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文学部|文学部 中国文学科
2018年03月15日
高橋ゼミ
中国哲学特別演習
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人間が書いた文章には、必ずその人の思想があらわれています

 中国の思想、というと、『論語』や『孟子』等の書名を思い浮かべる人が多いかもしれません。あるいは、高校の世界史などで、「諸子百家」という言葉を聞いたことがあるという人もいるでしょう。しかしながら、それらは長い中国の歴史の内、先秦という紀元前のある時期にあらわれた思想であり、中国思想のごく一部にすぎません。中国思想研究では、中国で文字によって事柄が記し始められた時から近現代まで、およそ人が書いたものは全て研究対象になります。またその具体的内容は、儒教だけでなく、墨家思想や老荘思想、法家思想といったいわゆる「諸子百家」、儒教の発展形である朱子学や陽明学も重要な思想研究の一分野ですし、意外かもしれませんが、仏教や道教、または民間信仰などの宗教思想も、そして医学や天文学など、現代でいえば科学に分類される内容も、中国思想研究の範囲に含まれます。

 

 中国では、長い歴史の中で様々な思想が生み出され、それが周辺地域に伝えられて、東アジアのみならず、時に西洋にも大きな影響を与えてきました。もちろん日本の文化もその影響下で育まれてきたものです。時に「日本人がなぜ中国の思想を学ぶのか?」という質問を受けることがありますが、中国の思想文化とは日本人にとって無関係な外国のものではなく、私たち自身の精神史を支える重要な柱の一つであることを自覚する必要があるでしょう。

 

 本ゼミでは、毎年中国の思想に関係する書物をひとつ選び、それを読み解いていきます。丁寧に訓読と現代語訳を行い、文献の内容を正しく理解したうえで、その思想全体の構造や、思想家の意図、その時代における意義などを考えていきます。古典は、私たちが自分を知るための鏡です。心に響くことばと出会い、自分自身との対話を深めて、よりよい人生を創る一助としてほしいと願っています。

 

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