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シンポジウム

第10回経営シンポジウム


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第10回経営シンポジウムの記録

テーマ
アジア市場と日本企業の国際連携戦略
概要
講師及びパネラー

 2013年11月9日(土)大東文化大学経営研究所・大学院経営学研究科主催/大東文化大学経営学部共催/大東文化大学経営学部経営学会協賛/板橋区・東京商工会議所板橋支部・板橋区中小企業診断士会後援のもとに、大東文化大学90周年記念講演会「アジア市場と日本企業の国際連携戦略」というテーマでシンポジウムが開催された。今日、日本企業のアジア戦略というテーマには高い関心があることから、在校生だけでなく、地域の方々、板橋区内の関係者など多くの参加者が講師の議論に熱心に耳を傾けていた。その後のパネルディスカッションではフロアーの参加者も交えて活発な議論が行われた。

参加者

 今回のシンポジウムでは、ベトナム、中国、韓国のアジア主要国における経済・経営の第一人者である研究者をお招きして、今後の我が国とアジア諸国との連携のあり方と課題を明らかにすることに主眼をおき、今後の当研究所でのプロジェクトの展開を示唆したという意味で有意義なシンポジウムであった。

プログラム

松尾経営研究所長

開会の挨拶               大東文化大学 経営研究所長 松尾 敏充

講演
・早稲田大学社会学総合学術院 教授 トラン・ヴァン・トウ
  「ベトナムの経済成長と日本企業との連携について」 
・富士通総研 主席研究員 柯 隆(カ リュウ)
  「今後の中国経済と対中投資について」
・横浜国立大学経営学部国際経営学科 教授 曺 斗燮(チョ トウソップ)
  「アジア市場と日本企業の国際連係戦略 ―韓国企業の国際戦略と展望―」
パネルディスカッション
上記 講演者およびモデレーター 大東文化大学経営学部 教授 首藤 禎史
講演の主な内容
(1)ベトナムの経済成長と日本企業との連携について

早稲田大学社会学総合学術院 教授 トラン・ヴァン・トウ先生

 ベトナム経済は1986年に開始したドイモイ政策以降高成長を実現し、2008年に低所得国から中所得国に仲間入りした。この良好なパフォーマンスの主要な要因として農業生産制度の改革や民間企業の発展促進に加えて対外開放政策による外国直接投資の積極的導入、その中でも日本企業の役割が大きかった。今後、東アジアの自由貿易が強まる中でベトナムは更なる工業発展ができなくなる可能性もあるが、そのような事態を回避し、自由貿易による分業促進の利益を受けるためには、ベトナムは各種のインセンティブの積極的供与によって外国直接投資や国内民間企業の投資を促進し、潜在的比較優位産業を顕在化していかなければならない。近年、日本を中心とする外国直接投資が増加しており、ベトナムの課題であえる産業競争力強化に貢献できるであろう。ベトナム側の課題として日系企業との連携を促進するために、国内企業の体質を改善し、国有企業の抜本的改革、民間企業の強化を推進しなければならない。

(2)今後の中国経済と対中投資について

富士通総研 主席研究員 柯 隆 先生

 中国の経済成長モデルは、労働インセンティブを基本とし、投資と輸出により経済が牽引されてきた。中国の消費比率は他のアジア諸国に比べて少なく家計の貯蓄が高い。これにより過剰設備の問題が生じており、今後は消費性向をあげることが必要である。また労働分配率も低く賃金の伸びが期待される。一方、日本は失われた20年で国力、その中でも特にブランド力が失われた。かつての日本は、全てMade in Japanだった。製造業の現場には技術者はいるがデザイナーはいない。今の日本は性能や機能を売っているが、ブランド力の再生を意識すべきだろう。大企業はコストカットの経営だった。日本は経済改革ではなく教育改革を行うべきだ。最後に、学生諸子に、良い会社を見るポイントを伝える。それは、挨拶ができている会社、経営者と従業員との距離が近い会社、経営者と消費者が近い会社だ。

(3)アジア市場と日本企業の国際連係戦略 ―韓国企業の国際戦略と展望―

横浜国立大学経営学部国際経営学科 教授 曺 斗燮 先生

 技術移転の論理には、段階的技術移転と継続的技術移転がある。段階的技術移転の論理は、企業の技術能力を学習→定着→改善→イノベーションに分け、徐々に海外子会社の技術能力が高度化していくという仮説である。前者の二つの段階を「移転型」、後者の二つの段階を「創造型」と呼べば、海外の日系本企業のほとんどは「移転型」に分類できる。
 1990年代の日系企業はきわめて優秀な「移転」能力を発揮し、経営成果も良好であったが、現地の経営資源を取り入れて新しいものを創造するケース、すなわち創造型はあまり見られなかった。その後、日系子会社の数は飛躍的に増加したが、そのほとんどは移転型が中心で、「創造型」は稀であった。最近、海外でも失われた20年と呼ばれほど海外での経営成果は香ばしくないが、創造型が少ないのも理由の一つであろう。能力転換が求められる。本社から海外子会社への技術移転は比較的簡単といえる。しかし、現地社会(非日本社会)との「融合」を通じた創造は容易なものではない。従来とは異なるマネジメント手法や経営精神が不可欠である。多くの日系企業が手間取っているのを見ると、その過程の難しさが分かる。韓国企業は大企業を中心に急激にグローバル化している。大規模投資、マーケティング組織・能力、IT技術の活用度等で日本企業と異なっている。スピードと投資規模などからすぐ「創造型」国際経営だとは言えないが、海外の研究所やマーケティング能力の構築が大規模で、現地語の習得や現地ニーズの把握に熱心な点から、現地志向がより強いのではないかと考えられる。現地ニーズを取り入れた韓国製の家電製品がインドや東南アジアでよく売れている。創造型の成果ではないか。日本企業との連携戦略でいえば、自動車や電機産業を中心に日本の部品企業と韓国の完成品企業との柔軟な分業関係が注目される。サムスンは日本の部品企業5000社とパートナシップを結んでいる。日本の産業集積の上にサムスンの競争優位が成立しているともいえる。両者のwin/win関係である。政治的にはギクシャクが絶えない日韓関係であるが、産業の底辺では有機的な分業関係が大木の根っこのように深くかつ複雑に絡み合っている。この点は互いに注目する必要がある。

(4)パネルディスカッション風景

上記講演者およびモデレーター大東文化大学経営学部教授 首藤禎史先生
  • デレーター首藤先生(右)
  • 質疑応答
  • 質疑応答

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