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国際関係学部25周年記念イベントで森本喜久男さんが講演

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 国際関係学部の25周年記念講演「森に守られた伝統の村~伝統は守るものではなく創り出していくもの~」が24日、クメール伝統織物研究所の森本喜久男代表を招いて東松山校舎で行われた。

 京都の友禅職人だった森本さんは、タイの難民キャンプボランティアをきっかけに東南アジアでの活動を開始。タイでの活動後、当時内戦中のカンボジアでのユネスコの現地調査を担当した。調査の中、失われつつある伝統の織物「クメール絣(かすり)」を復興させたいとの思いからクメール伝統織物研究所を設立、独自活動を開始した。東京ドーム5個分にもおよぶ荒地を森や畑、村として再生する取り組みを続け、300人以上の現地の方々とともに自然環境と両立する「持続可能なコミュニティビレッジ」を形成している。

 講演では、森本さんの東南アジアでの活動の歩みから現在の研究所でのコミュニティの取り組みをスライドを使いながら紹介。織物生産の技術面はもちろん、コミュニティ内に小学校を作って教育の場を作るなど、「社会環境の再生」について取り組みを伝えた。昨今の東南アジアの多雨による洪水被害も甚大で、コミュニティも1㍍50㌢に及ぶ浸水があったという。「荒地のままだったら濁流ですべて流されてしまったが、10年かけて育てた森が自分たちの織り機や家具を受け止めてくれた」。自然のエネルギーを再認識したと話す。

 現在生産しているクメール絣についても世界的に高い評価を受けており、海外メーカーと協議しながら素材を大切にしたコラボレーションの展開も予定しているという。これらの取り組みを持続させるため、現地の人たちが運営し、発展できるための人材育成にも力を入れており、他の地域でも同様の取り組みも広がっている。
 「『大航海時代』とも言える大きな時代の節目を迎えた今だからこそ、積極的に外に出て経験を重ねてほしい」と森本さんは学生たちにアドバイス。「伝統は守るのではなく創り出すもの。大切なことは時代とともに前に進むこと。前進こそ新しい『生きた伝統』を創造することができる」と述べ、講演を終えた。