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DAITO VISION 2023


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大東文化大学は、1923年の創立以来、建学の精神に基づき、またその時代ごとの要請に応じ、教育研究活動に取り組んで、社会とつながってきました。今、時代は大きく変化し、大学をはじめとする学校にも変革が求められています。

そこで本学は、これからも永続的に発展していくために、2023年に迎える百周年への連続性を視野に入れた計画を策定することを決め、将来基本計画「DAITO VISION 2023」を策定しました。この計画は本学の教育研究および経営の両面における将来像を構想したものです。

DAITO VISION 2023では、建学の精神「東西文化の融合」を基に、「アジアから世界へ―多文化共生を目指す新しい価値の不断の創造」を百周年に向けた新たな大学の理念に据えました。

大東文化大学は、この新理念の下、さまざまな文化的背景をもつ人々が相互理解を深め新たな価値を不断に育む開かれた「場」となることを地域社会との協力のもとで目指していくことを宣言します。

Ⅰ 建学の精神と理念

大東文化大学は、今年(2013 年)創立90 周年を迎えた。創立百周年に向けて大学の歴史を検証しつつ、来るべき2023 年の大学の将来像を明らかにしていく。

本学は、当時の帝国議会において決議された建議によって1923 年に設立された。建学にあたっては、「漢学(特に儒教)を中心として東洋の文化を教授・研究することを通じて、その振興を図ると共に、儒教に基づく道義の確立を期し、更に東洋の文化を基盤として西洋の文化を摂取吸収し、東西文化を融合して新しい文化の創造を目ざす」(1985 年『大東文化大学の建学の精神』 学園長期教育研究計画策定委員会報告書)ことが掲げられた。

建学の精神は、社会の進展と時代の変化の中で検証されてきた。『中期経営計画「CROSSING」(2009-2023)』(2008 年理事会)では、「東西文化の融合」という建学の精神は、「多文化共生を目指す新しい価値の不断の創造」と読み替えられた。これは、1990 年代に始まり、21 世紀に入って加速するグローバリゼーションの現実と課題に対応する新しい
理念として打ち出されたものである。

しかし、「東洋の文化」の研究から出発した本学の歴史においては、アジアに軸足を置いた研究と教育に最も蓄積がある。さらに現在は、欧米を含む世界に広げ、国際的な視野に立った研究と教育を特色としている。そのことから、「アジアから世界へ―多文化共生を目指す新しい価値の不断の創造」を大学の理念として掲げる。

Ⅱ 大東文化大学の目的と社会的使命 ― どのような学生を育てるか

グローバリゼーションの急速な進展によって世界は相互に関連するひとつのシステムとなり、その影響はあらゆる国、地域の人々の生活に及んでいる。他方、文明・文化の衝突、環境、貧困と福祉問題などが人類的な課題として浮上している。大学は、「学術の中心」(学校教育法第83 条)として、基礎的研究と教育を通じて、社会が要請する新しい課題の解決に貢献することが求められている。

本学は、アジアを中心として国際的な文化研究と異文化交流を行ってきた歴史があり、学術・教育の創造を通じて文化を世界に発信し、国際的に貢献していくことができる強みを持っている。

わが国の大学政策も「グローバル人材の育成」を掲げ、大学自体が「国際標準」化することを求めている。他方、COC (Center Of Community)構想に見るように、大学が地域再生の中核としての役割を果たすことを求めている。グローバリゼーションが進むなかで、それと関わりながら、地域が経済的に自立し、独自の地域文化を発展させることが必要になっている。またそこで生き働く人間は、「地域・日本・世界を貫く教養」が必要になる。その点での大学の役割が求められているのである。

本学は、学則第1条において、「建学の精神に基づき、学問の理論と応用を教授・研究して真理と正義を愛する自主的精神に充ちた良識ある人材を育成し、文化の発展と人類の福祉に貢献することを目的とする」と謳っている。これは、戦後教育法と新制大学の理念を踏まえた教育の目的である。

本学が教育の目的とする能力と人格(大東学士力)は、以下のようなものである。

  1. 地球的規模の視野と感覚を持ち、異文化への理解力・共感力、コミュニケーション 能力を持ち、諸問題の解決に貢献できる。
  2. 豊かな人間的教養と高度な専門的知識・技術を持ち、現代社会の諸問題にチャレン ジできる。
  3. 修得した専門的知識と技能を使って、社会の中核・中堅として、その発展に貢献す る意欲と能力を持っている。 
  4. 自分の意見を持ち、それを適切に表現し、他者と協力・共同する能力を持っている。
  5. 大東人として、また人間としての誇りと自信、社会の担い手としての強い使命感・ モラルを持ち、行動できる。

