──佐藤さんが将棋を始めたきっかけについてお聞かせください。
佐藤陽香さん(以下、佐藤):小学生の時に父に習ったのがはじまりです。大会に出場したら勝てたので、本格的に取り組むようになりました。ただ高校まで将棋部がない学校に通っていたので、こうして部活に入ったのは大学からです。
──将棋研究会には佐藤さんのほかにも女子学生はいますか?
佐藤:ほとんどが男子で、女子の部員は3~4人です。ルールが難しいので、その最初の段階で興味を持つ人とそうでない人に振り分けられちゃうかもしれません。
*佐藤さんは福島成蹊高校2年次に全国高校将棋新人大会で5位入賞、東北地区高校将棋新人大会でも2連覇の記録があります。
──橋本さんや大川さんは、将棋を指したことはありますか?
橋本冴音さん(以下、橋本):私はさっぱりわかりません。
大川楓佳さん(以下、大川):小学生の時に学童保育でシルバー人材センターの方に教わりました。駒の進み方は覚えましたが、駒が裏返るとわからなくなってしまいます(笑)。もっとも、駒が裏返る前に負けてしまいますけど。
佐藤:成る(相手の陣地に自陣の駒が入り裏返ること)ことができない駒もあるので、そこもややこしいところです。
──琴和道会で幹事長を務める橋本さんにお聞きします。「冴音」というお名前からして、まさに音楽を奏でるために生まれてきたのでは、と言われるかと思いますが。
橋本:よく言われますが、名前負けしていると思います(笑)。入学を機に、新しいことにチャレンジしたいと考えていたところ、本学で唯一和楽器を扱っている琴和道会を知り興味を持ちました。未経験のジャンルでしたが、説明会などを通して、部員同士の温かい雰囲気にも惹かれて入部を決めました。
──技術的な不安はありませんでしたか?
橋本:私はお筝と、十七弦というふつうのお筝より弦の本数が多いものを担当しています。技術的な面では、新型コロナウイルスの影響を受ける前は、月に4回、外部講師を招いてのお稽古があり、基本的な技術から上達の度合いに応じてご指導をいただいていたので、初心者でもまったく問題ありませんでした。しかし、現在は部員それぞれ自宅で出来る範囲の自己練習のみとなっています。今後については、社会情勢や感染症対策等をよく考慮し、外部講師による指導の再開を考えています。
──「琴」と「筝」の違いに教えていただけますか?
橋本:「音程を調整するための『柱(じ)』があるのが『筝』で、ないものが『琴』です。琴和道会では主に、筝と三味線と尺八による三曲という音楽を扱っています。三曲とは、江戸時代から続く日本の代表的な伝統音楽ですが、専門家による芸術音楽としての側面のほか、私たちでも気軽にできる家庭音楽として広く普及しています。
*三曲:日本において、江戸時代から最も普及している3種類の音楽=「箏(そう)曲」といわれる箏(こと)の音楽、「地歌(じうた)」といわれる三味線(しゃみせん)の音楽、「尺八(しゃくはち)」の音楽の総称。