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所長からのごあいさつ

東洋研究所 所長 栗山保之

2023年4月1日付で東洋研究所所長を拝命いたしました。

本研究所は、1923年(大正12年)2月に創設された「大東文化協会」を前身とし、1961年(昭和36年)4月に大東文化学園振興計画により、大東文化大学附置研究所「東洋研究所」となり、2023年(令和5年)2月には創立100周年を迎えました。

本研究所には現在、専任、兼担、兼任研究員のあわせて80余名の研究員が参集し、これらの研究員が組織する東洋学関連の共同研究班は10班を数えています。また、本研究所の機関誌『東洋研究』は、1961年に創刊され、2023年2月には第227号を刊行し、これまでに2300余篇もの論考が寄せられています。さらに、『藝文類聚 訓讀付索引』、『茶譜 注釈』、『大野盛雄フィールドワークの軌跡』、『イラン研究 万華鏡』などをはじめとする、じつにさまざまな分野にわたる訳注書や研究書が多数、研究所から出版されています。

また、本研究所の教育活動については、専任研究員が各学部や大学院において歴史、哲学、文学、政治、経済関連の授業を担当し、本学学生の教育に積極的に努めています。

このような研究・教育活動とあわせて本研究所では、社会貢献活動への取り組みの一つとして、夏休み公開講座および秋の公開講座を開催し、本学が所在する板橋区および東松山市との緊密な関係の構築と地域住民の方々への研究・教育成果の提供を推し進めています。

本研究所が、研究・教育活動および社会貢献活動において、かような今日の隆盛を見るに至ったのは、歴代所長のご尽力はもとより、学長、理事長をはじめ学内諸賢の力添えの賜にほかならず、心より感謝いたしております。また、研究所の専任研究員以外の兼担、兼任研究員の先生方にあっては、無給で研究活動や共同研究刊行物出版に参加していただき、本研究所のさまざまな事業を支えてくださっております。

本研究所所長を務められた故・中嶋敏先生は1981年、『東洋研究所20周年記念論文集』の「刊行の辞」において、「研究所の学術活動は大学の学的水準を高めるものであり、大学の声価を揚げるものでなければならない。このような認識と自覚とをもって、われわれは研究所の運営を推進していくことを期する」と述べられ、本研究所の研究・教育活動および社会貢献活動のあり方を示されました。本研究所は、2023年2月に創立100周年を迎えましたが、中嶋先生が掲げた研究所の使命をしっかりと引き継ぎ、さらなる発展を目指してゆきたいと考えています。

今後ともよろしくご指導とご鞭撻とをお願い申し上げ、所長就任のあいさつといたします。

栗山 保之(くりやま やすゆき)