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「語り継ぐ戦争体験~教育の立場から考える人権と平和」を開催しました!

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2018年6月23日土曜日、教職課程センター主催の教養イベント、「語り継ぐ戦争体験~教育の立場から考える人権と平和」が、教員養成コロキアム(通算第3回)の一環として開催された。雨混じりの曇り空の中にも関わらず、会場となった大東文化会館には、市民に開かれた公開講座ということもあり、150名を数える学生と一般参加者が詰めかけた。

 

靜哲人・教職課程センター所長の挨拶に続いて、実行委員長の石田智大さん(中国学科)による講師紹介の後に全体講演が行われた。

講師の小島民子さんは、今年で90歳。小島さんが語る戦争時代の数々のエピソードに、参加者は熱心に聞き入る。「天皇陛下のために喜んで死ね」と叩き込まれた軍国主義の時代、敗戦によって突然降ってわいたような「民主主義」。そうした中で小島さんは何を思い、どう生きてきたのか、それは後世まで語り継がなければならない大切な話であった。

後半は、渡辺雅之・教職課程センター准教授のコーディネートで、学生有志と小島さんを交えたトークセッションが行われた。「教員を目指す私たちだが、戦争体験はない。これから出会う子どもたちにどのように平和の問題を語り継いでいけばいいのか?」「沖縄の基地問題や広島原爆についてどう考えればいいのか?」「なぜ戦争は無くならないのか?」「社会全体の右傾化に対してどう思うか」など出された課題に小島さんが丁寧に答え、学ぶところが多いトークセッションであった。また、ご夫君との出会いや当時の政治家のエピソードなどに会場は暖かい笑いに包まれた。

仲田先生挨拶

最後は仲田康一・教職課程センター講師が、「追究すること、疑問を持ち一人一人が主体性を持ち考え続けること、それが戦争を二度と起こさない、平和をつくる道。こうしたことは教員に求められる最も大切な資質であり、教員だけでなくここいるみんなにも求められていることではないでしょうか」と締めくくった。

 

くしくもこの日は、沖縄慰霊の日でもあった。大東文化大学の理念である「アジアから世界へ―多文化共生を目指す新しい価値の不断の創造」に基づき、教職課程センターでは「良い」教員を育てるために、より良い社会をつくるために、これからも様々な学びの機会を作っていきたい。

足元の悪い中、足を運んでくださった多くの学生ならびに市民の皆さま、後援していただいた板橋区教育委員会様、そして何より小島民子さんに感謝を申し上げます。

当日のアンケートより

学生の声

  • なぜ戦争が起きたのか、そこから知る。それをしないと本当の意味での平和学習にならないなと強く感じた。小島さんがおっしゃっていたように、戦争当事者でない私たちが戦争の時代のことを次世代に語り継ぐのは難しい。しかし知らなければならないことはたくさんあるのだろう。(学生A)
  • 戦争についての話、とても多くのことを学ぶことができました。次の世代に戦争をどう伝えていけばいいか、今改めて考えることができてとても良かったです。悲しい話や楽しい話、多くの出来事を学び、大変充実した時間になりました。有り難うございました。(学生B)
  • 戦争を経験していない私たちがどうやってこの問題を語りあうべきかというまるで「人生の問い」というべきものが自分の中にできました。教員になった時だけでなく、自分が家庭を持った時に感じるべき大切な事とも思いました。(学生C)
  • 小島さんの人生を聴きながら戦争について考える今日のイベント。教科書で習う歴史よりも、はるかに具体的でどれほどその時代が大変だったのかがよくわかりました。(学生D)
  • なぜ戦争をしてはいけないのか。小島さんの話から非常にそれがリアルに私たちに伝わりました。本当にありがとうございました。私は歴史文化学科に在籍しているので歴史問題からこの問題を考え続けていきたいです。(学生E)

一般参加者の声

  •  すばらしいイベントでした。とかく浮ついていると言われている若い世代の学生さんたちですが、そんなことは全くなく、真面目に真剣に戦争と言う問題に向かい合っている態度に感銘を受けました。(一般参加者A)
  • 小島民子先生、90歳の女性が柔らかに本質をついた語りに心から感動しました。(一般参加者B)
  • 小島さんの「民主主義を学ぶ」という言葉が大変心に残りました。語り継ぐとはどういうことか、どうすれば良いかを考える上でとても参考になったイベントでした。大東大で、またぜひ企画してもらいたいものです。(一般参加者C)
  • 地域にある大東文化大でこのようなイベントが開かれたことにとても感謝しています。これからもぜひ、平和について語り合う機会を設けてほしいです。(一般参加者D)

企画準備から当日の運営まで頑張ってくれた「教養イベント学生実行委員会」メンバー(敬称略)

石田智大、三浦彩、片川義貴、西田有梨沙、大竹百香、小島拓、山田天斗、田代瑞樹、浦川真優佳、斎藤美月、徳永清志郎