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“蔦重”の時代と芸能
こんなに楽しい伝統芸能の世界 (16)

講座内容

“蔦重”…写楽を見出したメディアプロデューサー (11月29日)
2025年のNHK大河ドラマ『べらぼう』の主人公・蔦屋重三郎(つたや・じゅうざぶろう)は、喜多川歌麿や東洲斎写楽といった浮世絵師を世に送り出した江戸時代の版元(出版人)です。講義では、まず宮瀧が、この“蔦重”の業績や江戸時代の出版事情、そして近年解明された写楽の正体をお話します。その後で、小林が江戸時代の各藩お抱えの能役者についてお話します。
(担当講師:宮瀧 交二、小林 晋也)

蔦屋重三郎と能 (12月13日)
“蔦重”が生きた時代(1750 年~ 97 年) 江戸の庶民の間には浄瑠璃や歌舞伎、落語などの芸能が広まっていました。また狂歌といわれる社会風刺や皮肉、滑稽を盛り込んだ和歌も大いに広まり、“蔦重”自身も狂歌師と交流し、たくさんの狂歌を詠みました。講義ではその辺りから“蔦重”と能の接点を探し、最後に皆さんにも腹式呼吸による謡いや、武道と同様に体幹を駆使して舞う能の体験をしていただきます。
(担当講師:小林 晋也)

“蔦重”と写楽 (12月20日)
“蔦重”は、さまざまな書物を出版しましたが、晩年には現代でも有名な、東洲斎写楽による役者絵( 歌舞伎役者) を制作・販売して、賛否両論となりましたが、講義ではこうした最新の研究成果について考察します。その後に、常磐津協会正会員である、常磐津齋櫻先生より、歌舞伎音楽としても用いられる、浄瑠璃や常磐津についてお話しいただき、最後に写楽の描いた絵にまつわる演目の“さわり”を、演奏していただきます。
(担当講師:常磐津 齋櫻、小林 晋也)

テキスト

レジュメを配付します。

講座番号(会場)
008(大東文化会館)
回数
全3回
曜日・時間
金曜日 10:30-12:00
期間
11月29日(金)~12月20日(金)
日程詳細
11/29
12/13・20
定員
30名
受講料
6,000円(学生受講料 4,800円)
受付終了

講師紹介

宮瀧 交二(みやたき こうじ)
大東文化大学文学部歴史文化学科教授
図書館長
立教大学大学院文学研究科博士後期課程史学専攻(日本史専修)博士予備論文提出退学。博士(学術)[新潟大学大学院現代社会文化研究科]。専門は日本古代史、博物館学、観光歴史学。著書に『岡倉天心 思想と行動』[共著]他。(公社)日本博物館協会 平成25年度棚橋賞受賞。歴史科学協議会『歴史評論』編集長等で活動中。
小林 晋也(こばやし しんや)
重要無形文化財保持者総合認定
宝生流職分能楽師
昭和49年、小林家に四代目として生まれる。6歳で宝生宗家に入門。能楽師として関東を中心に全国、ときに海外での能公演に出演。また演劇、クラブミュージックなど他のジャンルとのコラボレーションはもとより、能で健康体操、小学校での能授業、中学高校での部活動、大学サークル指導にも取り組む一方で、市民サークル「能楽を楽しむ会」や自身が指導する弟子の同門会「晋宝会」を主宰して活動中。
常磐津 齋櫻(ときわづ さいおう)
常磐津節三味線演奏者
常磐津協会正会員
青山学院大学文学部卒業。専門は常磐津節。東京都及び東京観光財団が展開するRobloxの「HELLO TOKYO FRIENDS」の江戸エリアにおいて、三味線音楽を提供。