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「青山杉雨の眼と書」展 東京国立博物館にて開催

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書の巨星と中国書画コレクション

戦後の混乱期を経て、書壇の激動の時代にあって常に先見性を持ってあたり、日本の書文化の美意識を確かな方向へと牽引された近代書道の巨星・青山杉雨先生(1912-1993)。今年平成24年は生誕100年に当たり、それを記念して東京国立博物館・平成館において7月18日より9月9日まで「青山杉雨の眼と書」展が開催されることとなりました。
青山先生は師、西川寧先生の提唱された古典主義を継承、実践し、篆隷をはじめ行草書の各書体各々の分野で独自の書境を構築、生涯を通して教養主義と表現主義の狭間で自らの美学を磨きあげ、書のモダニズムを確立されました。
又青山先生は生前意欲的に中国書画や文房四宝の蒐集にその情熱を傾けられ、その膨大な数の文物を常に身辺においておられました。その文物の発する「金石の気」をその身に宿して作品に反映させることで、一作一作に常に新鮮な造形を定着させ新たな世界を築き上げたのです。
本展覧会では一作ごとに表情を変える「一作一面貌」の理念により創造された「書」と蒐集した文物を選り分ける鋭い「眼」という二つの角度からスポットをあてることで、不世出の書家・青山杉雨先生の遺した書業を回顧するとともに、先生の目指した「書のモダニズム」とはいかなるものであったかを問う展覧となっています。
青山先生は教育者としても指導力を発揮されており、我が大東文化大学で1959年より教授として31年の長きにわたり教鞭をとられました。青山先生の薫陶を受けた卒業生は数多く、現在の書道界の各分野において活躍されております。その縁もあって、本展に大東文化大学所蔵作品が8月19日まで陳列されますことも付記させていただきます。
書道研究所所長 高木聖雨

東京国立博物館 平成館

会   期:平成24年7月18日(水)~9月9日(日)
会館時間:午前9時30分~午後5時
      (金曜日は午後8時、土日曜・祝日は午後6時まで開館。月曜日休館、8月13日(月)は開館)