2021年06月15日

大東文化大学デジタルアーカイブスサイト公開、記念シンポジウム開かれる(2021.6.15関連資料掲載)

オンラインシンポジウムダイジェスト・当日資料(2021.6.15公開)

※ 林先生の発表部分において「東京書道博物館(所蔵)」と言及されている箇所について、正式名称は「台東区立書道博物館(所蔵)」です。

デジタルアーカイブスサイト公開、記念シンポジウム開かれる

本学はこの度、文部科学省の平成30年度「私立大学研究ブランディング事業」に選定された「漢学・書道の学際的研究拠点の形成による『東洋人の''道''』研究教育の推進」の一環として、所蔵する漢籍、書跡(自校史、拓本も含む)を閲覧できるデジタルアーカイブスサイトを公開しました。

サイトの公開に先立ち、3月5日には、20年来の協定校である國立台灣藝術大學とのシンポジウムを開催。「『書跡デジタルアーカイブス化』成果先行公開シンポジウム~大東文化大学書道学科と國立台灣藝術大學書畫藝術學系~」と題された討論会では、2時間にわたり逐次通訳をはさみながら貴重な意見交換が行われました。
髙橋利郎・書道学専攻主任の司会進行のもと、内藤二郎学長の動画挨拶、國立台灣藝術大學・陳志誠校長の挨拶、台灣藝術大學との親交も深い河内利治・文学部書道学科教授の主旨説明を経て本題へ。Session1の書跡研究(学術面)では「大東大所蔵の日本・中国の古典書跡に見る歴史的価値について」安達直哉・文学研究科委員長が作品を紹介、Session2の書道教育(芸術面)では「大東大所蔵の日本の現代作家の作品に見る芸術的価値について」高木厚人・書道研究所所長が作品を紹介し、Session3では「書跡のデジタルアーカイブス化の役割」について自由討論が行われました。

 

デジタルアーカイブスでは周易指、太平広記、群書治要などの漢籍、後土御門天皇の和歌懐紙や近衛信尹 の書状など平安~昭和時代の古筆切や書状、大学草創期に活躍・貢献した関係者の書跡、渋沢栄一の書、西周~秦、前漢~後漢の文字資料、中国と日本の幅広い時代を網羅する書家・宇野雪村(元同大教授)旧蔵の拓本など、著名な人物の作品や文物、830点が掲載されており、今後も掲載資料を増やしていく予定です。

 

東京大学 板倉聖哲教授の話

いよいよデジタル・アーカイブス公開である。

漢籍も書跡も同様のフォーマットで、全体検索が可能、カラー、拡大可能なのがうれしい。美術館・博物館とは機能が異なるため、大学機関の所蔵品はときに埋もれてしまうことがあるが、こうした試みによっていつでも国内外の研究者にとって閲覧可能になる。コロナ禍にあっては、こうした試みは教育資源としても重要さを増すであろう。
今後も画像を増やし、さらなる充実を期待したい。(東京大学東洋文化研究所教授 板倉 聖哲)