Department

社会経済学科

学科主任メッセージ

想像力を働かせながら、社会や経済の仕組みを「意識」しよう

写真:学科主任
社会経済学科主任葛目 知秀Kuzume Tomohide

私たちの日々の生活の中には、あまりに当たり前すぎて、まったく意識せず、疑問にすら思わないことがたくさんあります。時と場合によって、これらの一部は「常識」と言い換えられるかもしれません。経済学を含め、皆さんが大学で学ぶ学問の第一歩はそうした日頃、意識していないことをあえて意識し、考えたことがないことをあえて考えてみる、もしくは常識(と言われているもの)を考え直すことから始まります。
例えば、現在、日本は世界中の国々とさまざまな商品やサービスを取引、つまり貿易(輸出や輸入)をおこなっているので、私たちの身の回りには外国製品が当然のように存在します。では、皆さんはそもそも、「日本はなぜ貿易をおこなっているのか」という疑問を持ったことがあるでしょうか?おそらく多くの人々は日本が貿易をおこなっている現実を当たり前と思い、そのまま受け入れ、疑問に思わず、その理由も考えたことがないでしょう。
しかし、いざ考えだすと、解答をすぐに思い浮かべるのは難しいのではないでしょうか。あるいは、人によっては、複数の解答を思い浮かべることができるかもしれません。経済学ではこの疑問を解決する1つのアプローチとして、「貿易をおこなっていない状況(非現実)」を作り出し、「貿易をおこなっている状況(現実)」と比較して、2つの状況の違いを考えていくことがあります。
このように意識していないことをあえて意識し、考えたことがないことをあえて考えてみる、さらには時には現実から離れ、非現実を作り出すためには「想像力」が求められます。もちろん、自由気ままに、また勝手に想像するのではなく、ある程度の知識(と知恵)にもとづいた想像力が必要です。そうした想像力を養うための最も効果的な方法は、何といってもやはり、読書です。読書を通じて、先人たちがこれまでに蓄えてきた知識(と知恵)を吸収し、あらゆる方面に視野を広げ、想像力を伸ばして下さい。そうすれば、経済学を含め、大学で学ぶ学問がきっと深く、そして楽しく学べるはずです。
日頃、読書の習慣がある皆さんは大学生になっても是非、継続して下さい。一方、読書の習慣がない皆さんは、まずは図書館に足を運び、「本棚巡り」をすることから始め、1つのテーマでコンパクトにまとまって記されている比較的短めの新書などから読み始めることを是非、お勧めします。

社会経済学科のカリキュラムで、経済学を体系的・段階的に学ぼう

社会経済学科のカリキュラムでは経済学を体系的・段階的に学んでいけるシステムが構築されています。「経済学の基礎」、「ミクロ経済学」、「マクロ経済学」、「ゲーム理論」といった基礎理論科目の他、「金融」、「財政」、「国際経済」などの応用経済学、また「経済史」、「社会経済思想」、中国・韓国・ロシア・中近東などの「地域経済・社会論」などの歴史・思想・地域など、皆さんの関心に応じて科目を履修することが可能となっています。さらに英語・中国語をはじめとする語学科目の履修を通じて、国際的コミュニケーション能力を養うことも重視しています。

ゼミで「密」な学びを体験しよう

大学の授業には比較的大人数でおこなわれる「講義」の他、少人数で、学生が自発的・能動的に研究・調査・発表をおこない、教員を交えて議論し、論理的思考力やプレゼンテーションも学べる「演習(ゼミ)」があります。経済学部では1年次の「基礎演習」、2年次・3年次の「専門演習」、4年次の「卒業研究」の4年間を通じて、そうした力を身に付けることができます。特に「専門演習」では、バラエティ豊かでオリジナリティに溢れた専門性を持つ約20のゼミから学生が自由に選択できる制度となっています。ゼミの担当教員は、教員としてだけでなく、人生の先輩として、大学生活のなかで皆さんが直面するさまざまな悩みに対して、有益なアドバイスをしてくれるはずです。そして、大学生活を過ごす中で、卒業後の人生を踏まえた自分の「あるべき姿」を見つけて下さい。そして、それに向かって、1歩ずつ、前進して下さい。社会経済学科の教員一同、そのための「お手伝い」ができることを心から楽しみにしています。