学生取材企画

2023.12.19

【学生取材企画】動画コンテスト受賞者インタビュー《第1弾!》 阿部真大 さん& 菅原直矢 さん

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 2023年9月17日に行われた創立百周年記念式典にて、「大東文化100周年学生動画コンテスト」が開催されました。本学の学生が各々に “忠恕の文化” というテーマを解釈し、動画を制作しました。本記事では6名の受賞者へのインタビューを通して、制作者がコンテストに込めた想いや制作の裏側、そして作品の魅力をリポートします!

 今回《第1弾!》では、グランプリの阿部真大さんと、準グランプリの菅原直矢さんを取り上げます!

グランプリ 阿部真大 さん

阿部真大さん阿部真大さん

▶ 法学部政治学科

▶ 作品名:「Always beside you」
作品URL( https://youtu.be/RAFVmIY7MQM

▷ 構成・編集:阿部真大

 

 

──「大東文化100周年学生動画コンテスト」にエントリーしたキッカケは?

 とある教授から「大東文化100周年学生動画コンテスト」の開催を教えていただいたことがエントリーのキッカケです。私は、2022年の8月(2年生の夏休み)頃から3DCGを用いた映像制作を趣味にしていたので、その趣味を活かせる絶好の機会であると考え、エントリーに向けて作品の制作を始めました。

── 作品のこだわりポイントは?

太平洋戦争前後の本学の様子を表現したシーンです。そのシーンをカラーで3DCG化するために、当時の資料や文献を調べました。しかし、白黒写真しか残っていなかったり、昔の文体のみで記録されていたり、写真や文章にも記録されていない言い伝えばかりでした。そのような曖昧な情報をかき集めながら、当時の校舎の雰囲気、生活感、悲壮感など、想像を織り交ぜながら工夫をこらして表現しました。

── 作品を制作する上で大変だった点は?

 一人で映像の全てを制作しなくてはいけなかったので、業務量が多くて大変でした。また、期限に間に合わせるために、計画していたシーンを割愛しなければいけなくなりました。今あるシーンの中でどんな意味を持たせるのかを考えるのが大変で、映像が少ないからこそ、その少ない映像の中に情報や想いを詰め込みました。

── 作品を通して、本学の学生に伝えたいことは?

 「大学の授業って面倒くさいな〜」「バイト嫌だな〜」「資格勉強しないとな〜」と思っている学生は少なくないのではないでしょうか。もちろん私もその一人でした。しかし、今回の作品を制作するなかで「今の学生たちの苦労は、戦時下の学生たちの苦労に比べればすべてたいしたことない」と考えるようになりました。だからこそ、今の状況に感謝しながら、毎日を大切にして欲しいです。

──「大東文化100周年学生動画コンテスト」で得たものは?

 グランプリの称号。人生初のトロフィー。周りの人たちからの褒め言葉など、多くのものを得ましたが、中でも両親から認めてもらったことが1番大きいです。私の両親は、私が映像制作を仕事にすることに否定的でしたが、グランプリを受賞した日から一転して応援してくれるようになりました。「大東文化100周年学生動画コンテスト」にエントリーして本当に良かったです。

── あなたが思い描く、100年後の大東文化大学の “スガタ” は?

 私の希望でもありますが、他の大学がやらない “変わったことに挑戦し続ける大学” であって欲しいです。独学で1年間も3DCGをやる変わり者の私が、グランプリという素晴らしい称号をいただきました。周りと同じ生き方をすることも素晴らしいですが、少し変わったことに挑戦したり、新しい物に触れてみたりすることが、意外にも一生の仕事になる時代がやってきていると思います。大学の授業だけでなく「大東文化100周年学生動画コンテスト」のような授業の枠にとらわれないイベントが用意されていると、大東生の新しいスガタや個性が見つかるはずです。私が120歳になったときに、個性ある後輩たちの活躍をみたいです。

準グランプリ 菅原直矢 さん

菅原直矢さん菅原直矢さん

▶ 文学部教育学科

▶ 作品名:「Courage」
作品URL( https://youtu.be/R0_oljoD0Bg

▷ 構成   :菅原直矢
▷ 撮影・編集:尾崎春佳
▷ 作詞・作曲:阿部太一 水上稑斗
▷ 出演   :恩田まみ 北崎大輝 菅原直矢 計屋あゆみ 廣神圭 前島初美 Maxime Imbeault

──「大東文化100周年学生動画コンテスト」にエントリーしたキッカケは?

