Web会議システム(ZOOM)にて定例の人文科学研究所報告会を開催いたします。研究班員以外にも聴講可能です。
希望される方は、ポスター記載のURLよりお申し込みください。後日招待リンクをお送りいたします。
| 日時 | 2025(令和7)年11月29日(土)13:00~ |
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| 会場 | オンライン( Zoom ) 開催 |
所長挨拶
報告1 13:05~13:35
| 題目 | 中国浄土教の仏身観――唐代景教の「適応論」と関連して |
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| 報告者 | 宮井 里佳/景教資料の総合的研究班(代表:宮井 里佳) |
研究発表内容
「景教資料の総合的研究」班では、景教文献を読み進め、中国唐代の景教の「適応論」と共通する考え方が、同時代の道教、仏教、儒教にも見られることを考察してきました(その一端をIAHR2025においてパネル「Accommodation Theory Contributing to Jingjiao ‘s Understanding of “Religions” in Tang China in Comparison with That in Other Religions」発表しました)。その中で私は中国浄土教の仏身観を取り上げ、初唐の道綽の思想を中心に検討しています。真なる仏(法身)は形をもたない(空)が、衆生が崇敬できる対象として形をもつ仏が慈悲によってもたらされ(報身)、それが阿弥陀仏であるという論です。この仏身観は、中国思想全般に見られる「体用」思想と通底するものであり、だからこそ景教の「適応論」も共通しているということを考えたいと思います。
報告2 13:40~14:10
| 題目 | 漢詩文にみえる能書-詠史詩の事例から- |
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| 報告者 | 髙田智仁/日本および中国の書の多角的研究(代表:髙橋利郎) |
研究発表内容
三筆・三跡をはじめとした書を善くした人々、いわゆる「能書」をめぐっては、藤原伊行が著した『夜鶴庭訓抄』に「能書人々」として挙げたのをはじめ、種々様々に伝えられてきた。無論、現在の日本書道史研究においても大きなテーマとなっている。そうしたなか、これまでの「能書」に関する論及は古人の著述ないしは記録といった散文が中心となってきた。一方で、和歌・俳句・漢詩といった韻文に詠み込まれた「能書」に対しては手付かずの部分が大きい状況にある。本発表では、その一端を明らかとするため、江戸時代後期に流行した歴史を題材に詠んだ「詠史詩」に着目し、江戸時代漢詩人達が詠じた「能書」の様相に言及する。