板橋区書き初め
2024.03.11
100周年記念事業「板橋区書き初め大会in大東文化大学 2024」の審査を行う
2024年1月26日(金)、本学において「板橋区書き初め大会in大東文化大学2024」の書き初め審査と、審査員による座談会が行われた。
大東文化大学とキャンパス所在地である板橋区は、2015年に「大東文化大学と板橋区教育委員会との連携に関する協定」を締結しており、本学の教育ブランドである“書”による地域連携事業をはじめ、さまざまな取り組みを実施している。
当イベント「板橋区書き初め大会in大東文化大学」は、日本の伝統文化である書道の振興と継承を目的としており、大東文化大学の100周年を記念し板橋区と官学連携事業として板橋区教育委員会協賛のもと、2022年から3年間にわたって実施し今回で最終3回目の開催となった。
前回は感染症対策で2部入れ替え制であったが、3回目となった今回は1月21日(日)に板橋区の小・中学生約300人を一堂に会し、会場の本学体育館を埋め尽くすほどの規模となった。
また、書き初め大会後には、同じく日本の伝統文化である「餅つき」を初の試みで行い、事前に募った参加希望者が想定上回り抽選となった。ついた餅は衛生的な観点から配布せず、餅つき参加者と事前希望した方に本学オリジナル商品「大東まんじゅう」を配布した。
- 揮毫時間
- 全員で記念撮影
- 餅つき体験
審査会
書き初め審査には、板橋区から坂本健板橋区長、中川修一教育長、大東文化大学から高橋進学長と高木厚人書道研究所所長、板橋区観光大使の杉浦太陽さんの計5人が参加し、特別賞作品26点と金賞、銀賞、銅賞が決定した。
作品の多くは文字を大切にし一所懸命に書かれたものばかりで、審査員一同頭を悩ませる場面が多かった。その中で特別賞の26点はきらりと光るものがあり満場一致で決定した。
特別賞作品は3月25日(月)正午から4月1日(月)正午まで板橋区役所本庁舎1階プロモーションコーナーにて展示されるほか、大学が発行する「板橋区書き初め大会in大東文化大学」の開催を記念する新聞(特集号)に特別賞受賞者の作品や全参加者の名前が掲載される。
審査後には審査員による座談会を実施。書き初め大会や審査の話題に花を咲かせた。
座談会
坂本区長は、ここ最近東南アジアの発展が目覚ましく日本への留学生も増加していることを受け、板橋区としては国際化を進め、海外からの人材を積極的に受け入れつつ、よきパートナーである大東文化大学とまちづくりの方向性を追求していきたいと、期待を寄せた。
また中川教育長は、コロナ禍の影響でオンライン学習が一気に普及したが、便利になった一方、文字を手描きする習慣が縁遠くなっている事実を憂い、手書きの文化とデジタルを両立させるために、学校教育からどのようなアプローチができるのかを課題とした。
それを受け高木所長は、社会における書道の在り方も少しずつ変化している中で、書道関係者の高齢化が進んでいたりするなど、ある種の危機感を覚える。これらを乗り越え書道文化を継承していくことが、大東文化大学の務めであると述べた。
杉浦さんも、板橋区に住み続ける生活のなかで感じとったまちの魅力や文化などを、若い世代に向け継続して発信していくことが重要と説いた。
最後に高橋学長より、歴史や文化をつなぐのは「人」の役目であり、今後はこれまで以上に学生たちの育成に力を注いでいく。その足がかりとして「書道」と「スポーツ」の親和性についても探求しがいがあり、超領域的な文化のクロッシング(交差)を実現して、新しい「知」に転換していく、と展望を述べた。
- 坂本健板橋区長からのメッセージ
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板橋区書き初め大会in大東文化大学を終えて
大東文化大学の創立100周年を記念し、3カ年にわたり実施いただきました「板橋区書き初め大会in大東文化大学」が、今回が最後の集大成ともいえる大会として、300人をこえる児童生徒の皆さんを一堂に会して開催できたことはとても素晴らしいことと思います。これも偏に、今大会の成功に向けた並みならぬ熱意と書道教育研究に永年に亘り携われてこられた高橋学長並びに高木書道研究所長はじめ、教職員や学生の方々と多くの関係者の皆様の百舎重繭のご尽力の賜と改めて感謝申し上げる次第です。
当日は私も会場に伺いましたが、約300人が一斉に揮毫する姿は圧巻で静寂の中にも熱気があり、それぞれの思いをのせて筆を走らせる姿はとても力強く、書かれた作品はいずれも素晴らしく、審査会で入賞作品を決めるときにはとても迷うほどでした。また、大会冒頭で行われた大学書道部の学生と杉浦太陽さんによるパフォーマンスでは、板橋区の良いところを力強く書き上げて頂き、まさに書の大東文化大学ならではといった素晴らしいものでした。
