研究所の活動/Report
平成30年度冬季「研究班報告会」
平成30年度冬季「研究班報告会」
日時 | 平成30(2018)年12月1日(土) 13:00~ |
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会場 | 板橋校舎2号館2階 2-0221会議室 ※聴講自由 |
報告1 13:10~13:40
題目 | 言語変化と言語理論-英語の受動文の場合 「言語学・文献学」研究班 |
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報告者 | 猪股 謙二 |
第一研究班のテーマは「言語変化」です。4名の研究員は独自の視点でそれぞれの言語を題材としてこの問題に取り組んでいる。言語は常に変化する潜在性を備えており時間と空間の要因が関与すれば必ず言語変化は生じる。この変化の在り方は形式と意味の両面にわたり様々な分野において多種多様な変化が生じる。この報告では英語の受動文の歴史的変化を他言語との比較対照によりその歴史的構造変化のあり方を考察する。英語の受動文は能動文から導き出される規則的な構文ですが他言語の変化と対照することによりその特徴が顕現する。
報告2 13:45~14:15
題目 | ”学校-地域連携”をめぐる政策展開とその現段階 |
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報告者 | 仲田 康一 |
本班は、「コミュニティの学びと学校」をテーマに研究を進めてきましたが、その前提として、コミュニティという言葉の多様性を意識する必要があります。この発表では、「学校と地域の連携」を進めようとする近年の教育政策と教育実践を分析し、その中で語られる「地域」(コミュニティ)概念に込められた複数の含意を取り出し、その力点の変化を跡づけます。ここ20年あまりの教育政策は激動の中にあり、そうした政策環境が、「地域」(コミュニティ)という概念にも大きく影響を与えていることを示した上で、今後の教育実践に求められる課題にも触れたいと考えています。
報告3 14:20~14:50
題目 | 軍服を脱いだ鷗外 ~青年森林太郎のミュンヘン |
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報告者 | 美留町 義雄 |
ドイツ留学時代の森鷗外、特にベルリンと彼の関わりは、従来、主に『舞姫』研究を通じて論及されてきた。しかし、鷗外のドイツ体験全般を考慮した場合、彼のベルリン滞在のみを扱うことは、実相の片面だけを捉えることになる。なぜなら当時のドイツは、形式こそ「ドイツ帝国」として統合されていたものの、各州は独自の主権を確保して分立し、特にミュンヘンを中心とする南ドイツは、バイエルン王国としての形態を維持した自治国家として存在していたからである。1886年、鷗外はかの地に一年ほど滞在していた。
本発表では、帝都ベルリンとは全く異質な、バイエルン王国の首府ミュンヘンに焦点を当てる。北ドイツの軍事・官僚国家プロイセンとは異なり、バイエルンでは芸術を深く愛する王が代々君臨し、敬虔なカトリック信仰と南国的な開放性が表裏一体となった、独自の文化圏を形成していた。鷗外はその都ミュンヘンにおいて、軍務から解放され、自由な私生活を満喫することができた。発表では特に、この時期、鷗外が多くの画家たちと交際していた点に注目し、その体験が、『うたかたの記』をはじめとする彼の文学作品や美術論に与えた影響を論じたい。
報告4 14:55~15:25
題目 | 中国印論の品等における「神品」の特性 |
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報告者 | 川内 佑毅 |
「印論」とは、印章・篆刻にまつわる理論・言説を指し、中国における芸術論の一種である。元の吾丘衍『学古編』を嚆矢とし明末から清代にかけておよそ80種が刊行されており、著者には印人のほか文人や知識階級の者が多く、当該時期における文人士大夫の印章・篆刻に対する認識を著述の面から窺い知ることのできる貴重な文献資料である。印論には風格や技法を品第した記述が散見され、最も高い格付けとして「神品」が挙げられる。印論において「神」は「変化や生動の妙」があることを指し、風格の美を判断する上での重要な基準である。本報告では、明清両朝の印論における品等の「神品」に着目し、印のどのような姿が「神品」としてみなされかを分析し、その特性について考察したい。