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2018年春季英文学会が開催されました。

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三野宮 春子先生 ご講演 『えいごのまなびをゆたかに』

 2018年度春季英文学会では、本学の英米文学科 特任准教授である三野宮 春子先生を講師としてお招きし、『えいごのまなびをゆたかに』と題するご講演をしていただきました。今回のご講演では第1部「語学の学び方」を、第2部では三野宮先生のご研究内容をご紹介していただきました。

 第1部「語学の学び方」では、外国語の学習方法の変遷とともに、自身に合った学び方を見つけるためのヒントを教えていただきました。コミュニケーションや言葉のもつ意味とは、単純に「単語+語順」で成り立つものではなく、人と人との関係性の中に生まれる流動的なものであるとのご指摘に、わたしたちの好奇心も大きく刺激されました。例えば、わたしたちは2018という年号を two thousand eighteen と読むように教わってきたかもしれませんが、実際には twenty eighteen と分割して読む方法が主流になってきているという状況があります。また、betterという単語は本来 good の比較級であるにもかかわらず、more better という言い方をしばしば耳にすることもあります。このように、言葉は時代や状況の変化に伴い、短縮されたり、新たな表現が生み出されたりと、非常に複雑な動きをしています。コミュニケーションも同様に、相手のリアクションやその状況によって決められていくものなのです。

 「語学の学び方」についてのご講演の中では、学生参加型の形式をとりつつ、遊びの中で解説をしていただく機会もありました。「Present」、「One word」と題された2種類のミニゲームは、三野宮先生の研究分野のひとつである即興劇を活用した形式で行われました。学生は台本のない状況で、与えられたテーマに基づき自由に英会話を展開していきました。コミュニケーションとは、人と人とが出会った瞬間に自然と生まれるものであり、知識を身につければよいというものではないと、身をもって学ぶことができました。

 第2部では、三野宮先生が研究されている即興劇についてご紹介いただきました。即興劇とは、台本なしで行う劇のことですが、想像力、思考・感情・身体の統合、授業の可能性の拡張、新たなテキスト開発、喜びという5つの観点において有効であり、外国語の授業における活用が模索できるような、大きな可能性を秘めたものであるのだということを私たちは学びました。

 ご講演終了後は積極的に質問する学生の姿が見られました。今回のご講演では言葉の学び方をいくつかご紹介していただきましたが、今後は1人1人が自分に合った方法を学習に活用してほしいと思います。

 学会後には三野宮先生を交え、懇親会が開かれました。この懇親会においても学生の質問や相談に丁寧にお答えくださり、学生たちの好奇心はますます高まっていく様子でした。