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英米文学科

英米文学科からのお知らせ

2015年12月21日

2015年度秋季英文学会が開催されました

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 英米文学科主催の秋季英文学会が2015年11月20日 (金) に、板橋校舎多目的ホールにて開催されました。

 今回の英文学会は、「ウィリアム・モリスの/への旅」をテーマに、午前の部では英米文学科の3年生が研究発表を行い、午後の部では本学英米文学科専任講師の木村竜太先生による講演が行われました。

【午前の部】
1. 人物・歴史班 : モリスの生涯の活動及び彼の作品の紹介と彼の生きた時代の解説をしました。

2. 文学班 : 作家としてのモリスを、モリスが作品に描いた騎士道精神を取り上げながら発表しました。

3. 工芸・芸術班 : モリスの芸術に対する考え方やアーツ・アンド・クラフツ運動について発表をしました。

4. 環境・建築保全班 : モリスが愛したレッドハウスや彼の建築および環境保全活動について発表をしました。

5. 社会思想班 : モリスの政治、労働、環境の思想や恋愛観について発表をしました。

 実行委員の学生が「ウィリアム・モリス」について5つの班に分かれ、それぞれ研究した成果を発表しました。19世紀イギリス社会を生きた彼は様々な場で活動しました。芸術家、詩人、デザイナー、建築家、社会主義者として活動し、業績を残しました。それぞれの班が幅広く彼について発表をし、「ウィリアム・モリス」の生き様、彼の思い描いた未来、彼が大事にした工芸の有り方を少しでも知ってもらえるような発表をしました。

【午後の部】
 本学科の専任講師である木村竜太先生に「ウィリアム・モリスの/への旅-その思想遍歴を巡って-」というタイトルでご講演をしていただきました。講演では多方面で活躍していたモリスがどのような活動をしていたか、また、学生発表では語りきることができなかったモリスの思想や影響を与えた人物などについてお話がありました。

 モリスは芸術や政治思想、文学など様々な分野、事柄で活躍しました。モリス死去時にある医者は、モリスが亡くなったのは、彼が十人分以上の仕事をしたからだと述べたと言われています。この事からモリスがいかに多方面で活躍していた人物であったかが分かると思います。

 モリスは工芸・芸術において、中世を指標として過去をロマン化し現代を彩っていく「中世主義」の影響を受けており中世の芸術を高く評価しました。彼は、中世には芸術の完全な自由が存在すると考えました。ですが、彼は中世の全てを評価したわけではなく、中世の悪い所を認識し、良いところを生かそうとする歴史観を持っていました。18世紀後半から19世紀にかけてイギリスはゴシック・リバイバルの流行により街中にゴシック風の建物が増え、イギリスの景観が変わりました。ゴシック・リバイバルは歴史ある建築物から不要な装飾を取り除き、オリジナルな建築物を目指す「修復」という流行を生み出しますが、モリスはこの修復に反対しました。過去を建築から剥ぎ取るのではなく、過去を現在の一部とし、「現在や未来を豊かにするために」使われるべきだと主張したのです。

 美しい性質を持った芸術作品を手に入れる事が困難であり、お金によって価値が決められる資本主義社会への否定が、彼が社会主義者になった一つの要因だと言われています。また、彼の社会主義思想や芸術思想の到達点は彼が執筆した『ユートピアだより』に描かれています。『ユートピアだより』に見られる社会主義思想は夢物語にすぎないと批判された面もありましたが、一方で「これは未来への変化の可能性を秘めた物語である」と感じ、この小説によって強い影響を受けた人びともいました。

 また、柳宗悦や河合寛次郎など日本の思想家や工芸家にもモリスは影響を与えました。モリスの日常の中に美を取り入れようとする「日常の美」の思想は、柳宗悦が行った民芸運動と一致しています。もしかしたら彼の与えた影響は今の私たちの日常生活の中にも入り込んでいるのかもしれません。

 最後に木村先生は、モリスが自分にとってのユートピアが万人にとっての理想ではないことを理解した上であえて語ったのは、その理想を押しつけようとしたのではなく、そうすることで彼のユートピアや思想を開かれたものにしようとしたのではないかと提起されました。その上で、彼の意志や思想を私たちが受け取り、あるいは否定し、考察していくことが必要だと結論付けました。また、思想家としてのモリスにとって重要なのは、彼の目標であった工芸の復活や美しい世界を「いかに」作り上げることができるかということではないかと言います。

 学会終了後には懇親会が開かれ、多くの学生や先生方が共に談話ができる良い機会になりました。木村先生も出席され、学生の質問にも丁寧に答えて下さいました。


 今回の学会で紹介された『ユートピアだより』やその他モリスが書いた著書は日本語に翻訳されており、書店などで手軽に購入できます。また、彼が影響を与えた芸術家の陶芸品や美術品は多くの美術館で閲覧できます。もし、ウィリアム・モリスに少しでも興味を持たれたのでしたら是非ご覧になってください。

(学会実行委員:英米文学科三年 池田、今井、竹井)

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