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2020.12.24

100周年特別企画「板橋区 地域書き初め指導」~“全集中”で今年の抱負を!~

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皆さん、大東文化大学が〝書の大東〟と呼ばれていることを知っていましたか。
昨年の5月に30年間続いた元号が「平成」から「令和」に変わり、「令和おじさん」こと当時官房長官だった菅義偉首相が「令和」と筆で書かれた字を掲げたことは記憶に新しいと思います。
なんと、この「平成」、「令和」の2つの元号は、大東文化大学の卒業生が書いたものなんです!

 

 

それ以外にも、今年の大河ドラマ「麒麟がくる」では卒業生の中塚翠涛さん、2017年の大河ドラマ「おんな城主 直虎」は同じく卒業生のMaaya Wakasugiさんがタイトル揮毫をしました。

また、毎年8月15日に日本武道館で行われる「全国戦没者追悼式」の標柱揮毫「全国戦没者之霊」や東日本大震災追悼式での「東日本大震災犠牲者之霊」の標柱揮毫などは新井光風名誉教授の手によるものです。

ここでは一部の紹介しかできませんが、その他、書道部の学生が有名アーティスト、書道教員や職員がドラマや映画の書の演技指導なども行っています。

 

どうですか!驚きませんか?
テレビなどのメディアで見る筆文字は、ひょっとしたら、大東文化大学が関わっているものかもしれませんね(笑)。

 

そんな〝書の大東〟としての始まりは、昭和から平成にかけて書壇に一時代を画した書家の故・青山杉雨教授(文化勲章受章)が1950年代後半より教鞭を執られてからになります。
その後、大学の主旨である「東洋文化の振興」に基づき、書道を社会的に貢献させるため1969年には書道文化センター(現:書道研究所)が開設され、初代所長に青山教授が就任されました。

青山教授が就任されてからは「書道の振興と書技の向上」を目的とし、これまで書道講座や60回を超える展覧会など、さまざまな事業を展開してきました。そんな書道研究所は今年で設置51年と半世紀以上の歴史を誇ります。
また、2000年には全国の大学で初の「書道学科」が開設され、今年で20周年を迎えました。全国で活躍している卒業生も多く、2006年には「書道卒業生の会」も発足されました。
卒業生の活躍と言えば、今年の改組新第7回日展第5科(書)では、最高賞の内閣総理大臣賞やその次の東京都知事賞を始め、入選作(入選率12%)の中から選出される特選10人の内、6人が大東文化大学の卒業生が選出され光彩を放つ結果となりました。


特筆すべきは、2020年3月に退官された髙木聖雨名誉教授(大東文化大学卒)が日本芸術院会員に2020年12月に就任されたことです。大東文化大学書道関係者では髙木名誉教授の師匠である青山教授以来37年ぶりで、書道関係の卒業生としては同大学初の快挙となりました。このように青山教授のイズムは卒業生に脈々と継承され続けています。


※ちなみに、大東文化大学の筆文字ロゴは青山教授によるものです。一部ネットサイトの情報は誤りです。

 

 

100周年に向けた官学連携事業の第1弾

2023年9月20日に迎える大東文化大学創立100周年に向けて、現在理事会の下に設置された大東文化大学創立百周年記念事業推進委員会、100周年+ブランドプロジェクトが始動しています。

そんな中、同時に大東文化大学ではキャンパス所在地である東京都板橋区との100周年記念の官学連携事業を模索していました。
これまでに同大学と板橋区は、2015年に「大東文化大学と板橋区教育委員会との連携に関する協定」を締結しており、今まで、教員を目指す学生が板橋区立小中学校に学習支援ボランティアとして訪問し、学校現場における指導のサポートを行う事業や、大東文化大学で学ぶ留学生を対象とした防災訓練の実施等、さまざまな取り組みを実施してきました。


今回、新たに同大学の教育ブランドの1つ〝書〟による地域連携事業実施との結論に至り、2020年度は「板橋区小・中学校書き初め教室」の実施が決定。去る12月8日に、大東文化大学の講師やサポートスタッフが板橋区立高島第一小学校で3年生から6年生を対象に、12月22日には板橋区上板橋第二中学校全学年を対象に特別授業を実施しました。

本記事ではそんな特別授業のレポートをお届けします。

 

※学年により多少授業内容は異なります。

 

 

書き初めとはなんぞや

子どもたちに書き初めのことを深く知ってもらうために、歴史から説明していきます子どもたちに書き初めのことを深く知ってもらうために、歴史から説明していきます

まず小学生の児童は書く前に予備知識を習います。
書き初めの歴史は古く、一説によると平安時代の宮中行事から始まっていると言われています。書き初めはお正月に行うイメージがありますが、実は元旦に行うものではなく、1月2日に行うのが風習となっています。その理由は、平安時代の宮中行事で行われていたのが旧暦の1月2日と言われており、その風習が今でも変わらず残っているからです。
なぜ書き初めを行うのか。それには2つ理由があります。


