BORDER CROSSER
越境者たち
01
文学
100年の智が息づく
大東文化の原点
描かれた時代の空気や、
人びとの感情の機微を
生き生きと実感できる文学研究。
まるで、自分も本のなかの世界に
生きているかのような気持ちに。
表現の一つひとつまでも、
立体的に読み解く文学研究
皆さんは「黄表紙」をご存じですか?NHK大河ドラマ「べらぼう」でも取り上げられた、江戸時代中期の挿絵入りの娯楽本のことで、私の現在の研究対象です。高校時代の古文の授業で、物語をただ楽しむのではなく、さまざまな視点から読み解く楽しさを知り、日本文学科へ進学しました。2年次の授業で黄表紙がテーマの回があり、その風刺と皮肉に満ちた内容は現代の価値観からしても面白く感じられ、研究対象にしようと決意しました。とはいえ黄表紙は全編がくずし字で書かれており、また古典のパロディや歌舞伎の台詞の引用、社会情勢の暗喩なども多く、研究には幅広い分野の知識が不可欠です。学ぶべきことは数限りなく、大変さを感じることも。しかし、文学作品には当時の社会や文化が色濃く反映されており、表現の一つひとつに作者の意図が込められています。丹念に分析することで、初読時につかめなかった文章の意味や、作者の真意を解明できたときの達成感は格別ですし、また描かれた時代の空気や人々の感情の機微を、確かな実感をもって理解することができ、まるで自分も本のなかの世界に生きているかのような気持ちになります。こうした感動は、文学研究を通じてしか味わえないものだと感じています。
文学の歴史の一員として、
今後はさらに深い探究を
文学研究のもう一つの楽しさは、自分も文学の歴史の一員であると実感できることです。文学作品を読んでいると、作品構造から微細な表現に至るまで、過去の時代の作品の影響をさまざまな形で受けていることに気づきます。黄表紙も、平安時代の文学や中国の古典作品などから多くの着想を得ています。はるか前の時代を生きた作家たちが、さらに前の時代の文学を素晴らしいと感じて、作品に落とし込んでいるのを知ると、「私たちと同じことを思っていたんだ」という強いシンパシーを感じます。また、こうした行為の何千年にもわたる繰り返しによって文学の歴史が形づくられていることと、文学研究に携わる自分もその歴史のなかに息づいていることも再認識でき、深い感慨を覚えます。掘り下げるたびに新たな気づきと喜びが得られる文学研究を、今後も大学院で続けていく予定です。
文学
言葉の海で、
まだ見ぬ自分と出会う
文学部では、古今東西の「言葉」と「文化」を探求し、多角的な視点から
人間や社会を深く理解する力を養います。古典から現代、そして世界へと
広がる文学の世界で、あなたの知性を磨きませんか。
文学部の学科
日本文学科
日本の古典文学から現代文学、日本語学まで幅広く学び、日本文化の深層に触れます。
中国文学科
漢文の読解から中国の現代文学、そして中国語の習得を通じて、壮大な中国文化を体験します。
英米文学科
英語圏の文学、文化、言語を深く学び、グローバルな視点とコミュニケーション能力を身につけます。
教育学科
小学校教諭、幼稚園教諭、保育士を目指し、教育の理論と実践を学びます。
書道学科
国内初の書道専門学科。歴史や理論を学ぶ「書学」と、作品を制作する「書作」を通じて、「書」に対する広い視野を養成します。
歴史文化学科
日本史、東洋史、西洋史、観光歴史学など、多様な歴史と文化を横断的に研究し、多角的な視点から世界を理解します。