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国際関係学科国際文化学科

難民・移民アクティブラーニング報告

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全学プロジェクト (10月13日・木曜日)「国際協力・多文化共生特殊講義4(難民問題)」 難民・移民問題アクティブラーニング報告 『パレスチナの現在』古居みずえ氏(ジャーナリスト)

 10月13日(木曜日・2限)の「国際協力・多文化共生特殊講義4(難民問題)」授業では、ジャーナリストの古居みずえ氏をお迎えし、「パレスチナの現在」のお話を、古居さんが撮影した写真やNHKで放映された動画などを交えて伺った。

 パレスチナ難民に対する国際社会の支援は、難民支援で有名な国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)ではなく、国連の別の機関である国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)が行なっているため、難民問題を知ろうとする人たちでさえ、なかなか知ることが難しい。

 そんな中、パレスチナのガザ地区に足を運び、イスラエルの砲撃直後の人々の暮らし、特に女性や子どもたちの視線を通してガザの日常を報じていた。またイスラエルによるガザ封鎖が続いて、ガス、電気、水道などライフラインが制限され、失業率や自殺率が増加するなどガザの人々に与える継続する暴力の影響を静かに語ってくださった。見えなくされているもうひとつの難民問題であるパレスチナ難民に関する貴重なお話を伺えた。

 学生たちの感想は、次のとおりである。

  • 「戦争や争いなどは無縁な日本人の私からすると、今回のお話は非常に残酷で想像し難いものでした。イスラエルによって封鎖されたパレスチナのガザでは、水も電気もほとんど来ないと知り、もし私がそのような状況に陥ったら希望を持てず無心になると思いました、特に水は生命の源であるのに、その水さえないと人はどのように生きていけばいいだろうと思いました。イスラム教徒は自殺をしてはいけないという信仰を破ってまでも自殺を決意するということがどれほど辛く追い詰められていたかが感じられました。」

  • 「イスラエルによるガザの経済封鎖は人道を無視した政策・戦略であり、非難されるべきである。この戦争や紛争に正義はあるのかと疑問を感じた。一般市民、特に子供たちを苦しめてまで行う戦争とは何なのか。国際秩序や国連の存在や意義を見つめ直すべきであると考える。宗教や政治といったさまざまな問題が戦争の原因であるが、まずは人命、人道が最重要事項であることを決して忘れてはならない。」

  • 「パレスチナの難民の多さ、物資の不足(閉鎖による)などの課題は必ず解決しなければならないことです。こういう現状に対して、自分ができることを何か探していき、少しずつでいいから難民問題という課題の解決へと取り組んでいきたいです。」

  • 「日本ではなかなかニュースで取り上げられないことをたくさん聞けました。本当に良い機会でした」

  • 「多くの人が仕事を失い、希望がない状態で物資も十分ではなく故郷がこのような状況になり、自分がこの立場だったら耐えられないと思いました。しかし自殺して死ぬよりも戦いに行って死ぬ方がよいと自ら行動する人もいると知り驚きました。ニュースで報道されていること以外にも問題がたくさん起きていて、ガザ地区でのさまざまな写真を見ながら知ることができ、この事実をもっと多くの人に知ってもらう必要があると感じました。知って終わりではなく、この問題解決のために活動しているNGOなどを探し参加するなど、できることから行動に移すことが大切だと思いました」

全学プロジェクト (10月25日・火曜日2限)「多文化社会論」 難民・移民問題アクティブラーニング報告 『日本における難民問題』赤阪むつみ氏(N P O法人難民支援協会スタッフ)

 多文化社会のさまざまな側面を学ぶ「多文化社会論」では、日本に住む難民の人たちについて学ぶ「日本における難民問題」と題した講義を、N P O法人難民支援協会の赤阪むつみ氏にしていただいた。日本の難民受け入れは他の先進国に比べて少ないと言われているが、なぜなのか、また日常生活で難民に出会うことはないが、どこでどんな暮らしをしているのかなど、広範な内容をコンパクトに学生に伝えていただいた。