①1年間の抱負(意気込み)や目標を定める
②字の上達を祈願(お願い)する

 

書いた書き初めは、最近都会で行うところは減りましたが、1月15日の小正月で行う「どんど焼き」といって神社で正月飾りや古いお札を燃やすときに、一緒に燃やし、その炎が高くあがると字が上達すると言われています。

書き初めに対しての予備知識を学んだ児童たちは一同に「そんなに昔から続いているの!」「おじいちゃんの、おじいちゃん、そのまたおじいちゃんって、どのくらい前のおじいちゃんまで遡るんだろう」、「知らなかったぁ」という反応で日本の伝統文化に感心しきり。

 

書写をするときのポイント

  • 講師の指導を熱心に聞く児童たち 講師の指導を熱心に聞く児童たち
  • 書き始めは午後10時の位置から 書き始めは午後10時の位置から
  • 講師の話を聞きながらいざスタート 講師の話を聞きながらいざスタート

児童・生徒たちが教わったのが、「書写をするときに気をつける」5つのポイント。


①書く姿勢は「正しく」!
背筋を伸ばして姿勢を正しくし目線を高くして書かないと、いい字は書けません。

 

②筆を立てて書く!
筆の毛はとても柔らかく、筆を紙から垂直に立てて筆の毛の弾力を上手く活かしながら書かないと筆を操ることは難しいです。筆を立てるコツは、一番目のポイントに挙げられた姿勢を正しくし、筆を持つ肘をあげること。

 

③「人が書く文字」は、書く人の〝心(気持ち)〟が表れる!
例えば、音楽を聴きながら書くと、クラシックとハードロックでは自然と文字の雰囲気が違ってきます。なので、書く前にはリラックスしましょう。


④大切なことは、ズバリ「無」の気持ち
「いい字を書こう、書こう」とすると、意識するあまり、筋肉が硬直して伸びやかな字の線が書けません。

 

そして最後が、

 

⑤〝全集中〟で書きましょう!
書いている途中で違うことを考えたりして、気持ちが途切れてしまうと、その気持ちが筆に伝わってしまいます。

 

大東文化大学の講師が、今を時めく『鬼滅の刃』のフレーズにあわせて「全集中、水の呼吸…」というとみんな大盛り上がり!
ポイントを理解したので、次は実際に書いてみました。

 

 

実際に書いてみよう!

  • 「友だち」:はじめての書き初めに挑戦の3年生。どんなことを教えてもらえるのかワクワクで元気いっぱいでしたが、筆を握ってからは一変、文字に"全集中" 「友だち」:はじめての書き初めに挑戦の3年生。どんなことを教えてもらえるのかワクワクで元気いっぱいでしたが、筆を握ってからは一変、文字に"全集中"
  • 「美しい空」:4年生になってからは4文字に挑戦!できあがった作品を友達と見せ合って楽しんでいました 「美しい空」:4年生になってからは4文字に挑戦!できあがった作品を友達と見せ合って楽しんでいました
  • 「緑の大地」:さすが6年生!姿勢もバッチリで教わったことをしっかり自分のものにできていました 「緑の大地」:さすが6年生!姿勢もバッチリで教わったことをしっかり自分のものにできていました

 

今回、大東文化大学の特別授業に協力をいただいた板橋区立高島第一小学校と板橋区立上板橋第二中学校では、この日の書き初め授業を待ち望んでいました。

小学3年生は今まで硬筆だったので、今回が初めての書き初めです。大きな書道紙を見て「大きい!書けるかなぁ」という反応。

中学生も大きな書道紙にどのように記していいかバランスにみんな苦労していました。

そこは講師陣、お手本通りに書くための魔法をかけました。それはズバリ、「紙を折る!」。
書き初めの本番では紙を折りませんが、練習では紙を折って書くと書きやすいと知った児童・生徒たちは、どの学年も「知らなかった」と驚いていました。

まずは1枚書いてみます。

 

ここでいったんお手本
  • 教科書のような文字に、子どもたちも思わず拍手 教科書のような文字に、子どもたちも思わず拍手
  • ひらがなは小さめに!文字のバランスにも注意を向けてみるといいかも ひらがなは小さめに!文字のバランスにも注意を向けてみるといいかも
  • 出来上がった書作を見本に 出来上がった書作を見本に

