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生成系 AI ガイダンス

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1.はじめに

このガイダンスは、学園総合情報センターが生成系AIの利用方法について解説するものです。
本学学生が、過度に生成系AIに依存し、誤った使い方をしてしまうことがないように、このガイダンスを参照して、積極的かつ有効に利用していただけばと考えております。
現状の問題点や正しい使い方を習得し、生成系AIとの向き合い方について、みなさんが考えるきっかけとしていただければ幸いです。

2.生成系 AI とは何か?

ChatGPTの最大の特徴は、「自然言語」(人間の言葉)でやりとりのできるAI(人工知能)という点です。
これまでも、チャット画面やスピーカーなどを通じて話しかけることのできるAIは存在しました。
ただし、その回答は定型的で、連続的な対話は苦手でした。一方、ChatGPTは、前後のやり取りの文脈を踏まえた受け答えが可能です。与えられたデータから、新たなデータ(文章や画像)を作り出すことができます。このようなAIを、「生成(ジェネレーティブ)AI」と言います。(図1)

 

GPT Generative Pre-trained Transformer
事前学習モデル 生成 事前学習 学習モデルの種類

 (図1)

 

元々、GPTは、開発者向けに提供された文章生成AIモデルでしたが、一般ユーザーが使えるように、開発元(OpenAI)がプログラムを作成して、サービスとしてリリースしたものがChatGPTです。
ChatGPTには、大規模言語モデル(LLM)が搭載されています。インターネット上から収集した膨大な言語データを元に、事前トレーニングをおこなっていることが特徴です。
ChatGPTでは、このAIモデルを基に、次の文脈に最もふさわしいと考えられる言葉を統計的に予測して回答します。LLMの開発が先行していたのは、グーグルです。グーグルは、2017年にTransfomer を開発し、自然言語処理(NLP)の能力を飛躍的に高めました。ただ、倫理的な観点から、サービスの展開に慎重でした。その後、マイクロソフトがOpenAIに出資して、サービスの展開を図り、今日に至ります。
ChatGPTを支える技術について、概念図を作成しました。(図2)

 

今までのインターネット検索は、直接、検索エンジンへテキストデータ(単語)を入力して、回答を得ていました。これに対して、生成系AIは、AIが事前に学習した内容を蓄積して、質問された内容について、人間のような「会話」で回答が得られる仕組みになっています。
GPT3.5は、2011年から2022年初頭までのインターネット上の情報や、一部、テキストデータ(およそ500GB)を学習しています。そのため、「最近の話題」や「とても古い話題」については、正確な回答を得ることはむずかしくなっています。

(図 2)

3.従来の文章系ATとChatGPTの比較

従来の文章系ATとChatGPTを比較しました。 (表1)
ChatGPTが注目されるのは、少ない情報を膨らませて、新たな答えを生成する創造性や、自然な会話のように、連続して質問ができる点です。また、生成される文章のクォリティも向上しています。

 

 (表1)

従来の文章系AI ChatGPT
文章を抽出して、要約する 少ない情報を膨らませて新たな答えを生成する 
ルールに従って、予め想定した回答をする  会話のように連続して質問が可能
生成される文章は定型的 生成される文章のクォリティが高い 

4.生成系AIでできること

文章作成、校正、翻訳、プログラミング、作詞等をおこなうことが可能です。
生成系AIを利用する際に、入力する文章を「プロンプト」といいます。
ChatGPTでの生成は、プロンプトの質が生成物の質に直結するため、望む結果を得るために適切なプロンプトを入力する必要があります。

 

使い方の一例
ChatGPTでは、プロンプト(指示)次第で、回答の質が変わっています。

  • ChatGPTによる回答を鵜呑みにせず、情報源や情報の正確性について再確認して利用する。
  • 事実関係を確認した文章を元に、作文や要約をさせてみる。

ことをオススメします。また、以下のようにすることで、より回答の精度を高められる可能性があります。

 

  • 「○○文字以内で」というように、前提条件を伝える。
  • 「あなたは○○です。」というように、ChatGPTに役割を与える。
  • 「箇条書きで回答してください。」というように、回答の形式を指定する。

 

その他、一文を短く、できるだけ具体的に伝えることもコツです。
このような条件付けをおこなうと、回答の精度が上がります。
また、再度、同じ質問をしたり、聞き方を変えると、違う回答を得ることも可能です。

5.アカウント登録と利用方法

  • ChatGPTの利用について
  • Microsoft Bing AIチャットの利用について
  • Google Bardの利用について

 

それぞれのマニュアルを参照して、ユーザー登録をおこなってください。
参考まで、ユーザー登録の要/不要や携帯番号の登録についてまとめました。(表2)
※2023年5月19日現在

 

(表2)

  ChatGPT Bing AI Google Bard
 ユーザー登録  必要  不要  必要
 携帯番号の登録  必要  不要  不要

6.利用上の注意

「個人情報や秘密情報漏洩」「誤った情報の利用」「著作権侵害」に注意してください。

 

講義等のレポートで使用可能かどうか、また使用可能である場合でも、必ず教員の指示に従ってください。仮に利用が許可されている場合でも、ChatGPTの結果をそのままレポートするのではなく、様々な観点から吟味して、必ず「自分自身の言葉」でレポートを構成することを心がけてください。

 

その他、以下の点に注意してください。

 

  • 個人情報や機密情報は入力しない
    個人情報が漏洩しないように気をつけてください。プライバシー保護には、十分な注意を払ってください。
  • 出力の信頼性は保証されない
    必ず、自分自身で信頼できるものかどうか?事実関係の確認をおこなってください。
  • 著作権侵害に注意する
    OpenAIがAIトレーニング(機械学習)するために、参考にした大量の文章および画像などのコンテンツが利用許諾なく使われている問題が指摘されています。米国の一部の主要メディアやクリエイターは、利用許諾なく機械学習に使用されたため、OpenAIに抗議をおこなっています。
    日本では、著作権は、著作者の「創作意図」と「創作的寄与」がある場合に発生します。が、現在、各国の法整備などが追い付いていないため、国により対応や姿勢が異なります。
    最悪、知らずに著作権を侵害しているケースも考えられます。

 

生成系AIは、現在、発展途中のサービスです。
その「限界」と「信頼性」に注意した利用を心がけてください。
多くのメリットを提供するものの、その限界も理解して適切な使い方を心がけてください。
グーグル検索のように、情報を収集して「その先を自分で考える」ために、生成系AIを活用するのは、良い利用方法だと思います。
ただし、生成系AIは「考えるフェーズ」まで代替することができてしまいます。
生成系AIに頼りすぎると、自分で文章を書く能力が低下して、頼りっきりになってしまう可能性も否定できません。
自分の頭で考え抜く「自考力」を養うために、皆さんは大学で学んでいることを忘れないでください。

マニュアル

参考