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  英語玉手箱  
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 このコーナーでは英語の学習方法などについてのアドバイスをしていきたいと思う。 ここを覗いている学生は、今まで様々なやり方で英語を勉強してきて、それぞれ到達レベルも違えば、得意・不得意もあるはずである。したがって機械的に皆に同じ英語の勉強方法を薦めてもあまり効率的ではないと思う。例えて言えば、スポーツで腹筋のトレーニングをするときに、既に腹筋がいくつにも分かれているような人と腹筋があまり発達していない人に同じメニューのトレーニングをさせても、どちらか(あるいは両方)にあまり効果がないのは自明の理だろう。そこでこのコーナーでは原則として英語の学習に大切なことと、それに効果的な方法の例を示しておくので、それぞれが自分のニーズに合わせてカスタマイズしてほしい。この人から指示されたとおりに従うのではなく、自分が主体となって取捨選択する、つまり自分がプロジェクトのリーダーとなってそれを実行するかどうかを決断をするというのが、英語習得への非常に重要な要素だと言える。

 
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☆英語のメッセージを理解する機会を多く取る

 
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 よく英語を上達させるのには「英語漬けになれ」とか「英語のシャワーを浴びろ」などと英語をたくさん聞いて(または読んで)内容を理解することが薦められている。それでは「内容を理解する」というのはどういうことだろう、またそれには何が必要なのだろうか。 まず最初にきちんと押さえてほしいのは、「英語を理解する」というのは「英語を訳す(つまり日本語に置き換える)」のとは違うということ。言葉を使うときには表面の意味とそれによって伝えたい意図がある。日本語で考えてみると、親に「お金を貸してくれる?」 などというときには「表面の意味」と「相手に伝えたい意図」は一致しているけど、例えば昼ごろになって友人に「おなかすかない?」というときには「空腹かどうかを問う」という表面の意味を通して「そろそろいっしょに食事しないか」と相手に提案することがこの発話の目的になる。よく「訳はできたけど何を言いたいのかはよくわからない」という人がいるが、それではちっとも英文をきちんと読んだことにはならない。相手が何を言わんとしているかという意図がわかってこそ理解したと言えるのである。

 さて、ではそういうことさえ踏まえておけば、後は単にたくさん読んだり聞いたりすればよいのだろうか。
その答えは Yes ―ただし次のものを備えていればの話。

1.最低限の文の仕組みがわかっていること
2.最低限の語彙があること。
3.いちいち訳さずに、文の前から順に英語を理解しようとしていること。

上にあげたことは言い換えれば「英語の基礎」ともいえる。もしこの基礎が不足していたのなら、闇雲にたくさん読んだり、聞いたりしても非常に効率が悪い学習になる。以下に学習法やお薦めの本 etc などをあげるので、基礎がない人にはもちろん、ある人も復習の意味で目を通してもらうといいと思う。

 まず英文の仕組みについて。この仕組とは「文法」と言い換えられるもので、英語の土台になる大切なものである。しかしあくまでも土台であって、仕組みのことばかり考えていては失敗することになる。自動車を動かすためにはその動かし方の仕組みを知っている必要があるが、その仕組みのことばかり気にして、より大切な目的地への行き方や道路の 状況に合わせた運転を忘れてしまっては車は先へは進めなくなる。

 そこで英語の基本的な性質に焦点を絞って書いてある本を薦めるので、それを読んで 基礎が少し怪しかった人は勉強しなおし、それほどでもなかった人は基礎を確認すると いう作戦がいいと思う。まず薦めるのは

わかる使える Ambitious 高校英語」金谷 憲著 桐原書店 764円

(書店にはあまりおいてないかと思うので、注文する必要があるかもしれない。学習参考書なのでネット書店でも扱っていないところもあり、またそのシリーズのトレーニング・ブックだけ扱っているところもあるので、混同しないように。またタイトルが「 アンビシャス高校英語」と表記されていることもある。 こちらを読んだ後にトレーニングブックを併用するのはいいが、トレーニング・ブックは学校での使用を考えて解答が付いていないので注意を)

 もう1冊新しいものでは次の本がある。これも基礎から説明してくれる。

英文法のトリセツ ― 英語負け組を救う丁寧な取扱説明書 ( じっくり基礎編 )
阿川 イチロヲ 著 アルク  1575 円

 いや自分は「少し」ではなく「大いに怪しい、全然だめです」という人は次の本で先に中学英語を復習してみてから上の本へ進むこと。

「SUPER STEPくもんの中学英文法」 くもん出版 1260 円

もし強制されずに自分からこうした本をざっと斜め読み(本当にわかってない人はじっくり読み)「ふーん」と思えれば意外に頭に残るものである。 次に語彙、よほど粘り強い人でないかぎり英単語帳で学習するのは難しい。でも本当に基礎からやりたい「根性の人」がいるかもしれないので、2つ挙げておく。単語一つ一つではなく前後といっしょに覚えるタイプの

コロケーション英単語」 LSC研究会編著 桐原書店  918 円

本当に中学の基礎単語が抜けていて復習したい人のための

基本英単語・熟語ターゲット 1100 」宮川 幸久監修 旺文社  998 円

 ただし単語帳を勉強するよりも文脈のある中でその単語を理解する方が記憶にも残るし、 使い方もわかる。それにはたくさん読むのが一番だが、一つ面白いテレビ番組がある。それは NHK 教育テレビで放映されている

100語でスタート!英会話
毎週火曜〜金曜午後 11 時〜 11 時 10 分
再放送:翌週月曜〜木曜午後 0 時〜 0時 10 分

という番組だ。この番組では100語の基本単語を順番にそれが使われる場面(第一シリーズはアメリカ 第二シリーズはオーストラリアを舞台にした物語だった)やその前後に使われる連語など の情報を楽しく解説してくれるもので、時間も短いのでお薦めだ。

 次に たくさん読んでその中で単語を覚えるなら、何を読めばよいのか。本来は自分の好きなものをどんどん読めばいいので人から押し付けるのはよくないのだが、いくつかのやり方を推薦したい。

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