今野 亮平 さん
国際関係学部国際関係学科 1998年度卒業
フラワーデザイナー
株式会社ベル・フルール 代表取締役社長
“フラワーデザインの力で世界中をポジティブに“
刺激的な仲間から学んだのは、
失敗を恐れず行動し、
世界に目を向けること
100周年を機に制定されたこの新しいタグラインは、
大東文化大学のあるべき姿を表現しています。
大東文化大学は、創立以来、
漢学をはじめとする様々な文化との出会いを通じて
社会を豊かにすることを目指してきました。
文化と向き合って100年。
地域・領域・時代を超えた多彩な文化が交差し、
出会う場へ。
今日も新しい価値が生まれている。
その真ん中には、いつも、大東文化大学がいます。
真ん中に文化がある。
大東文化大学
活躍する大東人SP
2022.09.21
1923年(大正12年)の設立以来、多くの優秀な人材を輩出してきた大東文化大学。
年代も活躍する分野も多様な本学の卒業生たちに、大学時代の思い出から現在の活動スタイルまで、貴重な話をお聴きしました。
今野 亮平 さん
国際関係学部国際関係学科 1998年度卒業
フラワーデザイナー
株式会社ベル・フルール 代表取締役社長
“フラワーデザインの力で世界中をポジティブに“
刺激的な仲間から学んだのは、
失敗を恐れず行動し、
世界に目を向けること
──現在のお仕事内容について教えてください。
今野:フラワーデザインを通じて豊かなライフスタイルを提案するベル・フルールの代表として、経営はもちろんのこと、2つのブランドの運営と商品の販売、結婚式やイベントの会場装飾、オフィスのディスプレイデザインなどを行っています。大東文化大学地域連携センター公開講座や専門学校、カルチャースクールの講師も務め、フラワーデザインの普及・教育活動にも携わっています。
──なぜフラワーデザイナーを志したのですか。
今野:アメリカに留学中、デザイナーという職種に興味を持ったことが大きなきっかけです。オレゴン州のポートランドという街に住んでいたのですが、当時から洗練された街並みの都市でした。休日に街を歩いたり、アートの本に触れたりするうちに、「将来は何らかのデザインに関わりたい」と思うようになったんです。母がフラワーデザイナーだったこともあり、まずは子どもの頃から身近にあったお花を通じてデザインに触れてみようと、帰国後にフラワーデザイナー検定3級を取得したことが、この仕事の原点になりました。
──これまでのご経歴の中で、印象に残っているお仕事は?
今野:一つは、元サッカー選手の中田英寿さんがプロデュースしたカフェで店舗装飾を担当したことです。私はもともとサッカーが大好きで、以前グラフィックデザイナーとして働いていた会社の採用選考でも「プロのデザイナーになって中田英寿さんと友達になりたい」と語ったくらい、中田さんに憧れていました。フラワーデザインのプロとして、憧れの存在と肩を並べて仕事ができたことは、人生のターニングポイントとなりました。
──もう一つのご経験についても、詳しくお聞かせください。
今野:コロナ禍の2020年に、世界中で愛されているアートフラワーブランド「エミリオ・ロバ」をM&Aしたことです。エミリオ・ロバは当時、巨額の赤字を抱え、解散寸前の状態でした。ここで誰かが買わなければ、世界的ブランドと文化が消えてしまう。これは私がやるしかない、と。周囲からは反対されましたが、ブランドや商品をつぶさに見ていく中で、「エミリオ・ロバなら復活できる」と感じ、M&Aを実行しました。コンセプトやブランディングの統一を図ったことで業績はV字回復。今では商品をつくっている三重県名張市のふるさと納税返礼品で、大人気の一品となっています。
──大学時代の経験の中で、今の仕事に活かせていることはありますか?
今野:刺激的な仲間と出会えたことです。私は会社の経営や人生の岐路において、「失敗を恐れずに行動すること」「迷ったら険しい道を選ぶこと」を実行してきました。このスタンスは、大学時代に出会った友人たちから学んだものです。放送業界で働く友人など、大学で出会った仲間とは良い刺激を与え合っていると感じています。
──今野さんは大東文化大学の付設校のご出身ですね。
今野:はい。大東文化大学第一高等学校は祖母の勧めでした。ですから、すべてのご縁のきっかけは祖母にあります(笑)。祖母に話を聞いて第一高等学校へ入学しなければ、国際関係学部への進学も、友人との出会いやデザイナーを志すきっかけとなったアメリカ留学もありませんでした。高校時代からの一つ一つの選択や出来事がつながって、フラワーデザイナーの私が形成されていると考えると、まさに天職です。
──国際関係学部を選んだのはどうしてですか?
今野:高校の同級生が経済学部などに進学する中で、これまでの人間関係とは異なる環境に身を置きたかったからです。国際関係学部には全国各地からいろいろな人が学びに来ており、お金を貯めてはバックパッカーをする人など、私自身が大きな影響を受けた仲間と出会うことができました。彼らがいたからこそ、大学時代に世界の国々に関心を持ち、視野を広げることができたのだと思います。また、私はインドネシア語を選択してアジアについて学びましたが、現地研修の授業で現地の人や文化に触れたことも、世界の多様性に気づき、視野を広げるきっかけとなりました。
──もし今大東生に戻るとしたら、どの学部学科を選びますか。
今野:次も迷いなく、国際関係学部を選びます。この学部での学びに何一つ後悔がなく、満足しています。でも、もう一つだけ学科を選べるとしたら、大東文化大学ならではのスポーツ科学科にも興味がありますね。
──今野さんの今後の目標について教えてください。
今野:今後は世界市場を視野に、お花の力で世界中をポジティブにしたいと考えています。2011年の東日本大震災のあと、人々がお花に癒やしや安らぎ、元気をもらったことを肌で感じ、フラワーデザインには老若男女問わず多くの人を幸せにする力があるとあらためて確信しました。私たちのブランドが目指すのは「フラワーデザイン界のルイ・ヴィトンやエルメス」。目標へ向け、私自身のスキルアップはもとより、社員の多様性も一層高めていきたいです。
──最後に、後進の方へのメッセージをお願いします。
今野:これからの時代は、自分自身で考えて行動する「クリエイティビティ」が重要です。自分なりの意見や考えを持ち、自律的に行動していくためには、失敗を恐れないこと。SNSを開けば成功体験ばかりが目に入り、失敗を回避したいと思いがちですが、人生の成功や正解は本来人それぞれのはず。もし皆さんが人生の岐路に立ったときは、「綺麗に整った正解っぽい道」よりも「険しくて大変そうな道」を選んでもらいたい。その先には、きっとこれまでの人生で見たこともない景色があるはずです。たくさん学び、たくさん遊び、自分の人生を切り拓く力を身につけていってほしいと思います。
【活躍する大東人100周年記念スペシャル】
今野亮平さん メッセージ動画
フラワーデザイナー
株式会社ベル・フルール 代表取締役社長
(国際関係学部国際関係学科 1998年度卒業)