奥田ゼミではハリー・ポッターの映画鑑賞をし、それを題材に議論を展開しました!
――こう聞くと、「いや何のゼミやねん」と思いますよね。こちらは奥田ゼミ、刑法を研究するゼミです。そしてこれは決してサボりではありません。わたしたちは大真面目です。わたしたちは大真面目に、主人公ハリーの親友、ロン・ウィーズリーの罪責を論じているのです。
ハリー・ポッターシリーズの映画第2作目、『ハリー・ポッターと秘密の部屋』の、まだほんの冒頭部分、数分程度のシーンが今回の題材です。主人公ハリーは気の毒なことに両親を亡くし、親せきの家で、いじめられながら暮らしています。意地悪な伯父さんにより粗末な一室に閉じ込められ、窓には鉄格子まで取り付けられてしまいました。ここから出て魔法学校に行きたい、友だちに会いたいと願うハリーのもとに、空飛ぶ車で颯爽と現れたロン! 鉄格子を破壊し、止めようとする伯父さんを空飛ぶ車で宙づりにして庭に落下させ、見事ハリーを親せきの家から連れ去ります。爽快感あふれる名シーンでしょう。
ところが、刑法ゼミの学生はそれでは終わりません。「……保護者のもとから未成年を連れ去るのは犯罪では?」「でもハリー自身も行きたがっているから……」「本人が行きたいと言えば連れ去ってOKなの?」いいですね。「鉄格子を壊しているよ」「伯父さんに怪我もさせた」なるほどなるほど。「でもさ、ハリーは監禁されていたんだよ。ハリーを救い出す手段として正当性があるんじゃないの?」おっ。「これって違法な監禁なの?『しつけ』との境界は?」「違法な監禁だったとして、救出にはもっと穏当な手段があるんじゃない? 通報とか、直談判とか……」面白くなってまいりました。それではこれらの素朴な疑問を刑法理論に落とし込むと、どのような論点に整理され、どのような先行研究が見つかるでしょうか。こうして奥田ゼミは、フィクション作品のたった数分のシーンをきっかけに、理論的で緻密で奥深い、刑法の世界に分け入っていったのです。
法律は、社会で今まさに息づいている生き物です。単語やフレーズをただ暗記するだけでは何の役にも立ちません。報道される実際の事件のみではなく、日常生活の些細な事柄や、フィクション作品中の当該作品では特に問題とされていない事柄に至るまで、そのすべてにアンテナを張ってみましょう。習った知識がすぐに暴れだし、するすると点と点をつないでいきます。そして、社会がどんどん立体的に、有機的に見えてきます。
わたしと一緒に刑法を学ぶからには、形式にとらわれず、自分で問題を発見して、それについてとことん追求してほしいと思っています。それは今回のロンの罪責のように、それ自体別に解決する必要のない、「しょうもない」ことで構いません。その積み重ねが、現実に起きる事件をひもとく学術理論の構築に寄与していくとともに、みなさんがどんな進路に進むにせよ、その身を助けることになるはずです。
もし今これを読んでいるあなたが大学進学について検討中なら――、大東文化大学法学部法律学科に来て、わたしと一緒に勉強してみませんか。学問は豊かで、自由で、楽しいです。あなたと出会えるのを心待ちにしています。
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