就活って、きっと自分をとことん見つめる期間。
12月某日、板橋キャンパスで行われた「航空業界系列内定者座談会」。長い就活期間を経て、念願かない、希望するエアライン業界への就職が内定した6人の4年生たちがリアルな就活の体験談を語ってくれるイベントです。
<座談会の参加者 ※下の写真左から>
Sさん 大手航空会社の客室乗務職内定
Nさん 海外を拠点とするLCCの客室乗務職内定
Uさん 大手航空サービス会社の地上職内定
Mさん 大手航空サービス会社の地上職内定
Yさん 外資系航空向け空港サービス会社の地上職内定
Oさん 大手航空サービス会社の地上職内定
座談会でトークしてくれるのは、客室乗務員(キャビンアテンダント=CA)の内定者2人と、地上職(グランドスタッフ=GS)の内定者4人です。
簡単に職業紹介をすると、客室乗務員(キャビンアテンダント=CA)は、飛行機を利用する人が快適に過ごせるように機内サービスを提供するだけでなく、保安要員として安全な運航を支える重要な役割があります。近年は男性の客室乗務員も増えています。また、地上職(グランドスタッフ=GS)はチェックインや搭乗など手続きを行うほか、手荷物チェック、利用者がスムーズに空の便を利用できるように幅広いサービス対応が求められます。
どちらも共通して、高いホスピタリティーやコミュニケーション能力、チームで働く連携力、さまざまな状況にも機転の利いた対応力などが求められる職業です。もちろん、タフな体力と精神力、語学力も必要です。
エアラインに関する職業は多岐にわたり、上記のほかパイロット、航空管制官、運航管理者、グランドハンドリング、航空整備士、空港案内、ターミナルサービス、入国管理局や税関職員といった各スペシャリストも活躍します。1機の飛行機を安全に飛ばすまでに、多くの人が関わっているのですね!
考えることも、やることも、夢も希望もたくさんある!
座談会を聞くために集まったのは、20人ほどの学生たち。
3年生が中心かと思いきや、授業の後で東松山キャンパスから駆け付けた1年生も参加していたり、エアライン業界への注目の高さと、熱心さが伝わります。
プレゼンターとして皆さんのトークを引き出してくれるのは、大東文化大学キャリアセンターのアドバイザー。座談会では就活を通して経験したこと、大変だったこと、成長したこと、今の思いなどなど、実際に経験した先輩だけが知っている生の言葉で聞くことができました。
気になる他業界との併願状況と、「この道で行く!」と決めた時期
Oさん
金融系を考えていました。エアライン業界に行きたいなとは漠然と思っていて、金融系と検討していくうちに、やはりエアラインがいいなと。真剣に思ったのは3年生になってからです。
Yさん
就活のはじめからエアライン業界に就きたいと思っていましたが、それだけでは視野が狭いなとも感じて、商社とホテル業界を受けました。
Mさん
人と接することが好きということで、飲食業界、ホテル業界、ブライダル業界も検討しました。子どもの頃から、親と一緒に空港に行く機会があるとエアライン業界への憧れをもっていて、大学に入ってからは一層強く思うようになりました。
Uさん
人と接する仕事が好きで、接客業に就きたかったので、ホテル業界とブライダル業界と航空業界に絞っていました。就活が始まって、アドバイザーといろいろ相談をしてからエアライン業界にさらに興味が湧きました。
Nさん
私はブライダル、人材、ホテル業界も検討しましたが、エアライン業界を本格的に目指すようになったのは3年生の3月頃です。
Sさん
地方公務員とホテル業界を併願していました。エアラインのお仕事は、小学校4年生の頃にキッザニアでキャビンアテンダントの体験をして素敵だなと思ったのがきっかけです。大学3年生の10月頃には、気持ちが固まっていました。
どうやって企業を見つけましたか?
