Asia education

白山中学校1年生のための「アジア理解講座」が開催されました(12月4日)。

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 12月4日、新5号館0312教室及びMホールにおいて、東松山市立白山中学校の1学年(40名)を対象に「中学生のためのアジア理解講座」が実施されました。2013年から三年連続の開催となりました。


 


▲参考資料



ワナッカム!

今回の講師は、小尾淳先生です。国際関係学部の研究補助員を務める傍ら、非常勤講師として「アジア言語講座(タミル語A・B)」や「比較文化特殊講義(アジアの身体とパフォーマンスA・B)」などの授業を担当されています。

講座のテーマは「インド舞踊にふれる」。南インドの古典舞踊「バラタナーティヤム」を体験してもらおうという企画です。

導入は、インドの桁外れの広さや多様性、そしてインドの食についてのお話です。「インドの人は毎日カレーを食べていると思っていませんか?」「カレー」はタミル語で「汁」を表す「カリ」に由来する英単語だそうです。

次は「バラタナーティヤム」が生まれたインド最南端のタミール・ナードゥ州(タミル人のくに)の概要です。州都はチェンナイ(当日の新聞に、洪水で国際空港が閉鎖されるほどの被害が出ていることが報じられていました)、人口6000万は日本の人口の半分に相当します。産業では最先端のIT企業と農業が混在するハイブリッドな州です。言語はタミル語と英語、インドの公用語であるヒンディー語はほとんど使われていないのだそうです。挨拶は「ワナッカム!」。

 「バラタナーティヤム」は、もともとはヒンドゥー寺院で行われていた神様にささげる踊りで、それが20世紀になって舞台芸術として生まれ変わったのだそうです。「バラタナーティヤム」を踊るときの衣装、基本のポーズやステップ、ハンド・ジェスチャー(片手28種、両手22種)などの説明を聴いた後は、会場をMホールに移して、いよいよ踊りの実践です。

 「つま先を左右に開き、背筋をまっすぐにしたまま腰を低く落とします」。小尾先生に倣って、次々とステップやハンド・ジェスチャーを実践していきます。両手を頭上に上げて頭を左右に移動させる動きに、生徒たちは興味津々でした。「特別な人しかできないというものではありません。練習すれば誰にでもできるようになります」。小尾先生に励まされながら、何度も練習を繰り返していました。

基本のステップ

 南インドの「バラタナーティヤム」をはじめて体験してみて、中学生の皆さんはどんなことを感じたでしょうか。異なる地域で暮らす人々の身体の動きを体験することはれっきとした異文化理解です。今回の講座をきっかけに、インドをはじめアジアの多様な「身体表現」に興味をもっていただけたらと思います。

 一見、不思議な姿勢をとる踊りに最初は驚いたのではないでしょうか。インド舞踊では手、首、腕、足の使い方すべてにおいて日本人には馴染みのない動きをします。それでも、すぐに特徴を捉えてくれたので感心しました。人数が多く一人一人を丁寧に見られなかったのが残念ですが、一生懸命練習してくれたのが嬉しかったです。また機会がありましたらいろいろなステップにチャレンジして頂きたいです。