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新設の青山杉雨賞に5人が受賞

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市川護理事長より青山慶示氏に感謝状の贈呈

今年度新設された「大東文化大学青山杉雨賞」の授与式が6月5日、板橋校舎で行われ、受賞者5人に賞状、目録、記念品が授与された。また、授与式に先立ち市川護理事長より奥様・青山トク氏(ご欠席)と長男・青山慶示氏に感謝状が贈られた。

同賞は、本学元文学部教授の青山杉雨(さんう=本名文雄=)氏のご遺族から教育研究支援資金の寄付申し出を受けて制定。同学部書道学科、大学院文学研究科書道学専攻に在籍中に学内外の書活動において特に優秀と認められる者に授与される。

渡部茂学長は「青山家のご好意から創設されました青山杉雨賞はそれを授賞する皆さんだけでなく、我々にとっても喜びであり誇りであります。これを契機にさらに精進されて、賞の名に恥じない業績を上げられることを期待します」と称えた。

青山家を代表して長男の慶示氏は祝辞で「書というものは漢字文化圏で発展しているもので、近年は日本と中国の間で書道の文化交流が盛んになっている状況です。そうしたなか今回の受賞者に中国からの留学生が含まれているのは、大変うれしく大きな意味があると思います。これを励みに書道のために頑張っていただきたい」と述べた。

受賞者と受賞理由は次の通り(敬称略)

福井 淳哉(09年度文学研究科博士課程後期課程書道学専攻修了)

博士課程に在籍中の6年間、前向きな学習意欲をもって研究に励み、2009年度には「藤原佐理論考~日本書道史における佐理書法の特質とその位置付け~」に対し書道学博士の学位が授与された。また、06年度書学書道史学会での研究発表、第40回、41回日展に入選するなどの実績が評価された。

王 力軍(同)

2009年度に書道学博士の学位が授与された。その大きな業績が評価され、中国山西大学美術学院の専任講師として着任することが決まっている。今後、大東との交流を進めていきたいと考えており、今後の活躍にも期待される。

森 勇翼(同)=ご欠席=

書道学科入学以来高い目標を常に掲げ、その目標達成のために全力投球を続けてきた。大学院進学後もその姿勢は変わらず、修士論文も労作であり、第25回読売書法展において入選、第26回において秀逸を、社団法人全日本書道教育協会主催書教展にて第93回会長賞、第94回読売賞を受賞している。

永田 小夜子(09年度文学部書道学科卒業)

学位授与式において副総代を務めるなど学生時代の成績が優秀、また大東文化大学主催全国書道展授賞式で連年司会の大役を果たした。第72回謙慎書道会展で公募・評議員での最高賞である推薦顧問賞を受賞し、今後の活躍に期待できる。

渡邉 亮太(同学科4年)

授業態度もよく、書作に対する姿勢に非常に好感が持てる学生である。第25回~第27回読売書法展にて入選、第70回、71回謙慎書道会にて秀逸、第72回同展にて謙慎賞を受賞するなど、年々表現力に進化が見られ、今後も期待される。

青山杉雨氏は1912年愛知県名古屋市に生まれ、親類の中に書道家がいたことから書の道へと進み、30歳で書道家の西川寧氏に師事し、本格的に書家の道を歩みはじめた。
55年4月から、本学の講師となり、59年から86年まで教授をつとめた。69年から85年の16年にわたり本学書道文化センター(現書道研究所)の初代所長をつとめ、松井如流氏、熊谷恒子氏、今関脩竹氏、宇野雪村氏、浅見筧洞氏らとともに大東書道の礎を築いた。
青山氏は、63年に『周易抄』で日展文部大臣賞を受賞したのをはじめ、65年には『詩経の一節』で日本芸術院賞を受賞。また、謙慎書道会理事長を歴任する傍ら、伝統の書に立脚しながら現代感覚の高い独自の方言様式を確立し、さらには後進の指導や団体の育成、国際交流にも尽力したその功績が認められ、88年に文化功労者、92年文化勲章を受章。

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