大東文化大学経営研究所 第4回経営シンポジウム「ホガース版画展」図録「ホガース自画像」

はじめに

ホガース年譜

目次
 ・「遊女一代記」
 ・「放蕩一代記」
 ・「講義を聴く学生」
 ・「ことの前と後」
 ・「居眠り会衆」
 ・「一日の四つの時」
 ・「納屋で衣裳を〜」
 ・「性格と戯画」
 ・「当世風の結婚」
 ・「勤勉と怠惰」
 ・「わがイングランド〜」
 ・「残忍の四段階」
 ・「ビール街」と「ジン横町」
 ・「フィンチレーへの出撃」
 ・「美の分析」
 ・「誤った透視画法〜」
 ・「ある選挙」
 ・「裁判官」
 ・「闘鶏場」
 ・「かつらの五様式」
 ・「小海老はいかが!」
 ・「ホガース自画像」

参考文献

開催にあたって

奥付

連絡先
大東文化大学経営研究所
tel:03-5399-7328
The Four Time of the Day 「一日の四つの時」 1738
 朝、昼、夕刻、夜という一日の四つの時を選んでいるが、登場人物も舞台も全部異なり、それぞれの舞台で見られる人々の暮らしや行動が、諷刺を込めて画かれている。4枚の組みものだが、この物語の表題はない。原画は、テムズ河南岸に17世紀に造られた上流階級の社交場Vauxhall Gardensが1720年代末に大衆的社交・遊園地に衣更えした折り、経営者Jonathan Tyersの依頼で、同園の大会場を飾るために画かれた。

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第1図 Morning「朝」*
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第2図 Noon「昼」
第1図 Morning「朝」
 舞台は冬のCovent Garden。中央左の婦人は、祈祷書を運ぶ少年を従えて朝のお祈りに教会へ。道楽者たちが早朝からこの辺りの売春婦と戯れているのを見て、衝撃を受けている。市場に食料を買いに出かける女性たちの後を二人の子供が学校へ急ぐ。教会手前右手に見えるTom King’s Coffee Houseは道楽、放蕩者が四六時中たむろする悪名高い店。
第2図 Noon「昼」
 時期は春。教会はフランスから逃れてきたユグノーたちの日曜礼拝が終わったところ。画面右半分はイギリスで経済的に栄えるユグノーたちで、伝統衣装をまとう年配者たちと、最新流行服を着る若い世代。誇らしげである。これに対して画面左側は、イギリス下層社会を画く。それは混乱を極め、黒人と情交する女性、配達する料理を落としてしまった少年は泣き、それを拾って食べてしまう少女。喧嘩をした主婦は羊の肩肉を窓から落としてしまう。

第3図 Evening「夕刻」*
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第4図 Night「日が落ちて後」
第3図 Evening「夕刻」
 時期は夏の夕方。舞台はロンドンの市民たちが夕涼みがてら訪れ、鉱泉の出る保養娯楽施設、RoseberryのSadler's Wells劇場辺り。劇場が左手に見える。劇場を出て散歩中の市民一家を画く。中央の官能的な妊娠中の妻は、子供の面倒は見ず不貞をはたらき、子供を抱いたおとなしい夫は、彼の背後にいる乳牛の角が重なって、嫉妬の角を生やしているように見え、男性にとっての悩みの種が語られている。この図のみ彫版はB.Baron.
第4図 Night「日が落ちて後」
 舞台はCharing Cross近く。中央左のリボンを首に巻いて正装した人物は、フリ−メイソンの集会から酔っ払ってよろめきながら帰宅途中の地域担当治安判事Tomas De Veilで、酒酔いを厳しく罰しながら私生活はふしだらで悪評の高いことで知られた。道路の真中の焚火に馬が驚いて駅馬車が横転し、助けを求める乗客を右下の二人の男が眺めている。駅馬車はロンドン−ソウルズベリ特急便。左側歯医者の軒下で火を付けた松明を持つ男、馬車に燃える松明を投げつけたのか。
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