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学部長からのごあいさつ

経済学部長 高安 雄一

経済は生きています。呼吸している、といったほうがよいかもしれません。経済は無数の主体、すなわち個人・世帯、企業や政府などが相互に影響・依存しあっているがゆえに、ある部分での経済活動の活発化がほかの部門に波及して、経済全体として活動水準の拡大が続いたり、逆に悪循環を通じて全体の活動水準が収縮したりということが避けられません。

 

こうした呼吸にも似た拡大と収縮の繰り返し、すなわち景気循環がどのようなメカニズムによるものかは、長らく経済学の一大関心事であり続けてきましたし、その決着はまだついたとはいえませんが、景気循環が雇用、所得、物価、資金調達といった経済のさまざまな側面を通じて私たちの日々の生活に大きな影響を与えていることは間違いありません。

 

経済学は、このような景気循環をはじめとして現実に起きている経済問題についてじっくり考え、問題の発生メカニズムを解明したうえで、問題解決の方法を提案していく学問です。経済学は学問のなかでも、非常に論理的な性格が強い分野であり、これを学ぶことで論理的な思考能力を身につけることができます。同時に経済学では、物理など自然科学分野と異なり、時として合理的ではない人間が引き起こす動きを扱います。よって杓子定規ではなく柔軟な思考力も求められます。

 

みなさんも私たちと一緒に経済学を勉強することで、論理的かつ柔軟な思考力を身に着け、日々起こる経済問題を考えていきましょう。