 学生の学びが深かったことを感想からも窺える。

  • 「今回の授業で様々な企業、知っている企業が難民支援していることに驚いた。また日本にあまり難民がいないと感じていたが埼玉、千葉といった近くにいることをしった。これから様々なニュースを見て学習していこうと思う。」
  • 「難民として逃れる理由は人それぞれで、いずれにせよ国籍国での未来に危険があるために、支援や人権を求めて国外へと逃げているのだと分かりました。日本で難民認定が下りにくい理由や収容施設の環境、強制送還について、理不尽な点がとても多いと感じました。他人事だと思わずに、私達も出来ることをしていくべきだと思いました。」
  • 「とてもためになった授業でした。難民条約に日本が加入しているのに日本政府は難民の方々をあまり受け入れようとしている姿勢ではなかったのでこのままだと多文化を共生できないと感じました。」
  • 「講義を通じて、日本における難民受け入れの仕組みや難民認定率が低い理由、日本でにいる難民の生活状況、実際に難民支援協会が行っている支援について知り、学ぶことができた。その中で印象に残っていることは、「難民問題は手の届かない問題に思えるが、自分たちができることはあること」である。講義中でもお話しされてたように、Twitter、InstagramなどSNSが発達したTwitterなど人々の声が政府や国などに届きやすくなったと思う。知ること、学ぶこと、それを自ら発信すること。高いと思われるハードルだが、その一人の心がけやその一歩が大きな意味を持つこと、政府をも動かせる可能性を持つことを実体験より知れた。」
  • 「正直、自分の身の回りに難民はいないし、難民に関わる人もいなくて実感が湧かなかったが、今回の講義で難民について実感が湧いた。日本は難民を生み出していないが、受けいれてもいない為、世界の役に立てるならもっと多くの数受け入れるべきだと思った。また、難民審査の基準や、UNHCRのハンドブックと日本の国家で採択されていることの違いは直すべき点だと思った。見ず知らずの国に逃げるのに曖昧な点があるとそれだけで難民達は不安になると思った。難民達を逃げた国でも不安にさせてはいけない。」
  • 「今回のお話で、日本で難民の受け入れが何故進まないのかを知ることができた。問題は3つで、審査基準、申請手続き、強制送還・収容施設である。この3つが欧米の先進国の制度といかに異なっているのかが理解できた。
  • 「個人的には難民申請の手続きが録音・録画されないのが不平等だと感じた。日本の容疑者の扱いよりも悪いと感じたからだ。かつて日本では警察の威圧的な取り調べや自白強要が問題となり、取り調べの録音や録画を行うように制度が変わっていったが、これと似た問題が今難民申請において起こっていると考えている。メディアに記録されないと、不認定の際に支援団体などに助けを求めづらいと思うし、団体側の事態の把握に苦労を要すると思う。また、刑事事件において被告人には弁護士をつけることができるのに、難民申請の申請では代理人をつけられないというのは明らかな格差だと思う。そのほか、申請期間が長すぎて在留資格を失い、申請者がどんどん不利な状況に陥ってしまうのはひどすぎると感じた。法律の見直しが必要だろう。」
  • 「法律や難民申請者の状況を変える権限は私たちには存在しないが、講義あったように一人一人が声を上げることは大事だと考える。政治家が民衆の声によって動き出すということを信じるのであれば、これはすべきことだと思う。また、声を上げるにはより詳しい情報を集める必要があると思うので、海外など幅広いメディアから情報を集めることもやはり大事だろう。」

全学プロジェクト (10月27日・木曜日4限)「国際協力・多文化共生特殊講義3(NGO活動論)」 難民・移民問題アクティブラーニング報告 『タイの文化を知ろう』埼玉在住タイ人クラブ

 大東文化大学はアジアに強い大学だが、ここ数年の新型コロナウィルスの影響で、海外渡航が制限されていて、アジアの文化に親しむ機会も大きく制限されていた。今回は、埼玉県に在住し、タイの文化や習慣を日本の人々に伝えるために、「埼玉在住タイ人クラブ」を1NGOとして立ち上げ、埼玉県内の教育機関やイベントなどで活動している方々をお招きした。タイの伝統舞踊から始まり、タイ語の挨拶、自己紹介、料理を通したタイ文化・言語の学習、タイ舞踊の実践など、短い時間だったが、教室が一瞬にしてタイに変化したような空間が作り上げられた。まさにアクティブにアジアを学ぶ機会となった。

 学生たちの感想は以下に記す。

  • 「今回の埼玉県在住のタイ人クラブの人たちのダンスをみてあまりみたことがなかったため、目が惹きつけられた。1、2年生の時にタイ語の授業を取っていた様々なことを知っているつもりだったがダンスや色など知らない世界が多かった。ダンスなど食べ物を作るところなど面白く説明してくれて楽しく授業を受けられた。また挨拶が男性と女性で違うことを知れた。」

  • 「とても楽しい授業でした。みなさんとても明るく笑顔が印象的でした。バンコクの正式名称がとても長いことをはじめて知り驚きました。コップクンカー」

  • 「タイの文化についてあまり知らなかったので、本講義で知らなかったダンスや食事など文化が知れて良かった。タイの人はとても賑やかで、微笑みの国の人だなと思った。」

  • 「私はタイ語を履修しているので、とても興味深い内容だった。実際にタイの人とこうして交流するのははじめてだったので、とても良い印象を持つことができました。踊りは、想像よりも簡単だったので、今日のように日本人も交流しやすいと思いました。こういう経験は自分から挑戦できないので、今日は貴重な体験をすることができました。」

  • 「タイと日本のジェンダー観の違いが印象的でした。タイ社会ではニューハーフの方が多く、またポピュラーであると学び、そういった社会から見ると、日本の学校や社会が不思議に見えるのだと知り、自分の国の文化や慣習を客観的に見つめ直すきっかけになりました。」