活躍する大東人SP

2022.09.13

活躍する大東人100周年記念スペシャル #2 万美さん

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1923年(大正12年)の設立以来、多くの優秀な人材を輩出してきた大東文化大学。
年代も活躍する分野も多様な本学の卒業生たちに、大学時代の思い出から現在の活動スタイルまで、貴重な話をお聴きしました。

 


万美 さん
文学部書道学科 2012年度卒業
書道家

 

 


 

筆にのせた自分の思いを
世界へと伝えていく

その独創的な表現手法の原点は
大学での学び

 


 

 

──大東文化大学へ進学した理由をお聞かせください。

 

万美:小学生の頃から通っていた書道教室の先生が大東文化大学の出身でした。それもあって、大学のことは以前からよく耳にしていたんです。私は高校2年生の時点で「書道家になる」と決めていたので、本学に進むのが自分に向いていると思いました。

 

──文学部書道学科では書作に加え書学も学びますが、どんな印象でしたか。

 

万美:1年次に受講した中国書道史で学修意欲が湧き上がり、試験では99点を取りました。あまりの面白さに解答欄に余計なことまで書き連ねてしまい、その中から一つ誤りを指摘され、それで1点減点です(笑)。自分が今までやってきた書道にはこんなにも深い歴史があり、自分はまだその表面しか見ていないことに気づかされました。

 

──大学での学びを通して成長を実感しましたか。

 

万美:伸びたと思います。豊富なカリキュラムはもちろんですが、先生方の存在が大きくて、「雲の上の存在の書が目の前にある!」みたいな刺激を常に感じていました。書道学科には、楷書、行草書、隷書、仮名、篆書、それぞれの書体ごとに専門の先生が複数いらっしゃるので、多様な解釈を目にすることができます。それは書を志す学生にとって非常に貴重な経験であり、大東ならではの利点です。

 

──その学びは現在の創作活動にもつながっていますか。

 

万美:書道の魅力の一つはその歴史の深さです。それぞれの書体は、時代や文化、環境などの影響を受けて生まれたもの。そういった源流を知ることがとても興味深いと思います。その面白さを一端でも感じてもらえるように、個展では全書体を展示して、空間構成をするようにしていますが、その基礎は大学時代にあります。そういった根本をしっかりと形づくっておかないと、新しい表現、自由な表現は成しえないので、書の基礎・基本を徹底的に教えていただいたことに大変感謝しています。

 

──書道学科には海外研修のチャンスがありますが、参加されましたか。

 

万美:3年次に行った台湾では新たな発見を得ました。揮毫という点でいうと、細かい毛先の表現を大事にする日本人が主に手先で筆を操るのに対し、台湾の人は体全体で書くのです。踊るようなパフォーマンスに圧倒され、私もそんなふうに書いてみたいと思いました。心が綺麗な人との出会いも多く、自身の個展開催を含め、これまでに8回は訪れています。

 

──現在の活動についてお聞きします。

 

万美:個展の開催、イベント出演、店舗の看板(の文字)制作。その他CM出演やパフォーマンスを行っています。現時点では比較的クライアントワークが多いので、今後はアーティストとしての表現、創作を中心に活動を展開したいと考えています。

 

──万美さん独自の書道表現「Calligraf2ity(カリグラフィティ)」について、この表現法に至るまでの経緯を教えてください。

 

万美:小学生の頃からHIP HOPが好きで、いろいろなアーティストのアルバムを聴いてきました。そこでHIP HOPの4大要素と呼ばれるものの一つ、グラフィティに出会ったんです。スプレーで独特な文字を描く、いわばHIP HOP版書道みたいなものですが、「世界にはこんな表現があるんだ」と驚きました。高校生になって、書道の英訳が「カリグラフィ(calligraphy)」と知り、カリグラフィとグラフィティ、この二つのコラボから「Calligraf2ity」という新たな表現の試みを思いつきました。17歳の時です。

※Calligraf2ity=HIP HOPカルチャーの一つであるグラフィティ(graffiti)を、書道(calligraphy)と同じ視覚的言語芸術と捉えた表現手法。

 

──今後の展望についてお聞かせください。

 

万美:「Calligraf2ity」を進化させ、追求していきつつ、今後は私の書く文字=「万美文字(MAMIMOZI)」を世に浸透させていきたいとも考えています。今は絵文字が世界共通で使用されていますよね。それと同等に、「万美文字」という私の書道を世界に広めていく、そんなアーティストになりたいです。

 

 

──グローバルな展開も視野に入れているのですね。

 

万美:これまでいくつかの国で個展やパフォーマンスを行ってきましたが、それではまだ不十分。書道の勉強を続ける、表現し続けることは大前提として、自分自身が他国に行って何かを成すという部分を強化していきたいと考えています。

 

──最後に、後進の方へのメッセージをお願いします。

 

万美:大東文化大学は、都心にも出やすい立地です。それを生かしていろいろな場所を訪れ、違う環境に触れ、そこにあるものを見て、たくさんの人と出会ってほしい。そして今いる世界を見つめ直す、そのことに熱心に取り組んでもらえたらと思います。技術の発達により世界は狭くなったと言われますが、歴史や文化、心の部分までが世界を構成する要素と考えれば、まだまだ広いと感じます。その広さを知り、自分のこれからにつなげていってくれたらと期待します。

 


 

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