一方、大東文化大学と言えば書と言われる歴史を積み上げてきたひとつとして『大東書道』という書籍があります。毎号、著名な先生方の書や歴史ある文具の話が掲載されており、私も愛読していて、とても勉強になる書籍です。
他にも、大東文化大学と板橋区との関係は永きに亘り、大学教職員と区職員との共同研究をはじめ、区政全般に関わっていただいております。まさに大東文化大学は区内の一大学の枠を超えて板橋区の伸長発展に欠かせない協働のパートナーといえます。
大東文化大学の創立100周年を記念する行事を終えて、これまで以上に大東文化大学と板橋区との間で様々な事業に取り組めるよう、心より期待すると共に、大東文化大学の益々のご発展をお祈りし、祝辞とさせていただきます。
- 中川修一教育長からのメッセージ
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板橋区書き初め大会in大東文化大学を振り返って
この度、大東文化大学創立100周年記念で3年間にわたり、実施された「板橋区書き初め大会in 大東文化大学」が無事に終えられたことを大変うれしく思います。
記念行事最終年となる今年、3回目にして初めて300人をこえる児童生徒の皆さんが一堂に集まり、心を一つにして書き初めを書き終えたことは感無量の思いです。当日は私も参加させていただきましたが、揮毫中は静かな中にも、とめやはらいと大勢の皆さんが集中している空間は、今までに味わったことの無い独特の緊張感を感じ、とても貴重な体験でした。
板橋区教育委員会も協賛させていただき、大東文化大学とともに準備を進めて参りましたが、今大会が成功裏に実施できましたのは、高橋学長並びに高木書道研究所長をはじめ、大会運営に関わった多くの教職員の皆様が入念な準備を進めていただいたおかげと感謝するとともに、改めて御礼申し上げます。
さて、大東文化大学と板橋区教育委員会は連携に関する協定を締結しており、様々な取り組みを協働して行っています。例えば、大学の教職課程の学生を特別インターンシップ生として小中学校で受け入れたり、学習支援ボランティアとして参加いただいています。また、書き初め大会を機に取り組んだものとしては、年末に複数の小中学校で書き初め指導を行っていただきました。さらには、上板橋第二中学校改築の際は、学校の顔ともいえる校名版を高木所長にお書きいただきました。
このように、板橋区の教育活動には大東文化大学の先生方や学生の方々に深く関わっていただいており、日頃から大変感謝しております。
結びに、この取り組みを機に今後とも書を通じて書道研究所はもちろん、様々な分野で大東文化大学と板橋区教育委員会が協力してお互いの発展に寄与できることを願ってお祝いのご挨拶とさせていただきます。
- (俳優・タレント・板橋区観光大使)杉浦太陽さんからのメッセージ
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「板橋区書き初め大会 in 大東文化大学」の開催に寄せて
この度は、大東文化大学創立100周年にともなう「板橋区書き初め大会 in 大東文化大学」に参加できたことを大変光栄に思います。
大会1回目は、新型コロナウイルスの感染拡大により自宅で揮毫した作品を募集するかたちでの実施でした。2回目は2部入れ替え制ではありましたが、会場での対面実施が実現。そして、100周年記念事業の最終年にあたる3回目には、とうとう参加者300人が一堂に会することができました。大東文化大学が困難に立ち向かい、ダイナミックに飛躍していく姿を目の当たりにした思いです。本来の形式で開催できたのは、高橋学長並びに高木厚人書道研究所所長、教職員や学生の方々が力を尽くしてくれたおかげです。
今回は、私も書道パフォーマンスに参加しました。大役を任され、気が引き締まると同時に、自分に務まるだろうかと不安もありました。しかし、書道研究所のスタッフや書道部の学生の皆さんのサポートもあり、板橋の魅力をぎゅっと凝縮したような作品が完成。渾身の出来となりました。このときに味わった達成感こそ、書道の醍醐味です。今や、パソコンやスマートフォンで気軽に文字が入力できる時代ですが、手書きでしか出せない文字の表現や魅力があると思います。書き初め大会に参加している子どもたちは、そのことを理解しているから、夢中になって書道と向き合えるのではないでしょうか。こうした書道文化が板橋区に根づいているのは、大東文化大学の熱心な働きかけの賜物。地域貢献の積み重ねが書き初め大会というかたちで結実したのだと思います。
