大東文化学園では、学園全体を挙げてSDGs(持続可能な開発目標)の推進に本格的に取り組んでいます。2022年度以降、学内外を問わず様々な取り組みを実施しています。
SDGsとは
今や多くの企業や団体で掲げられているSDGs。
SDGs(持続可能な開発目標)は、2015年9月の国連サミットで全加盟国が合意して採択された国際的な目標です。2030年までに、持続可能なよりよい社会をつくることを目指しており、17の大きなゴールと169のターゲットから成り立っています。その基本にあるのは「地球上の誰一人取り残さない(leave no one behind)」という約束です。
SDGsはすべての国が取り組むべきものであり、日本でも企業や大学、自治体をはじめとして様々な団体で取り組みが進められています。
近年広がりを見せる「フードドライブ」とは
フードドライブとは、食品ロス削減を目的に、家庭で食べ切れず余っている食品や飲料を持ち寄り、回収拠点(スーパーや自治体など)やイベント会場などで回収し、地域の福祉施設や子ども食堂、生活困窮者支援団体などに寄付する取組みです。
大東文化大学で実施しているフードドライブでは、大学で本学園学生・生徒・教職員を対象に食品を回収。板橋区役所へ受け渡し、板橋区からフードバンクいたばしへ届けられています。
団体により条件が異なりますが、カップ麺や缶詰、お菓子等保存が効くものが対象となります。
フードドライブに参加することで、SDGsの目標1「貧困をなくそう」、目標2「飢餓をゼロに」、目標3「すべての人に健康と福祉を」の達成に貢献できます。
2024年10月、SDGsの推進活動の一環として、フードロス削減を目的としたフードドライブを実施いたしました。2日間で80名の方に提供をいただき、個数240点、総重量90.6kgの食品や飲料が集まりました。
2024年度のフードドライブの活動報告はこちら
フードロス削減!余った食材をもとに、学生がレシピを考案
また、今回はゼミの学生と一緒に、フードドライブで集まった食材リストを調査。余りがちな食材を有効活用し、フードロスを削減しながらも美味しく健康に食べられるレシピを考案し、実際に調理をしてみました!
レシピ開発に関わったスポーツ・健康科学部 健康科学科の蕪木先生にインタビューを実施しました。
レシピの考案から実際に調理するまで、具体的な取り組みやそれによって得た学びについてお聞きしました。
Q. 集まった食品を活用するために、どういったところを意識してレシピを考案していましたか?
蕪木先生:余りがちな食材には、「味に飽きる」「調理が面倒」といった理由が潜んでいます。そこで手軽で美味しく、意外性があるもの、さらに小さなお子さんと一緒に楽しめるレシピをゼミの学生たちに考案してもらいました。また、買い物に頼らず、家にあるもので完結できることも意識してもらいました。
フードドライブで集まった食材の中から今回使用したものは、サバの味噌煮缶、レトルトカレー、乾麺、ホットケーキミックスの4品。
学生の皆さんによる試行錯誤の結果、以下の2品が完成しました!
さば味噌カレーうどん
さば味噌煮缶とレトルトカレーを使った、簡単で美味しいアレンジうどんです。
材料
- レトルトカレー … 1袋
- さば味噌煮缶 … 1缶(約190g)
- だし汁 … 200ml(1カップ)
- 乾麺(うどん・そば・素麺など) … 200g(2人分)
- (お好みで)刻みネギ、水菜などの野菜
作り方
1. 鍋にレトルトカレー、さば味噌煮缶の缶汁、だし汁を入れてよく混ぜ、火にかける。
2. ふつふつと沸いてきたら、さばの身を加えて軽く温める。
3. 乾麺を好みの硬さに茹で、冷水で洗って水気をよく切る。
4. 麺を器に盛り、温めたカレー汁をかける。
5. お好みで刻みネギや水菜をトッピングして完成!