Ⅲ 創立百周年に向けた6つのヴィジョン

大東文化大学は創立百周年に向けた施策を6つのヴィジョンとして示し、大学の理念「アジアから世界へ―多文化共生を目指す新しい価値の不断の創造」を実現します。

1 主体的な学びにより、大東学士力(注1)を育てる「教育の大東」を実現する

  1. すべての学生が大東生学士力を身につける質の高い教育を展開する。
  2. 参加型・問題解決型の主体的な学びを実現する。
  3. 垣根をこえた学びにより複数の専門に挑戦できるカリキュラムを創造する。
  4. カリキュラムを全体的に共通化・柔軟化・スリム化する。

2 自主・参加・共同による学生生活を支援する

  1. 主人公として大学生活に参加することを支援する。
  2. 学習支援、生活支援を充実させる。
  3. 学生のさまざまなニーズ(障がい学生、心の病など)に適切に対応した施策を行う。
  4. キャリア教育・就職支援の全学的な体制を作る。
  5. 留学生への支援を強化する。
  6. スポーツ・文化活動をはじめ自主活動を支援する。

3 「開かれた知の共同体」をつくり、大東文化らしい高度な研究を創造する

  1. 個人の自由な研究活動を発展させると同時に、「知の共同体」としての機能を充実する。
  2. 基礎研究を重視すると共に、地域や社会の要請に基づくプロジェクトを展開する。
  3. 研究所体制を再編成し、学際的でダイナミックな研究を発信する。
  4. 大学院を再編成し、「大東文化」らしい教育と研究を充実させる。

4 国際的な学芸・教育のネットワークの拠点となり、世界に向けて発信する

  1. 大学の国際的なネットワークに参加し、国際水準の研究を推進する。
  2. 留学の制度(受け入れと派遣)を充実し、交流の国・地域、留学生数を増加させる。
  3. 国際的な学術交流を発展させる。

5 「学術の中心」として地域と連携・共同し、社会の発展に貢献する

  1. 地域の生涯学習の拠点となり、学習・文化活動の発展に貢献する。
  2. 地域の諸課題解決のための共同研究を発展させる。
  3. 学生の地域参加型学習の機会を増やす。
  4. ボランティア活動を支援し、拡大していく。

6 人権と自由を尊重し、公正な大学運営を行い、社会に信頼される組織となる

  1. 教育・研究の場にふさわしく、学生、教職員の自由と人権が尊重されるキャンパスをつくる。
  2. 社会に開かれた自治的なガバナンスを行う。
  3. コンプライアンスを徹底し、社会に信頼される大学にする。
  4. 安全と安心の危機管理体制をつくる。
  5. 教育・研究のための財政基盤を確立する。
  6. 内部質保障のための点検・評価体制を整備する。

(注1)「大東学士力」:本学が教育の目的としている能力と人格を指し、具体的には以下の5点となります。

  1. 地球的規模の視野と感覚を持ち、異文化への理解力・共感力、コミュニケーション能力を持ち、諸問題の解決に貢献できる。
  2. 豊かな人間的教養と高度な専門知識・技術を持ち、現代社会の諸問題にチャレンジできる。
  3. 修得した専門的知識と技能を使って、社会の中枢・中堅として、その発展に貢献する意欲と能力を持っている。
  4. 自分の意見を持ち、それを適切に表現し、他者と協力・共同する能力を持っている。
  5. 大東人として、また人間としての誇りと自信、社会の担い手としての強い使命感・モラルを持ち、行動できる。

Ⅳ ヴィジョンを実現するための具体的施策

1 主体的な学びにより、大東学士力を育てる「教育の大東」を実現する

大学にとって教育の充実は最重要の課題である。とりわけ、いかに学生たちの学ぶ力を引き出し、主体的な学びへと発展させるかが問われている。これまで本学が積み上げてきた教育実績を基に、強みをさらに伸長させ、以下の諸策を実行し、「教育の大東」を実現する。

1.教育効果を可視化する

個々の授業で教員が設定する到達目標はシラバスに明記されているが、目標への到達度を測る指標はもっぱら試験(またはレポート)の成績というのが現状である。さまざまな角度から学習の到達度を測り、学生自身が学習における成長の過程を確認できる方法と指標を設計する。授業科目と到達目標の関係を表として示したカリキュラム・マップの作成、授業科目の順次性、科目間の系統性・関連性を図示したカリキュラム・ツリーの作成など、可視化に向けた作業を行う。これにより、学生が自己の専門課程・学習到達目標などへの意識が希薄なまま科目履修を行い、関連科目の積み上げ学習が不足している現状を改善し、主体的な学習を促す。