 僕は本学の経済学部を卒業した後に、小学校教諭を志すようになり、教職課程科目を履修するために本学の文学部に入り直しました。本学の教育学科には熱心な先生が多く、どの授業も面白くて学校生活には満足していました。ですが学生生活を過ごす中では経済的に厳しいときもあったため、「大東文化100周年学生動画コンテスト」のポスターを見て、エントリーしてみようと思ったんです。

 コンテストへのエントリーを決意するとすぐに仲間集めに奔走しました。僕はダンスを通して、沢山の仲間に出会いました。「いつか皆を巻き込んで面白い事をしたい!」と考えていたので良い機会でした。作品中のラップを作曲してくれた阿部太一君と、新宿の思い出横丁で安いキムチ炒飯とビールを分け合いながら「賞金を取ったらなにしよっか?」と妄想を膨らませてはしゃいでいました。完全に取らぬ狸の皮算用でしたね(笑)

── 作品のこだわりポイントは?

 主人公(演者:僕)の表情の変化にこだわっています。1曲目、2曲目、ラストシーンのそれぞれ3つのシーンを演じ分けています。1曲目の冒頭シーンは白黒で分かりづらいのですが、シャツにシワを付けてダラシなさを演出しながら、猫背で浮かない表情を意識しました。2曲目は一変して、服装も変えて爽やかさを全面に押し出しました。僕は真剣に演じていたのですが、違和感を感じた仲間たちは爆笑していましたね。ラストシーンはスーツ姿で4年生の就活時期をイメージして、落ち着いてマジメな雰囲気を意識しました。猛暑の中でスーツを着用した撮影は大変でした(笑)

 これは裏話ですが、作中に主人公(僕)がベンチに座って本を読んでいるシーンがあります。実は、その本は岩波文庫の『論語』で “忠恕” について書かれているページを読んでいます。小さなこだわりポイントです。

── 作品制作で大変だった点は?

 大変だったことは3つあります。1つ目は、楽曲の完成が遅れてしまい、ダンスの練習が1度しかできなかったことです。当初の計画では、楽曲は6月末に完成する予定でしたが、僕の説明不足で仲間を混乱させてしまい完成したのは7月初めでした。そのため、撮影当日に初めて顔を合わせることとなってしまいました。しかし、日々ダンスの現場で活躍している仲間たちだったので、私の指示にも臨機応変に従ってくれて、笑いを絶やすことなく撮影を終えました。

 2つ目は、撮影当日の40度を超える気温によって、カメラが不具合を起こしてしまい撮影計画の3分の2を撮り終えた時点で、撮影が出来なくなってしまったことです。リスケジュールができない切羽詰まった状況でしたが、カメラマンの尾崎春佳さんのプロの技術によって持ちこたえられました。撮影が終了したときは本当にほっとしました。

 3つ目は、出演者のMaxime Imbeault君と繋がるまでの過程です。演出のために留学生と知り合う必要があり、東松山キャンパスの4号館で行われているランチミーティングに参加しました。見渡す限り日本人は僕だけで、最初は話しかけられずに部屋の隅っこでコソコソとお弁当を食べていました。それでも繰り返し参加していると段々と慣れてきて、顔見知りが増えていき「次こそは!」と勇気を振り絞って声をかけたのが、フランスから留学してきていたMaxime Imbeault君でした。僕の拙い英語に長身の身体を折って耳を傾けながら、出演オファーを快く受け入れてくれました。勇気を振り絞って良かったと思います。

── 想い入れのある歌詞は?

 歌詞は、本学が発行する雑誌や『大東文化大学が歩んできた道』を参考にしました。1曲目の前半部分には “1920年代の自国の文化を軽視した日本” と “自信を失った少年” を重ね合わせて「どこにある君のアイデンティティ」という歌詞を書きました。また最後の歌詞である「1923歴史が動く 大東文化学院が設立 自文化守るため 立ちあがった先人の精神が未来を拓く 震災乗り越え文政から 大東文化止まらない進化 ここに集うのは情熱 伝統と革新の大東」は “大東文化大学の変遷と伝統を重んじる姿勢” と “現代の大東文化大学の勢い” を表現しています。1曲目のラップを担当してくれた水上稑斗君は、僕の無理な要求にも繊細に対応してくれて本当に感謝しています。

── ラストシーンに込められた想いは?

