| A Rake's Progress 「放蕩一代記」 1735 |
「遊女一代記」で成功したホガースが、再び人生の転落を戒める物語を構想し、富裕な家庭の青年Tom Rakewellを主人公に、彼が老父の遺産を手にするやたちまち道楽に走り、放蕩に身を持ち崩して、悲惨な結末に終わる過程を、8枚の絵に仕立てた。 |
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第1図 遺産相続 父の死で勉学中のオックスフォードから急遽帰宅したTom Rakewellは、葬儀用の喪服の寸法を取らせるのに忙しい。そこへトムに結婚を約束され身重な恋人Sarah Youngが母に付き添われて追って来る。母は責任を取れと怒るが、トムはカネを与えて母娘を追い返そうとしている。婚約指輪を手に涙を流すセイラーは哀れ。鷲ペンを持つ遺産評価人は現金を掠め取ろうとしている。 | 第2図 新当主の会見式 トムはRakewell家の新当主として会見式を行うはずだが、そこに集まったのはカネ目当ての胡麻すりばかり。トムの左後ろの庭師は設計図を広げ、手前にひざまずく騎手は優勝状を見せ、そのほかピアノ弾き、ダンス教師、フェンシング教師等々。 |
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第3図 放蕩三昧 場所は悪名高いRose Tavern、時刻はすでに午前3時。トムはカネをばら撒き、群がる遊女と乱痴気騒ぎ。トム右側の女が懐中時計を盗み、トムの背後の女に渡しているが、泥酔したトムは気づかない。 | 第4図 借金が嵩んで逮捕されるトム 放蕩の挙げ句借金を重ねたトムは逮捕される。裏切られた許嫁セイラーは、トムを救うためにと財布を差し出している。 |
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第5図 カネを目当ての結婚 トムはカネ欲しさに金持ちの片目の老女と結婚式を挙げる。場所は秘密結婚で悪名の高い町外れのメアリ・ラ・ボウン旧教会。トムは新婦老女には目もくれず、老女に付き添う若い娘に気を取られている。左奥の会堂入り口には、裏切られたセイラーが赤児を抱き、母とともにトムの結婚に異議申し立てに現れて、騒ぎに。 | 第6図 賭博場 画面中央にいるトムは、博打に負け、結婚で手にした老妻の財産も全部失ってしまった。かつらを脱ぎ捨て、椅子を蹴飛ばし、拳を突き上げて何やら放心状態。一点を凝視する表情は、常人とは見えない。 |
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第7図 牢獄 右手に座るトムは妻から叱責され、看守や給仕からは心付けを要求され、心待ちしていた戯曲の原稿は不採用となって収入の望みは絶たれた。頬は痩け塞ぎ込むトムの姿を見て、セイラーは気を失う。 | 第8図 精神病院 カネのない精神異状者を収容するBethlehem病院にトムも送られた。半裸で腰を下ろしているトム(左手前)は自殺を図り(胸の傷が示す)、セイラーが泣きながら介抱している。一途な彼女の姿こそ哀れをそそる。ここにはトム以外では、左から宗教家、天文学者、数学者、素裸の王様、戯言を喋り続ける仕立て屋、音楽家、自分を法王と思い込んでいる男、失恋して藻抜けの殻の男など、妄想の世界の男性ばかりが集められており、セイラーの悲しみは増すばかりである。立っている二人の女性は慈善家または面白半分の見学者。 |
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