2.参加型・問題解決型の主体的な学びを実現する

教員による一方的な知識の教授ではなく、学生が自ら考え主体的に学ぶための学生参加型・対話型の双方向授業の導入を進める。参加型の授業は、少人数の演習だけでなく、大人数の講義科目においても実践され効果をあげている。また、PBL 型(Problem-Based Learning、問題発見・解決型学習)の授業を積極的に進める。これらの授業への転換を行うために、ICT の活用をはじめとするさまざまなサポート体制を構築する。

3.カリキュラムを改革する

膨大かつ複雑多岐にわたるカリキュラムの抜本的な見直しを行う。現行カリキュラムのスリム化を図り、削ったコマで新規授業を開講するなど、カリキュラムの弾力的な編成と運用を行う。併せて、学部学科の枠を超えたカリキュラムの共通化を検討する。重複する授業の解消、また逆に受講者の多いコア科目を同時に複数開講するなどの検討を進める。さらに、科目のコード化、ナンバリングを進め、カリキュラムの体系性と順次性、関連性を明確にする。

4.初年次教育・基礎教育を強化する

志願者数の減少に伴う全体的な学力低下と学習意欲の希薄化、大学への入学準備不足といった問題に対処するため、いかに高校から大学教育にスムーズに移行させ、専門教育に導いていくのかが重要である。本学では、東松山キャンパスで学ぶ2年間を初年次教育・基礎教育の期間ととらえる必要がある。しっかりした基礎のうえに専門教育を行うのでなければ、大きな空洞の上に建物を構築することになろう。初年次教育・基礎教育では学生の基礎学力の向上を目的とした枠外授業の展開も視野に入れ、高等教育に耐え得る土台の再構築を図ることも重要である。

5.キャリア教育を拡充する

キャリア教育は、単に就職のためのものではない。学生が自己の長い人生=キャリアをどのように形成していくのか。そのために、働くことの意味、職業を通して実現したいことを理解する、自らの人生の大まかな方向性を考える、社会で求められる基本的能力を身につける。そのようなことを早い時期から考える授業を全学共通科目のなかで、また学部学科のカリキュラムのなかで拡充していく。

6.英語教育・多言語教育を充実させる

本学の語学教育は、英語を軸として、ヨーロッパ諸言語、アジア諸言語が開講され、多文化共生を掲げる大学にふさわしい構成になっている。しかし明確な目標設定と到達度の測定、きめ細かな能力別編成と指導、学部学科の枠をこえた語学教育の共通化、教員と科目配置の効率性、といった点で改善すべきことが少なくない。国際的なコミュニケーション能力を身につけ、地球規模で働く人材を育てるために、英語教育・多言語教育の充実は不可欠である。

7.図書館のラーニング・コモンズ化を実現する

大学図書館の機能は、レファレンス(図書の閲覧・貸し出し)から学習支援へと変化しており、多くの大学でラーニング・コモンズ型の図書館の建設や転換が行われている。東松山図書館は、年間に30 万人近い入館者があるが、その「資源」を有効に活用できているとは言い難い。授業外の学習時間を増やし、学生たちの主体的な学びを支援するために、グループ学習、ライティング・サポート、AV スペースなど多機能を備えたラーニング・コモンズ型の図書館への転換をはかる。

8.成績評価の標準化のためにGPAを導入する

成績評価の国際基準であるGPA(Grade Point Average)を導入する。GPA は学生が自身の学習成果を客観的に比較・把握する指標になると同時に、奨学金の給付、成績優秀者の抽出などの客観的な基準として活用できる。また、成績不良者を早期に把握し、退学者を減らす有効な手立てにもなりうる。学士力を保証する基準として、すでに全国の多くの大学が導入しており、本学でも早期に制度設計を行い導入する。

9.教育効果、学生の選択しやすさを優先した時間割編成を行う

学生が理解し易く選択し易い時間割を編成する。それは特定の曜日・時間に授業が集中しない時間割の平準化とともに、時間割編成作業に要する多大の人的・時間的コストを削減し作業の効率化を図ることでもある。そのために板橋キャンパスと東松山キャンパス、学部学科の枠をこえて時間割編成を行う全学横断型の調整システムを構築する。この作業では同時に、膨大かつ複雑多岐にわたる現行カリキュラムのスリム化、開講コマ数の総量規制、固定時間割の検討も不可欠である。

10.垣根をこえた学びによる複数専攻制(メジャー・マイナー制)を導入する

幅広い多様な学びを保証するために、学部学科の枠をこえた複数専攻制を導入する。GPA による厳格かつ客観的な成績評価に基づいて、一定の条件の下に、学生が主専攻(メジャー)のほかに副専攻(マイナー)をとれるようにする。優秀な学生の満足度を高めるとともに、学部学科と学生の志望のミスマッチによる学習意欲の低下にも一定の歯止めになることが期待される。

