大東文化大学東松山キャンパスに隣接する埼玉県こども動物自然公園にある「大東文化大学ビアトリクス・ポター資料館TM:ピーターラビットTMの絵本の世界」。
『ピーターラビットのおはなし』の作者、ビアトリクス・ポターが1905年に買い取った英国湖水地方にあるヒルトップ農場を忠実に再現し、2006年4月2日に開館した資料館です。
資料館には、2種類の私家版と4種類の初版本がそろっており、ビアトリクス・ポターの生涯や出版までの経緯をたどるパネル、原画や直筆の手紙、ピーターラビットグッズの展示、絵本に登場する庭の風景を再現したジオラマがあるなど、世界的にも評価の高い貴重な資料を展示しています。
今回はそんなビアトリクス・ポター資料館の大東文化大学との関係や、みどころをご紹介していきます!
教えてくれたのは…
文学部 英米文学科 教授
河野 芳英 先生
出版から100年以上経つ今でも、多くの日本人観光客がヒルトップ農場を観光し、グッズを買い込む姿を見て「ピーターラビット」に興味を持ったという河野先生。以来、地道に展示品を収集し、2006年に大東文化大学ビアトリクス・ポター資料館が開館されました。
「英米児童文学演習」「ゼミナール」では『ピーターラビットのおはなし』で有名な英国の児童文学作家であるビアトリクス・ポターを学生に教え、『ピーターラビットのおはなし』の他に23冊の絵本の全作品を眺めつつ、当時の時代背景、ビアトリクスの生涯、社会的実績などについて掘り下げる授業を展開しています。
ようこそ、ピーターラビットの世界へ!
ピーターラビットとは?
世界中で愛され続けている青いジャケットを身にまとったうさぎ「ピーター」は、ビアトリクス・ポターの作品の中でも最も世界中に知れ渡っているキャラクターです。
1902年に出版された『ピーターラビットのおはなし』は、ビアトリクスの最初の絵本で、闘病中の友人の息子、ノエル君を元気づけるために送った絵手紙がもととなっています。
◎ ピーターラビットは大東文化大学の公式キャラクター!
大東文化大学では、大自然の中で成長していくピーターラビットとその仲間たちの世界が、緑豊かなキャンパスで学ぶ学生たちの姿にぴったりと重なることから「ピーターラビット」を公式キャラクターとして採用しました!
ビアトリクス・ポター資料館
当初、ビアトリクス・ポター資料館は、大東文化大学の東松山キャンパスに建てられる計画でした。しかし、子どもと動物と自然を愛したビアトリクスにはキャンパスに隣接する埼玉県こども動物自然公園がふさわしいと考え、埼玉県の多大な協力もあり、その施設内に建設されることになりました。資料館は開かれた大学施設として、一般公開されています!
大東文化大学の学生たちは、授業のフィールドワークとして資料館に訪れることがあります。ビアトリクス・ポターと歴史ある絵本の世界に触れられる環境は、大東文化大学の魅力のひとつです。
POINT!
庭と畑はイギリス湖水地方にあるヒルトップ農場を再現しました。春になると白いフジの花やバラなどの花々が次々と咲き出します
玄関の扉を開けると、人形作家の小峰恵子さん作のビアトリクス・ポターの人形がお出迎え。ここではヒルトップ・ハウスの実測図や、ビアトリクス・ポターの生涯について知ることのできるパネルが設置されています。
また第1展示室では、子どもの手の大きさを考慮して作られた手のひらサイズの初版本の数々が展示されています。
POINT!
第4展示室では、絵本の世界を再現したジオラマが展示されており、このスペースは撮影も可能!
湖水地方のヒルトップ・ハウスの階段を実際に測量し、再現した階段は資料館のみどころのひとつ。
POINT!
ビアトリクス・ポターはこの階段を『こねこのトムのおはなし』『ひげのサムエルのおはなし』の挿絵に描いているので、この2作品を読んでからご来館されると、よりいっそう資料館を楽しむことができますよ!
第3展示室には視聴スペースが設けられており、映像でビアトリクス・ポターの生涯を学ぶことができます。
その奥の研修室では「ピーターラビット」シリーズ全24作をはじめ、関係する研究書、雑誌などを手に取って読むことができます。
在学生たちが作成した子ども向けクイズやパネルも設置されていて、子ども連れ家族にも楽しめる資料館です。
POINT!
第2展示室には、100年以上も前に出版された2種類の私家版と4種類の初版本が常設展示されています。6冊すべてがそろって見られるのは、世界中でも大東文化大学ビアトリクス・ポター資料館だけ!
他にも貴重な書籍や原画などが、数多く展示されています。
クリスマス企画展
毎年、大東文化大学の英米文学科の学生が中心となりテーマを決めて開催される企画展。
今年のテーマは、「ビアトリクス・ポターとナーサリーライム」です。
皆さん、ナーサリーライムという言葉を知っていますか?
ナーサリーライムとは、英語で「童謡」「わらべ歌」の意味。イギリスやアメリカを始めとした、英語圏で親しまれてきた伝承童謡のことです。
日本では、花いちもんめ・ずいずいずっころばし・通りゃんせなどが伝承童謡として有名ですが、大人になるにつれ懐かしい思い出の曲となってしまったのではないでしょうか。
イギリスでは幼いころに歌っていたナーサリーライムを、教養としてとらえ大人になっても楽しみ口ずさむ文化があります。
今回は、ピーターラビットシリーズで登場する「ナーサリーライム」に注目。詩集絵本やパネルを使った解説を展示し、大人も楽しめる企画展を開催しました。
本年は2021年11月16日(火)~12月25日(土)の期間、大東文化大学ビアトリクス・ポター資料館2階 研修室で開催中ですのでお見逃しなく!
博物館学芸員実習
大東文化大学ビアトリクス・ポター資料館では、大東文化大学の学生を対象に「博物館実習」を実施してきましたが、2016年度以降は他大学の学生も受け入れており、他大生であっても学芸員の資格に必要な貴重な資料や展示物の扱い方やマナー、キャプションの作成などの基礎的な知識やスキルを学ぶことができます。
学びたい気持ちのある学生を積極的に受け入れていますので、興味のある方はこちらをご覧ください!
大東文化大学生は、東松山教務事務室でパスポートを借りると無料で資料館へ入館することができます。
クリスマスシーズンには、ピーターとその仲間たちがオーナメントとなったツリーも飾られて、館内が華やかに!
ぜひこの冬「大東文化大学ビアトリクス・ポター資料館:ピーターラビットの絵本の世界」へ、足を踏み入れてみてはいかがでしょうか?
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