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2022(令和4)年度「研究報告会」を2022年11月26日(土)に開催します。

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 対面会場及びWeb会議システム(ZOOM)の併用にて定例の人文科学研究所報告会を開催いたします。研究班員以外にも聴講可能です。希望される方は、①所属、②氏名、③メールアドレスをご記入の上、人文科学研究所(jinbunken★ic.daito.ac.jp)※まで申し込みください。後日招待リンクをお送りいたします。

※メールを送る際は★を「@」に変更してお送りください。

日時

2022(令和4)年11月26日(土)13:00~

会場

板橋校舎2号館 2階 2-0220 会議室 オンライン( Zoom 併用) 開催

所長挨拶

報告1 13:05~13:35

題目

総合的な学習の時間における地域との連携:社会教育施設を活用した特別支援学級との交流及び共同学習

報告者

 田尻敦子/グローカルな学びの変遷(代表:田尻敦子)

研究発表内容

 総合的な学習の時間においては、子どもと地域の実態に応じて、学校で目標を設定し、カリキュラムマネジメントをすることが求められている。特別支援学級や学校との交流及び共同学習の実践も総合的な学習の時間において行われるケースは多い。
すべての教科を紡ぎ合わせるカリキュラムマネジメントや、特別支援教育、地域の人々との連携には、知識や技能、人間関係をデザインする力や経験、時間や費用も必要となる。では、どのようにしたら、経験の少ない若手教員であっても、豊かな実践を行うことができるのであろうか。この問いを探究する過程で、地域におけるもう一つの学びの場である社会教育施設と連携した実践に焦点を当てる。

報告2 13:40~14:10

題目

『論語』「道」字の唐詩における詩語使用について

報告者

 鈴木拓也/東アジアの美学史研究 班(代表: 河内利治)

研究発表内容

 儒教の経典である『論語』には、その思想を構成する術語として「道」が数多く記されている。その中でも「善道(道を善くす)」「貴道(道を貴ぶ)」「謀道(道を謀る)」「達道(道を達す)」「憂道(道を憂う)」という5つの語は、「道」に向き合う君子の姿勢を、孔子が述べた言葉として、後世の士大夫に大きな影響を与えている。本報告では先に挙げた『論語』の「道」に関する語を、唐代の詩人が「詩語」として各自の詩でどのように表現したのか、その変化や展開の一端を明らかにする。

報告3 14:15~14:45

題目

三島由紀夫と安部公房、アダプテーションの特徴

報告者

木村陽子/日本文学における歴史的事象の研究班(代表:美留町義雄)

研究発表内容

 日本文学に脈々と流れる伝統に〈アダプテーション〉がある。和歌の「本歌取り」、先行する物語の「翻案」、本筋に対して創作される「外伝」、さまざまなストーリーが立ち上がる歌舞伎の「世界」など、重層的な〈アダプテーション〉が日本文学の伝統としてある。
本報告では、日本の戦後文学における〈アダプテーション〉作家の代表として安部公房と三島由紀夫を取り上げる。両者は小説だけでなく他のメディア(演劇、映画、ラジオ、テレビ)も活用し、各メディア特性を活かした創作活動を行った。今回の報告では、それぞれの作家の〈アダプテーション〉における特徴を分析した近時の研究について報告する。

報告4 14:50~15:20

題目

『嵯峨本伊勢物語』挿絵考

報告者

 德植俊之/古典文学の享受に関する文献学的研究班(代表:德植俊之)

報告発表内容

 『嵯峨本伊勢物語』の挿絵は、近世に出版された絵入本『伊勢物語』や奈良絵本『伊勢物語』の挿絵に大きな影響を与えたことが知られている。しかし、四十九図ある挿絵の中には、第二図のように絵の内容に不審のあるものも含まれている。『伊勢物語』第二段の後におかれた第二図の絵柄は、第二段の物語の内容と適合しないことがすでに指摘されており、これは初段後半の話を絵にしたものであるとされてきた。こうした解釈は、夙に近世出版の絵入本にも見られる。しかし、画中の人物の描き方等を分析した結果、やはりこれは第二段の物語を絵画化したもので、近世の絵入本等の解釈は誤りであったと考えられるので、その点を明らかにしたい。

閉会の辞