11.完全セメスター制に移行する

本学ではほとんどの講義科目がセメスター制をとっているが、語学などではまだ通年授業が行われている。全ての授業にセメスター制を導入する。これにより学生の履修の幅を広げ科目選択の自由度を高めるとともに、留学生の受け入れ・送り出しに有利な環境をつくる。セメスター制は単なる2学期制ではない。導入に伴い、制度の趣旨の明確化と徹底、付与する単位数、成績評価法の検討も進める。

12.全学調整システムを構築する

上記の課題は学部学科の枠をこえた全学的なものである。これを解決し具体的な改革を実現するには、学部学科ごとの、あるいは東松山キャンパス・板橋キャンパスに分かれての縦割りの対応では不十分で、全学教務委員会または教育・学習支援センター(Center of Teaching and Learning=CTL)のような全学の調整システムの構築が不可欠である。CTL であれば、入学前教育・高大連携、初年次教育、学習支援などの制度設計と展開をここが担うことになる。

13.教職センター(仮称)を設置する

本学は、教員養成において歴史的に大きな実績を積んできた。本学の教育の重点課題として教員養成を位置づけ、その充実発展をめざしていく。全学部の教職希望者を対象に、教員養成と教員採用にかかわるさまざまな支援、また教育委員会等との協力体制の構築を一元的に行うために、教職センター(仮称)を設置し、本学の強みをさらに伸長させる。

2 自主・参加・共同による学生生活を支援する

本学は、学生支援センターを設置し、学生の生活支援、学生相談、障がい学生支援など総合的な支援体制を整備してきた。今後、学習支援にも力を注ぎ、学生が充実した学生生活を送るための支援を強める。また、学生が自主的な活動を展開し、参加・共同して大学生活を創造することを支援していく。

学生に対する支援としては、学習支援、生活支援、進路支援(キャリア支援)、障がい学生支援、留学生支援がある。

1.ポートフォリオの導入などにより学習支援を進める

学習支援は、初年次教育・基礎教育の強化、図書館のラーニング・コモンズへの転換、ポートフォリオの導入、学生カルテの新設、オフィスアワーの設定、TA(Teaching Assistant)制度の活用などを行うことにより、大学における学生の学習を支援する。

2.奨学金・授業料減免などによる生活支援を図る

生活支援については、経済的困窮学生への授業料減免、災害被災学生に対する奨学金制度を適切に運用する。学生カルテの作成を通して個々の学生を把握し、学生相談などきめ細かい対策を実行して中途退学者の増加を抑え、大学生活を実り多いものとする。

学生による学生支援についても取り組み、学生の自立を支援する。また、学生のハラスメント被害をなくし、学生の人格が、今までにも増して尊重される大学とする。学生の生活全般にわたって、大学と青桐会、安全互助会、同窓会などとの連携を強化する。

日本経済の景気回復に希望が見えてきたとはいえ、経済的理由から学業を断念せざるを得ない学生は後を絶たない。また、東日本大震災をはじめとする自然災害に被災した学生について、それが原因となって学業の存続を断念することがないように奨学金制度を設計しているが、奨学金の原資を十分に確保することは容易ではなく、引き続き努力を重ねていく。

3.カリキュラムと連動する進路支援(キャリア支援)を行う

進路支援(キャリア支援)は、初年次から始まるキャリア教育と実際の就職支援(進路相談)からなる。キャリア教育については、学部とキャリアセンターにより実施されているが、学生の動向をよく掌握して効果的な教育を行う。就職支援(進路相談)については、キャリアセンター職員による相談とともに教員による相談を強化する。

また、キャリアセンタースタッフの研修、ダブルスクールにおける習熟度別クラスの設置、インターンシップへの対応、卒業生に対する就職支援体制の広報、同窓会・卒業生・青桐会とのネットワーク構築などを進める。

成熟した日本経済が今後大幅な高度成長をするとは考えらず、日本を含む先進諸国は、例外なく若年層に対する雇用力が低下している。これから困難の度合いを増すと思われる大学新卒者の就職において、学生の要求を実現することが本学の社会的使命と考え、積極的な対策を講じる。

4.障がいなど様々なニーズを持つ学生を支援する

障がいの程度によって異なる障がい学生に対する支援を、教職員、学生ボランティア、専門知識を持つコーディネーターの協働で実施する。障がい学生支援については、経験の蓄積を図るとともに、知識の修得と文部科学省をはじめとする外部の意見を十分に活用する。