 脚本では、大東文化大学に入学したての学生が新しい仲間と出会い、仲間と共に学びを深めていくうちに “一歩踏み出す勇気を得る” という展開でした。1曲目は1年生、2曲名は2・3年生、ラストシーンは4年生をイメージしています。主人公が本学での4年間を通じて、どのように成長していくのかを表現しました。その意味では “本当の主人公は大東文化大学” です。

 そんな作品には、僕の経験が強く反映されています。僕は学部と学部を渡り歩く中で、多くの先生や大学職員の方々にお世話になっています。僕自身も本学に育てていただいている意識があります。「大東文化大学に入って良かった」と心から思っています。僕は大学選びを迷っている高校生にこそ、この動画を見て欲しいです。 本学の “歴史”、“建学の精神”、“学生の活気” を伝えられると思います。

──「大東文化100周年学生動画コンテスト」で得たものは?

 仲間との信頼関係です。特に信頼関係が深まりを感じたのは、撮影中にやりたくないことをしっかり言ってくれたときでした。書道をダンスで表現するシーンを撮影する際に「袴を着て、書道用品を持って、裸足で踊って欲しい」と伝えました。すると、そのシーンを担当する前島初美さんは「書道をやっている方に失礼だから、それは嫌です」と言いました。そのとき、僕はハッとしました。撮りたい映像を優先するあまり、書道をしている方への尊敬の念を忘れてしまっていたのです。見落としていた視点を得ると同時に、僕の要望に対してしっかりと考えて、意見を述べてくれることが嬉しかったです。時には、仲間の意見にハッキリ「NO」と言うことも信頼関係を築く上では大切だと学びました。だからこそ、獲得した全ての賞金は仲間たちに渡しました。もっと良い人間関係を作り、さらに多くの人を巻き込んだ面白いことをやりたくなったからです。今回の賞金は、そのための投資になってくれるはずです!

 また、「大東文化100周年学生動画コンテスト」授賞式で、高橋進学長から「菅原さんの作品を見た時に感動して涙が出ました」と言っていただけて、涙が出るほど嬉しかったです!いつか僕が教壇に立ったときに、生徒たちに自慢したいエピソードになりました。

── あなたが思い描く、100年後の大東文化大学の “スガタ” は?

 100年後の大東文化大学ですか!22世紀の世界がどうなっているのかも想像もできないですね。その時々の世界情勢によって、大学の存在価値は変わってくると思うのですが、ドイツの哲学者マルクス・ガブリエル氏の 「私たちは人間でなくなりつつあります。テクノロジーが人間らしくなっているからではありません。テクノロジーを使うことで、人間らしさを失っているのです」という言葉が頭に残っています。僕はこの先の世界は、人間らしく創造的な思考ができる人が活躍していくと考えています。本学の建学の精神は “東西文化の融合による新しい価値の創造” だからこそ、この先の世界における本学の存在価値は高まるはずです。既存の世界に対して、新しい視点や気付きを与えられる面白い人材を輩出する大学になっていると思います!

編集後記

 編集者の田川雪花です。阿部真広さん、菅原直矢さん、インタビューへのご協力ありがとうございました。

 今回の取材を行う中で、改めて大東文化大学の歴史と伝統を感じました。戦争の時代から今日まで100年間を学生と共に歩んできた本学と、4年間という短い時間で成長していく1人の学生の姿。阿部さんと菅原さんの作品を通じて、”学び舎” と “学生” の両方の視点から、本学の新たな一面を知ることができました。

 また、3DCGを作成したり、本格的な作詞作曲やオリジナルのダンスをしたりと、個性溢れる学生がいることに驚きました。これからの本学も、多彩な才能が活きる場所であり続けてほしいです。そんな私の大学生活もあと1年弱になりました。私たちも、本学で学ぶ1日1日を大切に過ごしていきたいですね。

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