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ご卒業おめでとうございます。

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ご卒業おめでとうございます。

卒業生のみなさんへ(松本弘学部長)

 

 国際関係学部の卒業生のみなさん、ご卒業、おめでとうございます。ご家族の方々にも、お祝いを申し上げます。新型コロナウイルス感染拡大以前は、東京国際フォーラムでの卒業式のあと、参加者は板橋キャンパスに移動して、学部ごとに学位記授与式を行なっておりました。その際には、学部長がみなさんに祝辞を述べる機会があったのですが、今年も学部ごとの授与式は見送られましたので、ここで祝辞を述べさせていただきます。

 いうまでもなく、新型コロナウイルス感染拡大により、みなさんは2年生であった1年間、厳しい大学生活を送られました。2020年度前期は大学自体が入構禁止となって、すべての授業がオンラインとなりました。その後期から対面式の授業が再開したものの、オンライン授業との併用が続きました。授業や課外活動、友人や先輩後輩とのキャンパスライフなどに、さまざまな制約が課せられたことと思います。アルバイトや旅行の断念なども、あったことでしょう。

 みなさんはそうした苦境のなかで勉学に励み、その積み重ねが卒業に結びつきました。その努力とご苦労に、心より敬意を表します。みなさんの貴重な経験は誇るべきものであり、これからの新たな生活の支えになるものと信じます。大学生活のなかで得られなかったもの、犠牲にしたものも多かったと思います。しかし同時に、思いもよらなかった社会や生活の新たな姿を、身をもって体験したという事実は、これからの人生にとって、必ずや大きな糧となります。

 みなさんが3年生に進まれた年度から、感染対策を続けながらも、大学はほぼ正常に復しました。私事にわたり恐縮ですが、そのなかで私が特にうれしく思う経験が2つありました。ひとつは、やはり講義や演習が対面で、いつものようにできるようになったことです。みなさんの顔を見て、教室の反応を確かめながら授業をおこなう。演習では、一人一人と卒論の原稿について話し合う。オンラインでは得られない充足感を、取り戻すことができました。

 もうひとつは、地域研究学会の復活です。2020年度にはアジアMIXもアジア言語スピーチコンテストも中止となり、地研の運営も停滞して、その存在自体が崩壊の危機に瀕しました。そのようななか、みなさんのなかから3名の学生が、新たに活動をはじめることを希望してくれました。すぐにメンバーは10名ほどに増え、2021年度から地研の再建が始まりました。さまざまな苦労を重ね、問題をひとつひとつ解決し、多くの新たなメンバーを加えながら、その活動は2021年12月の2年ぶりのスピーチコンテスト開催に結実しました。彼らの努力は、今年度のアジアMIXの3年ぶりの復活とスピコン開催にもつながっています。

 これらは、私の人生にとって忘れがたい思い出となりましたが、みなさんにはみなさんの忘れがたい経験が、大学生活のなかにあったこととおもいます。コロナ禍による厳しい状況や悲しい出来事、そして正常化のなかで起こる喜びや再認識される日常の価値。それらがみなさんの人生の糧となって、これからの幸せにつながっていくことを願ってやみません。

 3月14日、第二研究棟第二会議室において、学部長賞の授与式が行なわれました。

 

◆最優秀賞

TRAN THI THUY TRANGさん(岡本ゼミ)

「日本の外国人技能実習制度~課題と今後の技能実習制度の在り方~」

 

◆優秀賞 

鈴木ゼミ

「日本におけるギフティッド教育の可能性――教育的ニーズと情緒社会面の観点から」

 

◆佳作

齋藤 晋吾(鹿ゼミ)

「大久保地域の史的考察――江戸時代から多文化共生社会への発展――」

堀 圭佑(吉村ゼミ)

「児童労働撤廃へ向けた世界のアプローチ −−コートジボワールとガーナのカカオ産業を中心に−−」