学生が持つ不安や「心の病」の問題については、学生相談業務の充実を通して、積極的な対策を講じる。

5.留学生に対する支援を強化する

留学生支援は、日本人学生によるチューター制度の充実、適正な出欠管理、経済的支援、留学生会館(国際交流会館)など学生寮の拡充を行う。

6.学生の自主的活動と自立を支援する

学生による自主的な活動であるスポーツ・文化活動、自治会活動について、大学としてこれを支援する。また、学生によるボランティア活動について支援する。

少子化と豊かな社会環境で育ってきた学生には、人間関係の希薄さ、コミュニケーション能力の低下が見られ、困難な状況を生き抜く粘り強さに欠ける嫌いがある。大学として学生が持つさまざまな悩みに目を向け、自立を支援する重要性が増している。

3 「開かれた知の共同体」 をつくり、大東文化らしい高度な研究を創造 する

研究者である教員個人の自由な研究を発展させ、学問の進歩に寄与するとともに、「知の共同体」として共同研究の機能を充実させ、「大東文化」らしい研究成果を生み出していく。研究が社会の要請に応え、地域社会の問題の解決に資するように、広い視野を持ってダイナミックに進めていく。

1.自由で旺盛な個人研究を保障する

教員の研究時間を、カリキュラムの共通化・柔軟化・スリム化と、教員による事務的、管理的業務の効率化によって保障する。研究費については、科学研究費と連動させて特別研究費などを重点配分することにより、優れた研究成果を発表しやすい環境を整える。外部資金の獲得においても組織的な取り組みを強める。

2.国際水準の研究を推進する

国際的に高い水準を持つと認められる研究の成果を上げるために、大学間の共同研究を促進し、国際学会における発表、国際共同研究などを積極的に推進し、その支援を強化する。

3.「知の共同体」としての機能を高める

現在の研究支援は、複数の部署において行われているが、これを組織的一元的に行い、本学として社会に対する発信を強化する。地域と社会の要請に応えた「知の共同体」としての機能を全学的規模で強化し、社会に開かれた研究成果を創出する。

4.研究成果発表を全学的に取り組む

学会、シンポジウム、研究大会、国際会議などの開催に当たっては、各学部学科による小規模で分散的な取り組みに加えて、大学としての組織的な取り組みを強化する。

5.研究所の再編により研究体制を強化する

研究所については再編により、大東文化らしい特色を持ったダイナミックな共同研究を推進する。現在の東洋研究所、学部附置研究所で行っている諸事業については、集約された新しい研究所が引き継ぐものとする。大学院については、学部再編に続く課題と認識して取り組むものとする。(研究所、大学院については、「Ⅴ 百周年の大東文化大学像」参照)

6.学園総合情報センターと図書館の一体化を図り、教育機能を加える

現在の学園総合情報センターと図書館との関係を強化し、一体的な運営を行う。また、学園総合情報センターには、教育研究に関わる機能を付加する。

4 国際的な学術・教育のネットワークの拠点となり、世界に向けて発信する

「アジアから世界へ:広く世界に開かれ、多文化が共生する国際性豊かなキャンパスの創造」を国際交流の大きなヴィジョンとし、国際連携ネットワークの構築、多文化理解教育キャンパスの創造という二つの側面から、国際化を推進していく。

国際連携ネットワークの構築

1.交流協定校との関係を強化する
海外との交流協定校は、東アジアのみならず、ヨーロッパ圏を含んで、70 校に増えている。今後東南アジア、欧米圏、オセアニア地域の大学との交流を拡大し、多様で緊密な国際交流を進めていく。

2.国際教育ネットワークを構築する
2013 年度から、中国語学科が中国の3大学(北京外国語大学、上海師範大学、厦門大学)とダブルディグリー制度を開始した。この制度を英語圏を含む他の大学等にも拡大していく。また、3ヶ国、3大学単位互換制度の確立を目指し、語学教育のみならず社会科学系の学生の留学にも適用できるような制度にしていく。

3.国際研究ネットワークを拡大する
研究者が国際シンポジウム、国際学会に積極的に参加するための制度をさらに充実させ、併せて国際学術交流を本学で実施するための環境整備を行う。さらに、北京事務所を活用し、北京外国語大学とより密接な学術交流を進めていくと同時に、そこを拠点に、以前開催していた「三大学学術交流」(中国・山東大学、韓国・成均館大学、本学)のような国際研究ネットワークを構築する。

4.海外事務所・海外同窓会を拡充する
現在の北京事務所を、高度な大学間交流の連携に繋がる役割を担うように、業務を抜本的に見直す。さらに、他の国・地域にもネットワークの拠点を新設する。韓国、台湾に続き、他の国・地域にも外国人留学生の同窓会組織を作り、現地での入試説明会での協力、現役学生との交流、キャリア支援等の役割を求める。

