Extention Lecture

2013年度公開講座

東洋研究所では1985年(昭和60年)から一般の方を対象とした公開講座を開催しています。
「アジアの民族と文化」を共通テーマに毎年11月に3回講座を行っています。

2013年度公開講座

会場
大東文化会館3階K-0302研修室(東武東上線『東武練馬駅』下車徒歩3分)
受講料
1回1,000円(各回当日支払)
定員
50名(先着順)
受付期間
10月31日(木)まで(消印有効)

第1回11月7日(木)13:00~15:00

講師
小林春樹(大東文化大学東洋研究所准教授)
テーマ
東アジアの一員としての中国、日本、韓国朝鮮の歴史と文化~東アジアの「外」(オランダ)で改めて実感したこと~

今まで発表者は、東アジア各国の国家、国民、そしてその文化が広義には世界の、狭義には東アジア世界の歴史の中で形成され発展してきたものであることを前提として、専門である中国の歴史を研究してきたつもりでした。しかし、実際には中国の古典文、すなわち漢文だけを史料とし、しかも、いわゆる中華思想(中国を中心に据えた世界観)を根本として中国と東アジア世界とその歴史を観てきたことを、短期間ながらオランダのライデン大学で過ごした経験によって気づきました。今回は、個人的体験にもとづいてですが中、日、韓三国の言語を習得をしたうえで東アジア三国の歴史を優劣なく、三位一体のものとして考察するというライデン大学の「東亜学」の伝統から私が学んだことや考えたことについてお話しします。なお東アジアとはことなるオランダ独特の文化などについての軽い話題についても後半でお話したいと思っています。

第2回11月14日(木)13:00~15:00

講師
宮瀧交二(東洋研究所兼担研究員・大東文化大学文学部准教授)
テーマ
民俗学者・宮本馨太郎とその映像記録-台湾高雄・パイワン族の暮らし(昭和12年撮影)-

文化財保護法や博物館法制定の立役者であった立教大学名誉教授・宮本馨太郎(1911~1979)は、渋沢敬三の設立したアチック・ミュージアムの主要メンバーとして、日本民俗学とりわけ民具学の構築に尽力した民俗学者である。この宮本が、昭和初期、他の民俗学者に先駆けて16ミリフィルムによる民俗記録映像を数多く撮影していたことは、近年高く評価されているところであるが、今回の講義では、昭和12(1937)年撮影された台湾高雄・パイワン族の貴重な映像を御紹介したい。

第3回11月21日(木)13:00~15:00

講師
滝口明子(東洋研究所兼坦研究員・大東文化大学国際関係学部准教授)
テーマ
ヨーロッパにおける茶文化の誕生と女性たち

茶は「アジア発の世界飲料」と呼ばれます。中国や日本でも古くから親しまれ、生活に欠かせない飲み物となってきました。17世紀にヨーロッパへ伝わった「アジアの葉」は、どのように受け入れられ、浸透し、定着していったのでしょうか。ヨーロッパの茶文化は、アジアの茶文化と比べてどんな特色を持っているのでしょうか。本講では絵画と詩文を手がかりに、女性の日常生活に注目しながら、ヨーロッパ茶文化の誕生とその特色について考えてみたいと思います。