缶詰とレトルト食品だけとは思えない、奥深い味わいが完成しました。冷蔵庫にある玉ねぎや根菜を加えると、さらに栄養バランスもアップすると思います。
ホットケーキミックスピザ
ホットケーキミックスでつくる、ふんわり生地の簡単ピザです フライパンひとつでできるので、料理初心者にもおすすめです。
レシピ
- ホットケーキミックス … 100g
- 水 … 約70ml(生地の様子を見ながら調整)
- ピザソース … 大さじ2〜3
- ベーコン … 2枚(食べやすくカット)
- ピーマン … 1個(輪切り)
- ピザ用チーズ … 適量
- オリーブオイル … 少々
- アルミホイル … フライパンのサイズに合わせて
作り方
1. ボウルにホットケーキミックスと水を入れて混ぜ、生地をつくる。
2. フライパンにアルミホイルを敷き、オリーブオイルを薄く塗る。
3. 生地を広げて弱火〜中火で焼く(ふたをするとふっくら仕上がります)。
4. 表面が乾いてきたら火を止め、ピザソースを塗り、ベーコン・ピーマン・チーズをのせる。
5. 再びふたをして弱火で加熱し、チーズがとろけたら完成!
アレンジのヒント
- ウインナー、コーン、ツナなど冷蔵庫の残り物でも美味しくできます。
- 生地に少しオリーブオイルを混ぜると、香ばしさアップ!
- 生地をハート型や星形にして焼けば、見た目も楽しく、子どもと一緒に作るのにもぴったりです。
ホットケーキミックスで作った生地に、ピーマン・玉ねぎ・ベーコン・チーズをのせて蒸し焼きにしました。作り方もとても簡単で、星型やハート型に成形したりなど、調理の過程も楽しめるレシピとなりました。
Q. 今回の取り組みで印象に残っている学生さんの様子や、この取り組みの目的を改めて教えてください。
蕪木先生:普段は冷凍うどんで手早く調理を済ませてしまう学生たちも、乾麺を茹でるひと手間から、思いがけないアイデアが続々と誕生しました。「焼いてお好み焼き風にする?」「まとめて茹でて冷凍保存できるかも」など、調理の工程そのものを楽しむ姿が印象的でした。
本活動はフードロス削減を目指す一環として、余りがちな食材を活用したレシピ開発に取り組みました。学生たちに、フードロスという社会課題への関心を高めてほしいと考えていましたが、活動を進める中で、予想以上の成果もありました。
レシピを考案する中で、学生は「料理って楽しい!」という体験を得ることが出来ました。仲間とアイデアを出し合いながら調理し、試食を通じて感想を語り合うコミュニケーションの場も生まれました。最近では、調理の楽しさがウェルビーイング(※)につながるとして注目されています。
今回の活動を通じて、学生たちが食と向き合い、仲間とのつながりを感じながら「料理を楽しむ」時間を持てたことは、私たちにとっても大きな収穫でした。
今後も、フードロス削減と学生のウェルビーイングの両面に貢献できるよう、こうした活動を継続していきたいと考えています。
※ウェルビーイング…身体的・精神的・社会的に良い状態にあることをいい、短期的な幸福のみならず、生きがいや人生の意義などの将来にわたる 持続的な幸福を含む概念
2025年10月にもフードドライブを実施!
2025年度も引き続きフードドライブを実施する予定です。家庭で食べきれず余っている食品や飲料を回収いたします。
ご協力のほど、よろしくお願いいたします。
※本学学生・教職員が対象です。
日付 | 時間 | 受付場所 |
10月14日(火)~ 10月18日(土) 10月20日(月) |
9時00分~ 17時00分 ※土曜は12時00分まで |
板橋キャンパス 2号館1階 総合企画課 |
10月21日(火) 10月22日(水) |
8時45分~ 13時30分 |
板橋キャンパス 中央棟階段下 ※雨天時は2号館入口 |
今回のフードドライブでは、多くのご協力によって集まった食材をもとに、学生たちが自ら工夫を凝らし、新しいレシピを考案・調理しました。余りがちな食材でも工夫次第で美味しく楽しめることを実感し、調理の過程そのものを仲間と共有することで、食の新しい価値に気づくきっかけとなりました。食材を寄付してもらうだけでなく、余りがちな食材の活用方法まで学生自身が考えることで、より深い学びにつながったのではないでしょうか。
大東文化学園ではこうした学生の主体的な活動を大切にしながら、学園全体をあげて持続可能な社会づくりに取り組んでまいります。