5.日本語学校との連携を強化する
日本語学校と連携強化を図ることにより、外国人留学生の受験増加につなげる。さらに、大学で必要な単位の内容を日本語学校で履修させ、入学後に単位互換を行う。

多文化理解教育キャンパスの創造

1.受け入れ留学生を拡大する
韓国、台湾、インド、東南アジア諸国、さらに英語圏等からの留学生を増やし、現在学生総数の約5%である外国人留学生を今後10%程度まで増やしていく。具体的な施策としては、

1) 中国、韓国、英語圏等の高校との推薦制度の確立
2) 中国、韓国、英語圏等の高校での日本語クラスの設置
3) 外国人教員の出身高校からの推薦制度の確立
4) 本学卒業生の支援を得た海外の高校訪問を行う。

さらに、夏休みなどを利用した短期語学研修の受け入れについては、支援職員の増加など環境整備をして更なる受け入れの体制作りをする。

2.日本人学生の派遣留学を促進する
派遣留学生に対する支援を強化する。派遣留学生に対する支援としては、語学力の向上を目的とする支援、経済支援、大学院生に対する支援などがある。2001 年度~2012 年度の派遣留学生総数のうち6割以上はアジア圏への留学であり、今後は北米、イギリス、オセアニア等への派遣留学を増やしていきたい。そのために、奨学金制度の見直しや、一年間という期間に加えて、3ヶ月までの短期留学を奨励し、履修単位の中で必修化も前提とした制度の見直しなども全学的に議論していく。

3.日本語教育を充実する
交換留学生、正規留学生に対して、それぞれニーズに合った日本語教育のコースを設け、日本語教育を充実させる。今後ニーズの高まりが予想される短期語学研修生のための短期日本語集中コースを設置する。

4.英語による授業展開を行う
留学生の希望に応え、経営・経済、文学、言語学、国際関係、体育等の科目を英語で開講する。日本人学生の英語教育にも効果が期待される。

5.留学生会館(国際交流.会館)の設置などにより留学環境を整備する
留学生用の宿舎は、日本人学生との混在型住居が好ましい。また、外国人留学生の生活の現状を考慮した立地としなければならない。日本人学生との交流に際しては、情報交換、生活相談、多文化交流が出来る国際交流会館の機能を併せ持つ必要がある。

6.優秀な留学生を確保するために奨学金制度を拡充する
本学が外国人留学生に対して行う奨学金等の制度として、授業料減免と外国人留学生奨学金があり、また、その他に、国費、日本学生支援機構(JASSO)、民間による奨学金制度がある。さらに優秀な学生を確保する観点から、本学独自の奨学金制度の強化を図る。

7.外国人留学生に対してのキャリア支援を強化する
本学を卒業する外国人留学生に対して、学習した日本語能力、母語の語学力、専門性、国際性を活かした就職支援をする。

8.留学生による地域社会との交流を促進する
交換留学生を中心として、小・中・高校への学校訪問や、ワンナイトスティ等、地域住民と様々な交流を行っている。今後、さらに留学生と地域住民が交流できる機会を増やし、地域社会の国際交流に貢献する。

9.学内における日本人学生と留学生の交流を活性化する
留学生に対するチューター制度にかかわる日本人学生の活動を支援し、共に学ぶ場を豊かにして、学生レベルの国際化を推進する。

5 「学術の中心」 として地域と連携・共同し、社会の発展に貢献する

教育研究の成果を社会に還元するとともに、教職員による社会貢献活動を進め、また学生主体型の社会貢献活動を支援する。このことが、本学の教育研究の質を豊かにし、自主性と社会性を持った学生の育成に役立つと考えられる。

1.生涯学習講座(オープンカレッジ)を充実する

生涯学習としては、板橋校舎、大東文化会館、東松山校舎の3ヶ所で春と秋に開催しているオープンカレッジがある。社会科学系・人文科学系講座の更なる充実を図り、専任教員による担当講座を増加させる。また、夜間、土曜日の開講講座を増やす等の措置をとる事によって、より一層多様な地域交流活動や社会貢献に寄与することとする。

板橋区、東松山市等外部機関の行う生涯学習活動等への協力を通じて、多様な地域交流活動や社会活動に寄与する。

2.学生の社会貢献活動を奨励する

学生による社会貢献活動は、板橋区、東松山市をはじめ、東日本大震災による被災地域などにおいて行われている。活動の内容は、小学校児童・中学校生徒に対する学習・生活指導、地域活性化を目的とする活動、被災地におけるスポーツ・文化活動など、多岐にわたる。

本学学生が社会貢献活動に積極的に参画することを奨励するために、インターンシップの科目設定やボランティア活動等への単位付与を進める。また、近隣の地域社会のニーズを的確に把握し、地域参加型学習、PBL 型授業の展開を進める。

