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国際関係学科国際文化学科

坂下東士さんが、青年海外協力隊として2016年度にベナン共和国に派遣されることになりました。

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 国際関係学科の坂下東士さんが、2016年度に、日本国際協力機構(JICA)の青年海外協力隊(JV)として、西アフリカのベナン共和国に派遣されることになりました。職種は、コミュニティ開発。昨年度は、国際関係学科の齋藤秀旭さんが日本語教師としてJVに採用され、この7月にブラジルに赴任したばかりです。国際関係学部からは二年連続でJVの隊員を輩出することになります。

 齋藤さんは、6月5日の「インターンシップ・イン・アジアⅠ」の授業で、JV研修のようすや抱負を語り、赴任直後には、授業のFacebookに以下のような書き込みをしてくれています。「本日、ブラジルに到着しました。到着すると同時に、サンパウロでの現地適応訓練が始まりました。これから3週間、語学などの訓練を行ったのち、任地に派遣されます。夜9時以降は外出禁止で、行動範囲も限られ、殺伐とした雰囲気に、いきなりとてつもない治安の悪さを体感しております。まずは、ブラジルでの暮らしに慣れ、2年間の活動を全うできるように努めます」。

 坂下さんは、アラビア語を専攻。2年の春休みアメリカのシアトルで語学研修をしています。E・マーゲルゼミに所属し、TOEICでも900点近い高スコアをマークしています。坂下さんが、青年海外協力隊を考えはじめたのは、意外にも3年生の終わり、埼玉県国際交流協会主催の「グローバル・リーダー研修プログラム」に参加し、そこで講師の先生に勧められたのがきっかけだったそうです。

 とはいえ、平和構築を将来の研究課題にしたいという坂下さんの、その問題意識が芽生えたのは、入学後に参加したNGO研究班の新歓ワークショップだったといいます。それ以後、先輩の藤井環さんや斉齋秀旭さんの影響をうけながら、NGO研究班の中心として活躍してきました。「今後もNGO研究班から、毎年のように派遣隊員が出るようになれば嬉しいですね」と坂下さん。

坂下さん

 ところで、東京生まれの東京育ちだという坂下さん、なぜアフリカへの赴任を希望したのでしょうか?「とにかく何も知らないところで活動してみたかった」。
 来年2月には、鹿児島で3週間の技術補完研修があります。4月下旬から2ヶ月間、長野県の駒ヶ根でのフランス語研修の後、ベナン共和国のボディ村へ。
 想像を絶するようなきびしい生活環境の中でのボランティアとなりそうですが、さまざまな試練を乗り越え大きく成長してもらいたいと思います。

坂下さんの任地について 

 坂下さんの任地となるのは、ドンガ県バシラ市ペネスル区ボディ村。JICA事務所のあるコトヌーからはバスで8時間。JICAの資料によれば、ボディ村の概要は以下の通り。人口約7800人のアニ族の農村、全住民がイスラム教徒である。現地語は「アニ語」。男性は自給穀物栽培、出稼ぎ、家の修理や村の共同作業を、女性は家事、小口商売や野菜栽培を行っている。拡大家族単位で自給穀物を備蓄する共同管理のしくみや、ウルボと呼ばれる日本の「結」にあたる相互扶助のしくみが残っている。地域としての自己組織力が高く、連帯により成り立っているのが同地域の強みである。

 「青年海外協力隊は、絶対に参加した方がいい!」。JVに興味をもった学生には必ずそう伝えています。普通の海外旅行や留学では絶対に体験できないような貴重な経験を、たくさんすることができるからです。といっても、現地での生活やボランティア活動は、楽しい事よりも苦しくつらいことの方が多いかもしれません。日本と現地の文化や感覚の違いから、仕事はなかなか思うように進まないでしょうし、生活面でも洗濯は手洗い、飲み水は毎回煮沸してから使用するというような地域も少なからずあります。しかし、そういった厳しい環境に挑んで得た経験というのは、その後の人生の大きな糧になることは間違いありません。また、つらい経験を共にした協力隊の仲間はかけがえのない存在(同志・友人)となります。どちらも日本にいては得難い財産になるでしょう。齋藤さんも坂下さんも、近年派遣されている国や地域の中では(中には日本と同程度の生活ができる場所もありますが)、とりわけ過酷な場所に派遣されます。けれども、そこはむしろ当たり前のことが当たり前ではない世界に滞在できる絶好の機会と捉え、もがきながらも精いっぱい楽しんできてほしいと思います。そして、帰国したら後輩たちに熱い体験談を聞かせてください。二人の成長した姿を見るのが待ち遠しいです。

 さらに「特記事項」として次のように記されています。「極めて生活に厳しい村で、炭の火起こしからの調理、井戸の水汲み、飲料水の煮沸を日常的に行うことになる。現地食材以外は手に入らない。土壁の住居で便所がない可能性がある。限られた物の中での健康管理は必須」。
 想像を絶するようなきびしい生活環境の中でのボランティアとなりそうですが、さまざまな試練を乗り越え大きく成長してもらいたいと思います。

 国際関係学部事務室の山田岳さんも、実はJVの大先輩です。2005年から2007年までの2年間、パプアニューギニアでのボランティアに従事しています。齋藤さんと坂下さん、そしてJVを目指す学生諸君に向けて次のようなメッセージをいただきました。