大東文化大学百年史編纂

資料紹介

Introduction of Research Materials

Research Materials 05

大東文化大学 1989年CROSSING

 この資料は、大東文化大学の『CROSSING』の1冊(1989年)である。本学に関する入試動向や学生生活といった、まさに高校生や受験生らが知りたくなるような情報が掲載されている(全68頁)。表紙裏では「私は自分におおいに期待したい」という、女子入学生の気持ちを、「楽しかった高校での3年間がいま、幕を閉じようとしています。みんなと別れるのはつらいけれど、それ以上に、新しい何かが始まる予感に胸がワクワクする私です。…4月から始まる大東文化大学での学生生活に想いを巡らすのが楽しくて。卒業は確かにひとつのエピローグだけれど、次のステップのプロローグでもあるんだ。そう考えると、『頑張らなくちゃ』と思えてくる。4年後には、人間としても、女性としても大きく成長していることを夢みて」と綴る。

 注目記事の1つである「CLUB紹介」では、体育系や文化系のクラブマネジャーによる「座談会」として、4人のマネージャーらがそれぞれの思いを語っている。赤荻智亜紀さん(ラグビー部・経済学部4年)は、自身の入部について、「なにか一生懸命になるものがほしかったからなんです。中・高校時代はテニス部に所属しキャプテンも務めたんですが、違った角度からクラブ活動を見てみたくて、思い立ったのがラグビーだったわけです。4年生のいまでは、1年生からすればお母さんといった感じの存在になってしまいました」と明るく語る。藤井和彦さん(陸上部・経済学部4年)は、マネージャーとしての苦労について、「苦労はないですね。大学生はもう大人ですから。誰もがちゃんとした目的意識を持っているし、クラブ内での最終目標も一緒ですから、連帯感もあります。ただ、体調の管理には気をつかいます。たとえば、うがいとか、部屋の空気の入れ換えに注意するとか、主に健康面でのことだけですね」とし、今後の目標として、「競技というのは長期的展望が必要だと思うんです。今年はダメでも来年、再来年がある。そしてそのためになにをするかを考えていく。とにかく面白いレースをしたいですね」と真面目に語る。高尾克人さん(書道部・文学部3年)は、自身の入部について、「僕の場合は、書道を学びたくて大東文化大学に入学したくらいですから、クラブも当然、書道部を選びました」とし、クラブ活動の合宿などでは、「1年生と4年生はキャンパスが異なることもあり、コミュニケーションの機会も限られていますから、合宿のとき延々話し込むんです。睡眠時間は平均3時間くらいでしょうか」と語る。佐々木一夫さん(写真部・法学部3年)さんは、今後のクラブ活動の目標などについて、「写真を撮るのは結局、個人個人ですから」とし、「プロをめざす集団ではありませんから、『いまなにを考えているのか』ということが出発点になるわけです。そして、部員同士の結束をはかり、どうせ撮るのなら楽しんで撮ろうと。とにかく、もっと部員をふやしたい」と、部活動への思いを語る。

 そして巻末では、「光速のような4年間でした」という卒業間近な学生の気持ちを、「毎日キラキラ、キラキラってわけにはいかなかったけれど、ふり返ってみると確かに速かった。そんな想いが胸をよぎるのは、この4年間が充実していたからなんだ、と。いま、ちょっぴり自分を褒めてあげたい気分です。いろんなことにけっこう頑張ったね…。でも、これからはもっと頑張らなきゃね。社会人になるんだもの」とし、これからの社会人への期待も示している。このCROSSING全体が、大東文化大学に入学し、4年間という学生生活を過ごして卒業する、まさに学生自身のキャンパスライフ・ヒストリーを物語る構成になっている。

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