3.自治体との協働研究を促進し、研究成果を地域社会に還元する

教員主体の活動は、板橋区との間で協定を締結している地域デザインフォーラム、東松山市と協定を締結した協働研究などがある。

教員を主体に、研究成果を社会に還元することに努めるとともに、自治体・住民・企業・民間団体等と連携し、地域の政策課題等を的確に把握して協働研究に取り組む。

4.教職員参画の方法を整える

教職員が社会連携・社会貢献活動に参画しやすい方法を整える。また、オープンカレッジの開講を、夜間・土曜日開講講座を増やすことにより活動参画が容易になるような体制の整備を進める。

6 人権と自由を尊重し、公正な大学運営を行い、社会に信頼される組織 となる

大東学士力のめざすところが「良き職業人」、「良き市民」の育成にあるならば、本学は、学生自身が将来の自分たちの職場をより良く改善できるという信念と、社会の課題を解決していくことのできる市民の力量を育む環境を整えなければならない。また、本学は、「何のための研究か」を考える能力を持った人材を育成することによって、「開かれた知の共同体」あるいは「学術の中心」としての地位を確固たるものとしなければならない。

ガバナンス

グローバリゼーションの急速な進展とそれに伴う社会環境の激変、私学の厳しい経営環境の下では、教学組織と法人組織は、双方向的な連携協力関係を構築することにより、国家戦略を見定めつつ、本学に求められる教育・研究方針を合意に基づいて適切かつ迅速に実行していくこと、その前提として健全な財務体質と本学の社会的使命・目的にかなった事務組織を確立すること、そして、実行された方針を不断に検証していくことが求められる。また、本学が社会から信頼され、開かれた存在であるためには、すべての構成員の人権や安全な環境が十全に保障されるよう、ガバナンスの公正さを実現しなければならない。

1.教育・研究方針を策定し、着実に実行する

【新たな学長室の設置】
学長のリーダーシップの下、高度な情報収集能力と効果的な政策立案能力、さらには強力な広報機能を備えた新たな学長室体制を早急に整備する。

【事務組織の再編成】
事務局と学務局とに二元化されている現在の事務組織を再編統合し、「学生支援部門」、「研究支援部門」および「経営管理部門」という3 つ柱の下に有期的な連携・共同の体制を作る。

【事務職員人事制度の見直し】
事務職員の人事に関する諸制度を見直し、良質な人材の確保を可能にするとともに、スタッフ・デベロップメント(SD)を充実させることにより、「教学の推進者」としての事務職員の資質・意欲の向上を図る。とくに法務などに関する専門的知識を有する事務職員の採用を推し進めるとともに、改革の基礎となる手持ちの人的・物的資源や条件の状況が分かるミドルマネジャーを育成する仕組みを導入する。

【教職協働のプロジェクトチームの創設】
ヴィジョンを実現するための施策を着実に実行していくために、項目毎に教職協働のプロジェクトチームを創設する。その際には、事務職員は「教学の推進者」であるという見地から、一般事務職員にも広く参加を募り、改革に向けた「やる気」を喚起する。なお、選任のあり方や権限・責任などに曖昧なところがある副学長制度については、再検討を行う。また、大学と法人は、法人組織(理事会)の運営や理事会の構成などを含めた両者の連携協力関係のあり方について、目的を共有した上で、定期的に協議を行っていくこととする。


2.財政基盤を確保し、予算編成のあり方を確立する

【中長期の財政計画の策定・財政基盤の確立】
学生と社会に対し、質的に充実した教育・研究を永続的に提供するため、中長期の財政計画を策定し、安定した財政基盤を確保する。

【帰属収支差額比率の適正化】
教育研究活動のキャッシュフローを十分に確保すると同時に、帰属収支差額の収入超過を堅持し、帰属収支差額比率の適正化を図る。人件費については、収入に応じた対応(見直し)を行う。また、専任教員から非常勤講師までの教員人件費を人件費総額の一定割合までとするなどの措置も検討しなければならない。

【減価償却特定資産の積立て・新たな2号基本金の組入れ】
創立百周年を控え、新たなキャンパス展開・整備などに引き当てるため、減価償却特定資産の積立て再開や新たな第2号基本金組入れを行う。

【予算編成方針・執行のあり方の見直し】
大学と学園は、従来の予算編成方針・執行のあり方を抜本的に見直すための協議に着手する。その際には、学長判断による柔軟な予算配分などが可能となるような仕組みの創設も検討する。

【外部資金受入体制の構築】
科学研究費補助金をはじめとする外部の競争的資金や寄付金を積極的に受け入れることのできる体制を構築する。その際には、本学教員の概ね30%の科研費申請率を現実的目標として掲げる。

