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「観光歴史学」という新しい学問を楽しく学び、“街歩きの達人”として心豊かな日々を送っていただければうれしいです。

「観光歴史学」を提唱した宮瀧教授

宮瀧 大東文化大学文学部では、2018年に新学科である歴史文化学科が誕生し、その際に、文部科学省の認可を得て日本で初めてとなる「観光歴史学コース」を開設しました。本プログラムは、この観光歴史学コースのカリキュラムをもとに、歴史研究の方法を学び直し、また、学んだことを実際に活用してみたいとお考えの社会人の皆さんに向けて企画・構成したものです。

丸山 私は子どもの頃から歴史が好きで、ちょうど仕事が一段落した頃に、以前から個人的に存じ上げていた宮瀧先生が本プログラムを開講すると伺い、ぜひ受講したいと思いました。学生時代の歴史の授業は、先生が一方的に黒板の前で講義をするスタイルでしたが、先生と受講生、受講生同士でつくりあげていく本プログラムの授業に大きな魅力を感じました。

宮瀧 生涯学習は、何より楽しく学ぶことが大切です。受講生の皆さんとの出会いは、私たち教員にとっても刺激的で楽しいものです。本プログラムの目玉といえるのが、現地実習。机上の学びだけでなく、博物館や神社、お寺、遺跡が整備された公園などに足を運び、歴史的な視点からどう解説するかを御一緒に考えます。

丸山 現地実習は、すべて印象に残っています。とくに河越館跡の実習では、建物も残っておらず案内板しかない公園で、講師の先生が4時間みっちりと歴史ガイドをされたことに感銘を受けました。

知識を詰め込むのではなく歴史を調べるスキルを高める

本プログラムの魅力を語る丸山様

宮瀧 有名無名を問わず、人の暮らしてきた歴史がある場所は、すべて観光地になります。私たち専門家は、決して博識ということではなく、むしろ歴史を調べるスキルを持ちあわせている点が特徴です。どんな文献にあたったらいいか、それはどう検索すればいいかを熟知している。本プログラムでは、受講者の皆さんにも、歴史の答えを押し付けるのではなく、調べ方のスキルを身に付けていただくためのカリキュラムを組んでいます。

丸山 講義ごとに提出するレポート作成には苦労しましたが、資料の調べ方を学べたことが収穫でした。情報化社会の今、ネットで調べればいいと思われがちですが、その調べ方を知っているか否かによって、正しい情報にたどり着くスピードに差が出ます。フェイク情報に騙されないスキルを身に付けることがAI時代にはますます重要になるため、本プログラムの価値はとても大きいと思います。

身近な地域の歴史をこの機会に再発見してください

宮瀧 本プログラムの修了生の皆さんには、それぞれの地域の歴史・文化を市民の方々に伝えるメッセンジャーとして活躍したり、ご自身やご家族、ご友人のみなさんと“街歩きの達人”として心豊かな日々を送っていただければうれしく思います。

丸山 本プログラムは、先生と受講生、受講生同士の距離が近く、皆さんの歴史学への意識の高さに大きな刺激を受けました。時間に余裕ができて何かを学びたいけれど、何をどう学んでいいかわからないという方に、ぜひおすすめします。受講して損はありません。

宮瀧 京都や奈良ばかりではなく、どの場所にも歴史があり文化があります。皆さんの身近な地域の歴史も、私たちと一緒に楽しみながら、ぜひこの機会に再発見してみてください。お待ちしています。


□Profile

宮瀧 交二

「観光歴史ガイド養成プログラム」監修者

大東文化大学 文学部歴史文化学科 教授・図書館長


丸山 晃

「観光歴史ガイド養成プログラム」2022年度修了(第1期生)