です。こうすれば、農作業の手間は3分の1以下で、収益は2倍になるわけです。

 「来年は、収穫体験トライアルも3年目になりますね」と新里先生が言うと「本格的に収穫体験事業モデルを検討してみてもよいのではないか」と根岸氏。「それには、人が寄ってくる豆にしなきゃな」と船橋氏。「今年の3倍ほどの小学生を収穫体験に招き、完熟で収穫する必要のないくらい枝豆を摘んでもらうのもいいかもしれませんね」と山森さん。

 鳩山を「枝豆の里」にするためには、船橋氏が言うように「集客できる大豆」が不可欠。そのために、今年度は「大豆のアジア学」が二年越しで開発した「飲む枝豆(枝豆ジュース)」を農文協『食品加工総覧』に掲載することができ、また、11月下旬には、「大豆」をテーマとする山崎製パンとの商品開発事業もスタートしています。

 4年間で一区切りのふるさと支援隊事業も、2017年度は3年目に突入します。今年以上に実り多き年にしたいと思います。

 支援するはずのふるさと支援隊が『地域の人々の支援されている』状態が、依然として続いているようです。根岸正樹氏と船橋春雄氏には、枝豆収穫体験以後の大豆畑の管理や、早生の大豆への対応など、全面的にご尽力いただきました。記して感謝の意を表します。