活躍する大東人SP

2023.02.24

活躍する大東人100周年記念スペシャル #10 原 和世 さん

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1923年(大正12年)の設立以来、多くの優秀な人材を輩出してきた大東文化大学。
年代も活躍する分野も多様な本学の卒業生たちに、大学時代の思い出から現在の活動スタイルまで、貴重な話をお聴きしました。

 


原 和世 さん

国際関係学部国際関係学科 1998年度卒業
アジア地域研究科アジア地域研究専攻博士課程前期課程 2003年度修了


公益財団法人大学基準協会 評価研究部部長
学校法人大東文化学園 監事


 

学生時代に培った国際感覚を活かし、質保証を通じて日本の大学の国際化に尽くしたい。

 

 

──現在のお仕事の活動内容をお聞かせください。

 

:日本の大学の評価を行う民間団体に所属しています。入職後は長く認証評価の事務局を担当していましたが、現在は主に国際化業務に携わっています。具体的には、海外の評価機関との共同プロジェクトや調査研究の実施、スタッフ研修の企画・実施、評価結果や評価基準の英訳などを行っています。

 

──仕事をするうえで心がけていることは何ですか。

 

:各大学の「特色」を探して、それを伸ばすための評価を行うことを意識しています。毎年3月に大学の評価結果を公表しますが、その際社会が注目するのは、どうしても評価が芳しくない大学です。けれど私はそういったマイナスの部分より、各大学が力を入れて取り組んでいるところを見てほしいと思います。

 

──入職時、志のようなものはありましたか。

 

:正直なところ、あまりありませんでした。ただ仕事を続けていくうちに、日本の大学の発展、国際化に少しでも寄与したい、そんな気持ちが生まれていきました。現在もその気持ちを持って業務に取り組んでいるところです。

 

──大東文化大学での学びや体験は、今の仕事に活かされていますか。

 

:私は、高校3年間をスイスで過ごし、日本の大学でアジアのことを学びたいと思い、国際関係学部を受験しました。当時の国際関係学部では、2年次に4週間の「現地研修」が行われていました。それに参加するのが入学目的の一つでした。東アジア地域を研究対象とした私は、中国語を選択し、中国・北京大学での「現地研修」に参加しました。そのときに、現地で語学力と国際性を磨くことができたと思います。現地の学生と交流する機会を持てたのは、広い意味で今の業務にも役立っていると感じます。

 

──海外だけでなく、大学内でも人との交流から学ぶものはありましたか。

 

:ゼミでお世話になった広瀬崇子先生はとてもエネルギー溢れる方で、研究対象であるインドやパキスタンでの現地調査のお話を伺い、その行動力に憧れました。授業も魅力的で、研究地域を中国からインドに変更したほどインド政治に惹かれていきました。友人は、「心赴くまま」な人が多かったです。「最近キャンパスで見かけないな」と思っていたらアジア諸国を旅行していたり、インドに留学していたり。先生も友人もとにかく個性的な人が多くて刺激になりました。そんな環境には失敗も成功もすべて経験という雰囲気が漂っていて、そのせいか、社会人となった現在も、「とりあえず面白そうだからやってみよう」という考え方で動いています。台湾・タイとの共同認証プロジェクトを立ち上げたときにも、海外の評価機関との共同認証を行っている団体は日本にはなかったのですが、海外の評価を知りたい、日本の大学の国際化を促す評価はできないかという思いで、チャレンジしました。部長になった今でも、自らが動いてみることを大切にしていますし、一緒に働くスタッフにもそうすることを勧めています。

 

──振り返ってみて、大東文化大学はどんな大学だったと感じますか。

 

:「東西文化の融合」をはかることを建学の精神とし、アジアに特化している大学ですので、自分の興味関心とも合致している場所でした。実際に入学してみると、先の「現地研修」を含め、カリキュラムが充実していたと思います。中国語には苦労しましたが、サポートも手厚く、学生が満足いくまで学べる環境であったと思います。その部分は、きっと今でも変わりないものと信じています。

 

──これからの大東文化大学にどんなことを求めますか。

 

:私の学生時代よりも学部が増えて、より総合大学化していると感じます。それはまた、さらなる発展の可能性を秘めているということでしょう。大学には日本とアジア、そして世界をつなぐことに重きを置いて、ますます発展していってもらいたいです。また、学生が国際的な視野の広がりをこの大学で得られるような教育環境が提供されることを卒業生として願っています。

 

──今後の目標について教えてください。

 

:一つ目は日本の大学で学ぶ学生が、その大学を選んで良かったと思えるように評価を通じて大学を支援することです。日本の大学で学びたいという海外の学生も増えてほしいですし、そのためには日本の大学の国際的な質保証も重要になってくると確信しています。そうした部分で大学での経験や就職してから培ってきた経験を活かして、日本の大学の国際化、国際的な質保証に貢献していきたいです。二つ目は、現在進めている台湾・タイ・日本の共同認証プロジェクトにおいて、より多くのアジア圏の国に参画してもらうことです。海外の大学関係者から評価を受けることで、日本の大学の国際化もさらに進んでいくでしょう。

 

2019年11月に訪れたカンボジアのアンコールワット(2泊4日で参加した国際会議の最終日)2019年11月に訪れたカンボジアのアンコールワット(2泊4日で参加した国際会議の最終日)

──最後に、後輩たちへのメッセージをお願いします。

 

:社会人になると、どうしても学ぶ時間が限られます。ですから自分の知見を広げるためにも、学生時代に多くの本を読み、多くの人と関わることをお勧めします。それから、ぜひ海外を旅してほしいです。私は、出張時に時間を見つけて、美術館巡りをしたり、屋台でローカルフードを食べたり、現地の文化に触れるようにしています。オンラインでは味わえない、異国の空気感や匂いなどを自分の肌で感じる経験は、きっといつまでも思い出に残り、自身に何かしらの影響を与えてくれると思います。

 

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