Nさん
エアライン業界に特化した情報サイトがあって、そこから受けてみたい会社を見つけてエントリーしていました。情報が少ない企業については、社長の会談や記者会見などの動画をYouTubeで見ました。
Yさん
エアラインスクールが主催する説明会のようなイベントで、何社も航空会社が来ていて、そこで見つけた企業に興味を持ったり、説明会に参加して情報を得ました。
アドバイザー
大学のキャリアセンターには歴代の先輩が残してくれた就職活動結果報告書があるので、その資料を見て企業を見つける方法もありますね。たとえば、去年、羽田の空港サービスに就職した卒業生がいましたが、羽田にあるということは他の空港にもあるよなと思って企業を見つけるといった風ですね。過去に就職した先輩がいない企業や、情報が少ない場合には、積極的に説明会に行ったり、友達と情報交換や共有するとか、エアラインスクールのサイトを見るとか…行動あるのみです。
メモ必須!超実践的な、ここだけの話が続出。
内定が出るまでの苦労話を聞かせてください。
Oさん
エントリーシートを完成させるのが大変でした。提出の締切が同じぐらいで、同時進行で複数社のエントリーシートを書き上げなければなりません。私は3つの企業が重なっていて、1ヵ月ぐらい集中して取り組み、ほぼ毎日誰かに見てもらいながら手直しし続けました。
Mさん
周りの人から内定報告を受けると、精神的にきつかったですね。エアライン業界は就活が始まるのが遅くて、早い人では3年生の12月頃に内定をもらったような友人もいるなか、内定をもらったと聞くたびに焦りがでるのを感じるのは辛かったです。
Uさん
私も他の人が内定をもらったという話を聞くと「どうしよう、私だけ取り残されている…」という風に感じました。エアラインを受けている友人がいなくて、一人になっている気がしたので、周りに同じ目標を持っている友人がいれば支えあったり報告しあったりできていいと思います。また、エアラインの就活は、ちょっと独特の雰囲気があって、髪の毛がきれいにセットされていたり、ブラウスではなくカットソーを着ていたりと、他の就活生と違っている雰囲気を見るだけで緊張して場に飲まれそうになったこともありました。「自分は自分!」と思って、臨むといいと思います。
アドバイザー
そう、エアラインならではの独特な雰囲気はあって、周りがすごいように思えるんですよね。説明会に行った学生は、みんな口々に「すごかった!」というんですが、大丈夫です。受かってますからね。いつも自分らしくいるというのは大切です。皆さん乗り切って、こうしてここにいるのですよね。
学生生活全般でやっておいてよかったと思うことは?
Sさん
自分自身の視野を広げるためにインターンシップや説明会には多く参加しました。エアラインに関係なく、自分の興味があることに参加するのが大切だと思います。あと、同じ業界を目指す仲間を作ることによって、お互いに情報交換や気持ちを高めあえたことはよかったです。
Uさん
私は新聞を取っていて、本もたくさん読んでいました。試験で小論文が出ることもあり、文章力や語彙力が試されるのと、地理や漢字の問題などが出たりすると、新聞を読んでいてよかったと感じました。
Oさん
大学の4年間、同じところで接客のアルバイトをやっていた経験がよかったです。アルバイト先が、役職のあるようなお客様が利用されるお店だったこともあり、そういう方と会話することが練習になりました。面接官で、40代・50代ぐらいの男性が並んでいて緊張しそうな時も、アルバイトにいらっしゃるお客様だと思って対話していました。そうすると自然と丁寧な言葉で、緊張せずに話せました。
逆に、やっておけばよかったと思うことは?
Uさん
部活動を3年生までやっていたので、忙しくてそれ以外の時間が取れませんでした。面接のときに「こういうボランティア活動していました」という話をしている他の人を見て、自分もそういった活動をしておけばよかったと感じましたね。面接で、課外活動について聞いてくる企業もありました。
Mさん
TOEICの点数をもっと上げられるように、もっと早い時期からやっておけばよかったです。なかなか伸びずに就活に突入してしまったので。
Yさん
私は日本語と英語で面接があったので、その時に自分以外の他の志願者が話す英語を聞いて、自分の英語のつたなさを痛感しました…。英会話は早くからもっとやっておけばよかったと感じましたね。
Sさん
私はTOEICスコアを上げるのに苦労して、途中からGTECに切り替えました。GTECのスコアで選考に進めるという試験があったので、そちらの勉強に切り替えて頑張りました。
アドバイザー
英語力は、やはり気になる方も多いと思いますが、一般的にグランドスタッフはTOEIC550点、キャビンアテンダントは600点以上が望ましいと言われています。ただ、必ずしもそうでなくても受かっている人も、もちろんいます。英語の面接やグループディスカッションがあるかどうかは企業や年によっても違います。それでもエアライン業界を目指す人は、時間にゆとりがある今のうちにやっておく方が、いいかもしれませんね。
それでは、後半には、実際の面接や試験でのエピソードや、やっていた準備や対策などを詳しく聞いていきたいと思います!