教員紹介/Professor
教員紹介
山口謠司

研究分野 | 日本中国の文献学(書誌・音韻) |
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担当講義 | 中国哲学特別演習1( ゼミ)
中国哲学特別演習2( 卒論指導) 『論語』 中国文字学 中国文献学 |
出身地 | 長崎県佐世保市 |
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代表的業績
『岩崎文庫貴重書解題』(共著・東洋文庫)
『欧州所在日本古典籍総目録』(編集中・共著・英国ケンブリッジ大学編)
『妻はパリジェンヌ』(文藝春秋)
『日本語の奇跡』(新潮新書)
『ん』(新潮新書)
『てんてん』(角川選書)
『日本語にとって〈カタカナ〉とは何か』
『大人の漢字教室』(PHP)
『漢字はすごい』(講談社新書)
など多数
新入生の皆さんへ
ぼくは、中国文献学という分野を担当しています。ありていに言えば、どのようにして書物というのは、中国で作られたのかということを調査する分野です。もちろん、ある書籍の編纂過程についても考えます。それから書物の材料についても 検討します。そして論文を書く段階で、どのようにして本を探し、どのように本を使うことが出来るかについても検討を加えます。
さて、春秋戦国時代はもちろん三国時代まで、書物は竹簡や木簡というものに著され、それが紙の普及にともない紙に書写されるようになりました。書道の分野で筆による技術が発達してくるのが、六朝以降まで下るのはまさにこのためです。しかし、唐代に仏典や暦等が版木に彫られ墨を塗って馬簾でこすれば一度に何千部でも同じものが作れるという木版技術が発明されると、それまでの書写段階とは違った文化が宋代以降発達して来ます。社会機構、経済機構の変化、音韻訓詁の変化というような影響ももちろんあるでしょう。しかし、こうした社会・経済・音韻訓詁等の変化を直接反映した書籍が、それまでの貴族的読書人階級とは異なった知識人的読書文化を形成して行くことになります。本と言えば、ただ「読むモノ」としか普通は映りませんが、文献学という視点に身を置くと、書物は文化を根底から推進していく力を持っているのだという言うことがわかるだろうと思います。
四年間、或いはゼミで以上のようなことを考えながら、具体的に資料に当たって、みんなでいろんなことを、いろんな角度から考えたいと思います。早口でついてこれないというような場合があったら、遠慮なく、「少し、ゆっくり!!」と言って下さい。毎年、学年末になってから「早口でよく分からなかった」と言われますから。
ホームページ http://www.ic.daito.ac.jp/~pfscoco/