【安全な資産運用】
資金運用の基本に関する規程に基づき安全な資産運用を行う。

【財務情報の公開】
引き続き財務情報を積極的に公開していく。


3.コンプライアンス体制を再構築し、危機管理体制を整備する

【コンプライアンス体制の再構築】
不正経理処理問題の再発防止策として策定・改訂された諸制度は、構成員にその趣旨が十分理解されているとはいい難い。また、各制度の関係が不明確であるなどの問題も生じている。大量の個人情報の入ったUSB メモリ紛失事件の発生は、個人情報保護のための安全管理措置が整備されていないことをさらけ出した。ハラスメントの防止についても、パワー・ハラスメントに関する指針(ガイドライン)がいまだに整備されていないなどの問題抱えている。したがって、これら一連の諸制度については、その運用実態の検証を行い、必要な見直しや各制度間の関係の整理・整序、未対応領域の規程・制度の整備などを順次行うことにより、その再構築を図る。
総務課の法務・コンプライアンス担当部署を「コンプライアンスと人権(男女共同参画・ダイバーシティを含む)担当室(仮称)」として独立させ、法務などに精通した複数の専門職員を採用・配置する。また、担当分野に精通した顧問弁護士(事務所)を複数配置する。
研究倫理指針をはじめとする一連の規程や公的・大学内部の研究資金の管理に関する諸規程についても、内容の曖昧さや類似の制度との関係の不明確さ、過度の手続重視といった傾向がみられるため、制度の運用実態を検証し、その見直しを行う。

【危機管理体制の整備】
本学では、東日本大震災を契機として、徐々にではあるが地震・水害発生時の対応の点検や施設の防災・減災化が進められてきた。しかし、危機は自然災害に限られるものではなく、犯罪行為や感染症、有害物質などを含むあらゆる脅威を想定し、一元的な指揮命令系統の下で、危機情報の迅速かつ正確な把握・共有・公開と危機への対応を可能とする包括的な危機管理体制を構築しなければならない。その上で、危機の類型に応じて、学生・教職員の安全確保や災害後の速やかな学内秩序の回復、学生・教職員の支援などについて、採るべき措置を盛り込んだ規程・マニュアルを整備する。また、個々の危機を想定した訓練は、規程やマニュアルにおいて想定された対応が有効に機能し得るかどうかを検証するという見地から行うこととする。

内部質保証

本学は、その理念と教育目的を達成するために、教育研究上の組織と個人の諸活動、それを支援する組織・業務について、不断の自己点検・評価を実施し、教育研究水準の向上を図ることで社会的責務を果たす。この活動は、大学が教育研究機関として行う自己点検・評価と教員個々人の教育研究活動の自己点検・評価の2つから成る。これら2つの点検評価を有効に機能させることにより、内部質保証を可能とする。

【自己点検・評価の体制】
大学の自己点検・評価は、「学校法人大東文化学園自己点検・評価規程(案)」(2014 年4月1 日施行予定)に基づき、「学園自己点検・評価推進委員会」の下に設置される「大学自己点検・評価委員会」が行う。大学自己点検・評価委員会は、大学全体の内部質保証に責任を負うとともに、全学的な課題の設定、改善のための基本方針の策定および部局間の調整・統括を行う。また、その下に置かれる学部、大学院研究科、図書館、国際交流センターなどの部局別点検組織は、それぞれ独自課題の設定、改善の実施、点検作業を行なう。
大学自己点検・評価委員会が作成する自己点検・評価の報告書などを精査、助言・勧告などを行うための機関として「評価専門委員会」を設置し、ピアレビューを実施する。
教員個人の自己点検・評価は、FD 委員会が実施する学生による授業評価などの活動を通じて行う。

【自己点検・評価のサイクル・方法】
自己点検・評価のサイクルは、毎年度とする。自己点検・評価においては、中期および年度毎の目標を設定し、達成度の検証を通じてPDCA サイクルの円滑かつ持続的な推進を図る。

【外部評価】
自己点検・評価と改善の適切性と客観性を担保するために、大東文化学園自己点検・評価推進委員会の下に「外部評価委員会」を設置する。外部評価委員会は、学外委員と学内委員から構成され、本学の教育研究活動を評価・検証し、必要な提言を行なう。

【改善の義務】
本学の全教職員は、組織および個人としての自己点検・評価活動に参加し、日常的に教育・研究活動およびその支援業務並びに学園全体の管理運営業務を不断に点検・評価するとともに、自らの活動・業務の改善に努める。

【情報公開】
自己点検・評価の結果は、外部評価委員会の評価と併せて、大東文化学園理事会に報告するとともに、ホームページや刊行物を通じて外部に公開し、社会への説明責任を果たす。


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