大東文化大学

本学のAL(=アクティブ・ラーニング)の全学的な取り組みの一環として、9月13、14日に、「ALを加速する学生リーダー育成プログラム」が東松山校舎で実施され、各学部から95人の学生が集まった。学生たちは5つのクラスに分かれ、1クラスあたり6、7人のチームを編成し、㈱ラーニングバリューのファシリテーターと共にさまざまなグループワークを中心としたプログラムを実践した。
今回のプログラムでは、大学入学までの受験勉強など、知識を覚える一方的な学びが中心の「答えがある」課題に対しての解決能力ではなく、実社会で異なる価値を持った人と共に「答えがない」課題を解決するために、自らの役割を踏まえて自発的に他者と協力が出来る能力を養うのが狙い。
グループワークを通じて学生たちは、チームワークの大切さや面白さを感じ、普段当たり前と思っていた自分の意見や考え方、相手の話をしっかりと聴くこと、「傾聴」の重要さを改めて感じていた。
今後も、形を変えつつ継続的なALへの取り組みを続けていくという。

アクティブラーニングとは

教員による一方向的な授業ではなく、学生が自ら動き学ぶことであらゆる問題へ対応できる力を見につける学習法のこと。問題を解決へ導く授業やグループワークなど様々な方法がある。

アクティブラーニングはなぜ必要か

現在の学生は社会人基礎力や汎用的な能力が低い傾向にある。これらの能力を高めることは学生の将来に役立つと考えられる。国際関係学部では、5年前からPBL(課題解決型学習)をしているが、グループワークを行っても、スムーズに入ることができない学生が多い。テーマを設けても、意見交換や議論が進まず、課題解決に繋がらない。
原因は大学入学までの勉強スタイルにある。テキストを読んで内容を理解する、英文を和訳する、など「答えのある問題」には積極的に取り組み、優秀な学生も数多くいる。しかし、「答えのない問題」に対して、他者と考えるスタイルだとモチベーションを保てず、リーダーシップを発揮する学生も少ない。
社会では、他者と力を合わせて問題解決することは日常的に求められ、不可欠な能力となる。このように、学生の将来を見据えアクティブラーニングを導入することは、重要な課題である。

リーダー育成の意味

今回のアクティブラーニングは「学生リーダー育成プログラム」と銘打たれている。その意味は、各学部でリーダー的な存在となることが期待される学生に主体的に学ぶことの体験と気づきを与え、それぞれの学部学科に戻ったときにプログラムで得た自主性を発揮してもらいたいというもの。核となる学生を育成し、回りの学生に波及効果を与え、活性化していくという方針だ。
プログラムを通じて、学生が自信を持って自分の意見を言えるようにできることを目指していくという。

大学職員の関わり

プロジェクトを動かす職員については全学的に呼びかけ公募制にした。結果として5人の職員が参加した。
アクティブラーニングを実施する場合、教員と職員の連携が重要になる。例えば、地域の課題をテーマにアクティブラーニングを行う場合、現地との事務連絡などが生じるが、そのすべてを教員が行うのは難しい。調整や事務といった業務に長けている職員の参加によって、プログラムがより充実すると予想される。
また、アクティブラーニングの推進を通して行われる全学的な教育改革は、学生に留まらず、大学に勤める教員・職員の能力開発にも効果が期待できる。

▲T-GRIP

実行委員会(T-GRIP)より

「まずは夏休み中にもかかわらず参加した、95人の学生の「克己心」を讃えたいと思います。
2日間という短期間のプログラムではあったが、チームの議論がどんどん活発になり、学生たちの表情が明るく快活になっていくようすがはっきりと見て取れました。学部学科を超えた交流という点でも有意義だったようです。
意欲的な学生たちの「向上心」に新しい「火」をともしてくれたように感じます。学生たちには、2日間の体験で得た気づきや決心=目標を、単なる思い出に終わらせることなく、これからの授業や課外活動の場で、自覚的に活かしていってもらいたいと思います。
私たちT-GRIPも、この「火種」を絶やさないように、学生たちがもっとアクティブになれる環境や機会を提供していきたいと思っています」

大学教員がアクティブラーニングを学ぶ意義

インターネットの普及により、座学での講義は大学に来なくてもオンラインでの受講が可能になっている。知識を教えるだけの一方通行の授業には意味が薄れている。キャンパスに来る意味のある授業ができない大学は淘汰される可能性が高い。 こういった状況では、大学教員の役割も変化している。知識を教えるだけでなく、学生の能力を引き出すファシリテーターとしての能力が求められている。アクティブラーニングでは、学生がどのようなことを言うか、どのような行動をするか想定はできない。大学教員も専門的な知識だけでなく、総合的に学生の能力を伸ばし、対応できる能力が求められている。 アクティブラーニングや課題解決型授業のポイントは「教えすぎないこと」である。教員がそれを認識し、学生の能力を引き出す方法論を体得しなければならない。

今後の展望

今回のプログラムだけでは、その効果は日ごとに薄れていく。参加した学生に対するフォローアップに、参加学生を対象にした学外でのボランティア活動などを設けていくなどの取り組みを行うという。
1、2年次にこういったプログラムを行うことで、自主的な学びの力を育成し、3年次以降は自分の力でゼミや授業でのグループワークでリーダーシップを発揮できることを期待できる。今後は定期的な実施によって、東松山キャンパスでの就学期間に、学生の自主性を伸ばし、大学全体を活性化するグループの形成を目指す。

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