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国際関係学科国際文化学科

JICAボランティアセミナー~国際協力というシゴト~

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 12月5日、60周年記念講堂において、国際関係学部1年生を対象に「JICAボランティアセミナー~国際協力というシゴト~」が行われました。このセミナーは、青年海外協力協会(JOCA)の協力により、青年海外協力隊への参加者の体験談を聴き、学生に国際協力や交際交流について考えてもらうことを目的に企画されました。

 はじめに、JICAボランティア事業の目的や種類、応募から選考・派遣までの流れが説明され、「途上国でのボランティア活動について」「待遇や支援体制はどうなっているの?」といった内容を分かりやすくお伝え頂きました。今回は大学1年生に向けたセミナーであったため、新卒で資格や経験が無くても挑戦できるコミュニティ開発などの職種について、その事業概要、渡航費用や研修などの支援制度が説明されました。また、具体的な応募方法についても教えていただきました。

 青年海外協力隊の概要説明の後は、協力隊を実際に経験された東さんに、ボランティア活動の体験談を語っていただきました。

 東さんは青年海外協力隊となり、キルギスで協力隊活動に従事されていました。2年間の任期を終え、現在は公務員として活躍されています。体験談をお話しする際に、キルギスの民族衣装を来て登壇してくださり、聴講する学生たちも目を凝らしてみていました。東さんは、ご自身が国際協力を志したきっかけから青年海外協力隊に応募するまでのこと、現地でのリアルな生活状況について話されました。

 現地での生活では、現地の人との交流や民族楽器の演奏を聴いた話など楽しそうな様子が伝わってきました。その反面、トイレが屋外にあることや、お風呂に入ることも週に1回が普通という現地での生活に最初は戸惑いがあったそうです。しかし、慣れてしまえばそれなりに過ごすことができるとお話されていました。

 協力隊活動では、OVOPという1村1品活動の活性化についてお話を頂きました。石鹸作りをして売り出すことによって村を活性化していく事業を行う中で、東さんは、ボランティアがいなくても、自分たちだけで自立して生産ができることを目標とし取り組んだそうです。その中で、さまざまな問題があり、女性が働きに出ることへの家族への了承が必要であったり、さまざま所で、地域の人々の協力が必要であるため、地域イベントに協力したり、学校に出向き成績優秀者に制作した石鹸をプレゼントするなどの地道な取り組みを続けたそうです。話の中で、東さんの芯の強さが伝わってきました。

 最後に東さんは、「自分を見失わずに仕事をすることが大切」と話しており、青年海外協力隊で国外に出ると、自身が今まで「当たり前」と思っていたことが、「当たり前」でなくなり、現地には多様な価値観や文化を持った人々がいる、その中で多様な価値観を鵜呑みにしすぎずに自分の価値観も大切にする、そういったことが大切であると伝えていただきました。

 国際関係学部からも、多くのOB・OGが青年海外協力隊事業に参加し、世界中で活躍しています。このセミナーがきっかけとなり、国際関係学部のモットーである「もっとアジアへ、そして世界へ」と、積極的に飛び出していってほしいと思っています。