どんな授業ですか?
これは毎週90分間のほとんどをもっぱら英語の歌を歌うことによって、英語音声スキルを向上させるという珍しい授業です。「英語教育学」の入門、すなわち他者に英語を教えることができるようになる道に入門しての第一歩は、なにを置いてもまずはきちんとした発音能力・音声能力である、という担当者の信念に基づいています。子どもたちにとって、発音の悪い先生に習うほど不幸なことはないからです。
具体的には?
前期のA、後期のBでそれぞれ7〜8曲を「仕上げ」ます。どう「仕上げ」るのかと言うと、全員が実際にうまく歌えるようになってもらいます。そのために授業中は、(1)まず暗記してきた歌詞を書く小テストを行い、(2)次に教員がクラス全体に対して歌い方を丁寧に指導し、(3)グループでYouTubeなどみながら歌い方を確認し、(4)グループ毎に「グルグル・メソッド」によるコーチングとテストを受けてもらいます。
グルグルって何?
「グルグル・メソッド」というのは、グループで実際に教員の前である程度の長さ(一度に4行くらい)を歌い、「マル」がもらえたら次のパートに進み、「マル」がもらえなかったらまた列の最後について再挑戦する、というアクティブ・ラーニングの方法です。「グルグル・メソッド」中は教室中がワイワイガヤガヤと大騒ぎになります。
なぜ歌を?
でも、そもそもなぜ英語の授業で歌なのでしょうか?それは「音節」というものと深く関係しているのです。日本人が英語を英語らしく話せるようになるひとつの鍵は英語の「音節」感覚を身につけることなのですが、それを身につけるために最も有効な方法が英語の歌を歌うことなのです。それは、歌詞の音節数がメロディの音符数と基本的には対応しているからです。つまり英語のうたを気持ちよく歌えるためには、自然と英語らしい音節で発音せざるを得ないということです。だから英語の歌を練習するひとは英語の発音がうまい人が多いのです。
どんな歌を使うのですか?
扱う曲はその年によって多少は変わりますが、2017年度は以下の通りでした。知っている曲もあるでしょう?
前期(A)
1.You Belong with Me (Taylor Swift)
2.A Whole New World (from Aladdin)
3.One Thing (One Direction)
4.Just the Way You Are (Bruno Mars)
5.Roar (Katy Perry)
6.Dirty work (Austin Mahone)
7.Let It Go (from Frozen)
8.Sk8er Boi (Avril Lavign)
後期(B)
1.The Climb (Miley Cyrus)
2.Loser Like Me (from Glee)
3.Marry You (Bruno Mars)
4.Call Me Maybe (Carly Rae Jepsen)
5.Born This Way (Lady Gaga)
6.Baby (Justin Bieber)
7.What Makes You Beautiful (One Direction)
8.All I Want for Christmas Is You (Mariah Carey)
受講生の感想は?
この授業の雰囲気がよく現れている、ある学生の書いてくれた感想を載せておきます。
◆去年の夏に大東文化大学のパンフレットを見たときに、洋楽を使った楽しい授業があると書いてあったので、それに心を惹かれてこの大学に入りました。そして初めの記念講堂での靜先生のKazooを使った授業の紹介の時に『これだ!』と思い、私はこの授業を取ることを決心をしました。思った通り授業は楽しく、一度も欠席することなく前期を終える事ができました。もとから洋楽を歌うことが大好きなので、何曲か元から歌える曲はありましたが、LとRの発音やthの細かい舌や息の使い方まで気にしたことがなく、グルグルで引っかかることが何度もありました。でも、それを繰り返していくうちに、普段洋楽を歌うとき以外の発音でも自然とthやL、Rの発音が出てくるようになり、ほかの授業の暗唱テストの時も、発音を褒められました。楽しんで学ぶということは、こういうことなのだな、と痛感しました。あんな大人数なのに、宗教のように学生の皆は真面目に楽しそうに取り組んでおり、こんな一体感のある授業はこの英語教育学入門だけなんじゃないかな、と思っています。毎回プリントに歌詞を書くというきつい課題もありましたし、私の苦手な小テストもありましたが、毎回全力で取り組みました。この授業ではフルに努力を発揮できたので、自分を褒めたいです。
待ってます!
英語学科に入れば、だれでもこの授業を取ってもらうことができます。英語がうまくなりたい人、カラオケが好きな人、待っていますよ!
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