板橋区では多彩な行事やイベントが催されていますが、「板橋区書き初め大会」は「いたばし花火大会」にも負けないくらい地域にとって大切なイベントです。今回で一応の区切りはついたものの、また別の形で書き初め大会が実現することを願っています。大東文化大学のますますのご発展、並びに教員、学生の皆様のご健勝とご多幸を祈念してお祝いの言葉とさせていただきます。
- 高橋進学長からのメッセージ
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創立100周年記念事業「板橋区書き初め大会in大東文化大学」を終えて
創立100周年記念事業「板橋区書き初め大会in大東文化大学」が、令和6年1月21日に本学板橋校舎体育館において盛会裏に挙行されました。3年間開催の締め括りにふさわしい書き初め大会になったことは、本学としても嬉しい限りです。
実に厳粛な雰囲気の中、約300人の板橋区立の小中学生が一斉に筆を進める姿は勇壮と表現するしかありません。誰一人として会話をすることなく、集中を切らさずに自分の書と向き合う小中学生の真剣な眼差し。体育館の上階でその姿を、固唾を呑んで見守る保護者の方々。時々小さく漏れる溜息。緊張感の中で書き上げた作品とは思えない素晴らしい出来栄え。見ている私もつい引き込まれてしまう特異的な素晴らしい時間を共有させていただきました。「書道の持つ魅力」「文化・教育としての書道」「書を嗜むこと自体が、日本の伝統文化をなぞることになること」、小中学生の書き初めを拝見しながら改めてさまざまな気付きもありました。と同時に、本学の書道に代表されますように100周年を迎えた本学の伝統的文化や多様的な文化をしっかりと次の世代、そしてそのまた次の世代へと、文化の襷を繋げていくことの意味や意義を強く感じる機会にもなりました。
ところで、書き初め大会の後に、参加した小中学生が、餅つきに挑戦してくれました。静から動、緊張からリラックス、書に向かう小中学生は大人びて見えましたが、餅つきでは子どもらしく快活な姿で楽しむ姿も印象的でした。
いずれにしましても、本事業が板橋区の教育活動の一助になったのであれば、これも本学にとっては本望だと痛感しています。
坂本板橋区長、中川教育長、杉浦太陽さん、参加いただいた皆さん、全ての関係各位に感謝するとともに、本学ではこれからもこのような機会を企画・立案していく所存です。
- 高木厚人書道研究所所長からのメッセージ
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伝統文化である書の力を今再び見直そう!!
本年で3回目となる、大東文化大学100周年記念事業「板橋区書き初め大会in大東文化大学」がようやく3年目にして本来の姿にもどることができました。体育館に並べられた畳300枚、その上に1人ずつ子どもたちが書道用具を広げて開始合図を待つ時間、会場はピンと張りつめ、保護者を含めて500人を超す人たちの静寂の一瞬でした。
45分間、配られた用紙は5枚、小学2年生から中学3年生までの参加者たちは、皆真剣そのもの。その子どもたちを2階から見ているお父さんお母さんたちも劣らず真剣でした。
書道の持つ力を大学教育の一つの柱としている大東文化大学にとって、この大会は実に意識深いイベントであったと改めて感じています。
席書大会開始の前に繰り広げられた大学書道部のメンバーによるパフォーマンス、板橋ゆかりの言葉を書いたのもいいアイデアでした。また、席書大会を終えてからの「ヨイショヨイショ」と向かい合う2人で交互に餅をつく経験も子供たちにとっては何よりの体験だったように思います。スマートフォンを手に写真を撮るご父母の嬉しそうな姿が目に残っています。
この地元での書き初め大会は、関係者の熱き想いで実現したものですが、その中で新しい交流が生まれ、大東文化大学の存在感も確実に増したイベントだったように思います。板橋区長・坂本健様、板橋区教育委員会教育長・中川修一様をはじめとし、板橋区教育委員会の全面的なご支援を受け無事3年間やり遂げたこと、本当に嬉しく思っています。盛り上げて下さった板橋区観光大使の杉浦太陽様ありがとうございました。学生のパフォーマンス書道に飛び入り参加して書かれた「板橋区」、そしてお名前の「杉浦太陽」の文字、どちらも本当に立派でした。ありがとうございました。
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大東文化大学書道研究所内「板橋区書き初め大会 in 大東文化大学」 係