その後、講師が一字一字のポイントを解説し、書画カメラを使って書き方見本を見せるとみんな興味津々。

学年によっては、講師が一画書くごとに拍手!講師は児童・生徒からエールをもらいながら書いていました。

文字のポイントを理解したら、みんなでもう1枚書いてみます。

1枚目と比較すると、見違えるほどの上達ぶり!担任の教諭や児童・生徒自身も驚きを隠せませんでした。

時間はあっという間にすぎて、特別授業は終了。

 

 

授業を終えた子どもたちの感想は!?
  • 1枚目と2枚目を比較すると、上達ぶりは歴然 1枚目と2枚目を比較すると、上達ぶりは歴然
  • すっかり書写に夢中の児童たち すっかり書写に夢中の児童たち
  • 勢い良く挙手する生徒たち 勢い良く挙手する生徒たち
  • 書画カメラとモニターを使って揮毫を堪能 書画カメラとモニターを使って揮毫を堪能
  • 講師に直接アドバイスを受ける生徒たち 講師に直接アドバイスを受ける生徒たち

特別授業を終え、少々興奮気味の児童・生徒たち。
書を通じていったいどんなことを感じたのか、校長先生から二人の生徒に率直な感想を聞いていただきました。


まずは、小学校4年生女子から。

「私がこの授業で一番心に残ったことは“無”になることです。無になって字を書くことで字に集中することができ、字のバランスにも気をつけながら書くことができました。
また、“とめ”を意識して字を書くといいと教わりました。最初はうまくいかなかったのですが、腕をまっすぐ書くといいよと言われ、その通りに書いてみると字がかっこよくなりました!
これからは家でも無になり時間を気にせず、たくさん字を書く練習をしたいと思います!」


大人でもなかなか“無”になることは難しいこと。何かに熱中したときの子どもたちの集中力に校長先生も驚きを隠せない様子です。


続いて小学校6年生の男子に聞いてみました。

「今日の授業で一番ためになったことは、字を書くときに半紙を折ることです。半紙を折ることで字の書き出し位置や、とめ・はねの着地点も分かるし、字の大きさや形も分析することができます。さらにゆっくり丁寧に字を書くことを意識すると、以前に比べ格段に上手に書くことができました。今日はまだ教わったばかりなので、個人的にはまだ70点ぐらいの出来だけど、これから教わったことを活かして100点を目指したいと思います!」

 

中学生も興奮気味に話してくれました。

「今日の授業で一番記憶に残っているのは、一画一画の大切さです。とめ・はねの着地点をリズムを意識しながら書くだけで、これだけ上手く書けるものだと思いました。これからもしっかり練習したいと思います」

「行書は筆を止めずに画と画をつなげる気持ちと、手首を動かさずに肘を使って書くと聞いて、その通りやってみたらうまくできて驚きました!」

「線を引く時は、「トンスートン」というリズムで1回筆を立てて毛先を揃えるというのが勉強になりました!」

 

ハキハキした口調に、どこか自信に満ちた様子。この授業を通じて、また一つ成長したようですね。

 

 

校長先生の声

子どもたちの感想に、つい顔がほころぶ校長先生。
最後にそれぞれの校長先生に、この授業の成果や感想についてお伺いしました。

「大東文化大学の文字の専門家の方々から書写を学べたことで『字を上手に書こう』という子どもたちの意識が高まったと感じています。私も児童たちには『文字は心を表す』ということを教えてきましたが、専門家の皆さまからも書写の授業を通じて、具体的な指導を受けられてモチベーションにも繋がったのではないかなと思いました。文字がキレイに書けるということは、自分の自信にも繋がるし、このような書き初め体験が日本の伝統文化を知るきっかけにもなると思います。学校側としてもとても有り難く、子どもたちにとってもいい経験となった授業でした」(板橋区立高島第一小学校)

 

「こういった形で官学連携ができるのは本当に貴重な経験で、生徒たちにとって得難い経験です。校訓『自律』を上級生が書にして残すという取り組みも続けています。外部との交流がなかなかできないこの時期だからこそ、生徒たちにとっても満足いくものになったと思います。2022年4月の本校移転にあわせ、さらに大東文化大学と連携を深めていきたいと思います」(板橋区立上板橋第二中学校)

 
 

おわりに

専門家からの書き初め指導に子どもたち・先生方もご満悦の様子。

 

今年も残りわずかですが皆さんの2021年新しい年の抱負はすでに決まっていますか?

2021年1月2日はぜひ、日本の伝統行事「書き初め」を行ってみてはいかがでしょうか。

 

来年度以降、板橋区との官学連携事業は大きく発展していく予定です。

つねに、”書”という伝統文化の輝きを発信している大東文化大学の活動に、今後も乞うご期待ください!

 

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